「虫酸が走る」という言葉について、意味をよく知らないという人もいるでしょう。

「虫酸が走る」の意味を知っておけば、周囲の人との会話や本を読んでいるときに、正しく表現の意味を理解できるようになります。

「虫酸が走る」の意味はもちろん、正しい使い方や例文なども把握しておけば語彙力アップにつながるでしょう。

この記事では、類義語や対義語、英語表現についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 「虫酸が走る」の意味とは

    「虫酸が走る」の意味や関連知識について紹介していきます

「虫酸が走る」の意味とは

  • 「虫酸が走る」の意味とは

    「虫酸が走る」の意味を把握しましょう

まずは「虫酸が走る」の意味や由来などについて紹介します。

とても不快なものを表す言葉

「虫酸が走る」とは、とても不快なことやひどく忌み嫌うことという意味です。「むしずがはしる」と読みます。

苦手なものや嫌いなものに対して使用し、不快感や嫌悪感を表現する際に使われる言葉です。

「虫酸が走る」の由来

一般的に「虫酸が走る」は、不快な状態を表す言葉として使われることが多いです。

「虫酸」とは、胃から口に逆流してきた胃酸のことです。そのため「虫酸が走る」には、口に胃酸が逆流してきた状態という意味もあります。

胃酸が逆流すると吐き気や不快感が生じることから、「虫酸が走る」は胸がむかむかするほど不快であることを表現する言葉として使われています。

「虫酸」と「虫唾」の違い

「虫酸が走る」の「むしず」には、「虫酸」と「虫唾」の2種類の漢字表記があります。どちらも同様の意味であり、どちらの漢字を使って表記しても問題ありません。どちらかというと「虫酸が走る」と表記するのが一般的とされています。

一説では、「虫酸」は「寄生虫によって胃液が生じている状態」で、「虫唾」は「寄生虫の唾液が胃液になっている」という違いがあるともいわれています。

「虫酸が走る」の類義語

  • 「虫酸が走る」の類義語

    「虫酸が走る」と同じ意味を持つ類義語について紹介します

「虫酸が走る」と同様に、強い不快感を表す意味の言葉について紹介します。

「反吐が出る」

「反吐」が出るとは、一度飲み込んだものを吐き戻してしまうという意味です。転じて、強い不快感や嫌悪感を感じることの意味としても用いられます。

「今回の上層部の決定には反吐が出る」といった使い方をして、強い不快感を表す言葉として使われます。

「吐き気がする」

「吐き気がする」は、胃の中身を吐き出しそうになる感覚のことで、非常に不快な状態を表現する際にも使われます。胃酸が逆流して口に出てくるような不快感を表す「虫酸が走る」に近い意味を持つ言葉といえるでしょう。

「彼の名前を聞いただけで吐き気がする」といった使い方があります。

「腹立たしい」

「腹立たしい」とは、しゃくにさわること、嫌いなことといった嫌悪感を表す表現です。怒りのニュアンスを伴う表現でもあり、嫌悪感に加えて怒り感情がある場合などに使えるでしょう。

「腹立たしくて顔も見たくない」といった使い方があります。

「胸糞が悪い」

「胸糞が悪い」は気持ちが悪いこと、忌々しいこと、不愉快なことという意味です。胸がむかむかするような不快感を表しています。

「ふとネットニュースを見たら、胸糞が悪くなるようなニュースばかりだった」といった使い方があります。

「糞」という漢字が含まれており、表現として乱暴な印象があるため、会話や文章での使用については注意が必要です。

「鼻持ちならない」

「鼻持ちならない」も不愉快であることを表現する言葉です。特に相手の嫌味な印象の言葉や行動に我慢できない状態を表します。

「鼻持ちならない奴で、もう会いたくないな」といった使い方があります。

「蛇蝎のごとく嫌う」

「蛇蝎」は「だかつ」と読み、ヘビとサソリのことです。「じゃかつ」と読むこともあります。「蛇蝎のごとく嫌う」で、人が恐れて嫌う状態を表現しています。

「彼女はその彫刻を蛇蝎のごとく嫌っていた」といった使い方があります。

「虫酸が走る」の対義語

  • 「虫酸が走る」の対義語

    「虫酸が走る」とは反対の意味を持つ言葉について紹介します

「虫酸が走る」とは逆に、好感や好意を持つことを意味する言葉について紹介します。

「好き」

「好き」とは、心が惹かれることや気に入ることで、そのさまを表現した言葉です。不快感や嫌悪感を表す「虫酸が走る」とは逆の意味を持つ言葉といえるでしょう。

「好き」にはほかにも、「好きなだけ食べていい」のように自分の思うままにふるまうといった意味もあります。

「尊敬する」

「尊敬する」とは尊び敬うことです。人や、その人の行為や思想、人格などを対象として使われます。「尊敬する」は、「虫酸が走る」とは異なり、相手に対してポジティブな意味合いを持つ言葉です。

「彼の勇敢な行為は本当に尊敬するよ」といった使い方があります。

「崇める」

「崇める」とは、きわめて尊いものとして敬うことや、大事に扱うという意味です。強い尊敬の感情を表す際に使われます。「神様を崇める」といった使い方があります。

「恋い慕う」

「恋い慕う」とは、ひたすらに恋しく思うことという意味です。「遠く離れた地元の家族を恋い慕う」といった使い方をして、恋しく思う気持ちを表現します。

「目がない」

「目がない」とは、我を忘れるくらいに好きである状態を意味する言葉です。別の意味として、正しく判断したり見極めたりする知恵がなく、的確に物事を判断できない状態という意味もあります。

「彼は甘いものに目がない」など、好きなものを表す時に使われる表現で、「虫酸が走る」とは逆の意味を持ちます。

「好意を抱く」

「好意を抱く」とは、好ましく思う気持ちのことです。相手に対する愛情を遠回しに表現する際にも用いられます。

「気が付いたときには彼女に対して好意を抱いていた」といった使い方があります。

「好感が持てる」

「好感」とは、好ましい印象やよい感じのことです。「虫酸が走る」とは逆の意味の表現です。

「彼女は誰に対しても親切で、好感が持てる人だった」といった使い方があります。

「快適」

「快適」とは、心にも体にも気持ちよく合うことやそのさまという意味です。心身ともに具合がよくて、快いことという意味があります。

「この場所はいつ来ても静かで落ち着いていて、快適だ」といった使い方があります。

「虫酸が走る」の使い方と例文

  • 「虫酸が走る」の使い方と例文

    「虫酸が走る」にはどのような使い方があるのか、例文とともに紹介します

実際の会話や文章の中において、「虫酸が走る」はいったいどのように使うのか、使い方を例文でわかりやすく紹介します。

「虫酸が走る」を使った例文は以下のとおりです。

・虫が嫌いで、虫の話をされただけでも虫酸が走る思いだ。
・自分に嫌がらせばかりしてきた先輩について、思い出すだけでも虫酸が走る。
・この場所に来るたびに虫酸が走るほど不快な思いをさせられている。

「虫酸が走る」は、嫌いなものや不快感を感じる対象とあわせて使われることが多いでしょう。

「虫酸が走る」の英語表現

  • 「虫酸が走る」の英語表現

    「虫酸が走る」の英語表現も把握しておきましょう

「虫酸が走る」のように、強い不快感や嫌悪感を表す英語表現について紹介します。

例文は以下のとおりです。

I hate Edward so much.
俺はエドワードのことがすごく嫌いなんだ。

I am very bad with spiders and don't even want to look at them.
私はクモがとても苦手で、見たくもない。

不快感や嫌いな気持ちを表す英語表現にもさまざまなものがあるので、文脈に合わせて適切な表現を使うようにしましょう。

「虫酸が走る」の意味を正しく理解しよう

「虫酸が走る」は、胃酸が逆流してくることに由来している表現です。とても不快な状態という意味があります。

「虫酸が走る」には、「反吐が出る」「吐き気がする」などの類義語があります。対義語には、「好き」「尊敬する」「崇める」などの表現があるので、あわせて覚えておけば語彙力アップにつながるでしょう。

「虫酸が走る」の使い方を例文とセットで覚えておくと、自分が「虫酸が走る」をいう表現を使うときにも役立ちます。

ぜひ「虫酸が走る」の意味を正しく理解して、使いこなしていきましょう。