人間不信とは、何らかの原因によって周囲の人を信じることができなくなる、あるいは信じることが難しくなってしまうことで、誰もが陥る可能性があります。言葉の意味は理解していても、具体的にどのような状態なのかわからない方も多いでしょう。
この記事では、人間不信の意味や原因、人間不信になっている人の特徴や乗り越え方などをご紹介します。
人間不信とは?
人間不信という言葉は、耳にする機会が多い言葉の一つです。その一方で、なんとなく意味はわかっていても、具体的にはどのような状態のことを指すのかわからないという方も多いでしょう。実際のところ、人間不信の状態は人によって異なることもあり、簡単に定義することはできません。
しかし人間不信について誤解したままでは、自分自身を苦しめたり人を傷つけたりする可能性もあります。そのため人間不信について、正しく理解することが大切です。ここでは、人間不信とはどのような状態なのかについて詳しくご紹介します。
人間不信の意味とは? どんな状態?
人間不信とは、なんらかの理由によって他の人のことを信じられなくなった状態を指します。原因については後述しますが、ささいなことがきっかけで人間不信に陥る可能性があります。
いくら生活を支える各種技術が進化したといっても、人は一人で生きていくことはできません。仕事をするにしても誰かと協力したり時には交渉したりすることも求められます。また普段の生活の中でも、家族や近所の人との関係を完全に絶つのは困難です。
人間不信に陥ると、あらゆる人とのやりとりが苦痛になったり困難になったりするケースもあります。それだけに、人間不信に陥っているのではないかという不安があったり、人間不信の兆候が見られたりするのであれば、病院などの専門機関を受診しできるだけ早い段階で対策する必要があります。
人によって症状や程度は異なる
人間不信になる原因はさまざまですが、症状も人によって異なります。軽度なものであれば多少疑い深くなる、人間関係でストレスを感じるといったものですが、重度になれば仕事や社会生活を送ることが困難になるケースもあります。
その他にも感情表現が乏しくなる、あまりにも人を信じられなくなり人を試すような行動をとってしまう、といったケースもあります。
人間不信は比較的身近な症状であり、その言葉は広く知られています。それだけに大したことがないと決めつけるのはNGです。重度の人間不信になると深刻な事態になる恐れもあるという点を知っておく必要があります。
人間不信になる原因とは?
人間不信になる原因にはさまざまなものがあります。思いがけないきっかけで突然人間不信になる可能性もあるため、注意が必要です。
ここでは、人間不信になる理由の中でも、代表的なものをピックアップしてご紹介します。
信頼していた人からの裏切り
人からの裏切りは、人間不信に陥るきっかけの中でも代表的なものの一つです。特に家族や恋人、親友など相手のことを強く信じている、あるいは強い信頼関係を築いている相手からの裏切りは受けるショックも大きく、人間不信の原因になってしまいがちです。
裏切りの内容としては、信頼していた人が自分の陰口を言っていたといったものから、恋人を親友や兄弟・姉妹などに奪われたといったものまでさまざまあります。信頼関係が強く、裏切りの内容が重いものほど人間不信に陥ってしまうリスクが高いでしょう。
人間関係での理不尽な経験
理不尽な経験によって人間不信に陥る、というケースも少なくありません。特に多いのがいじめ、いびりといった経験です。
自分に非がなく目立った原因も無いにも関わらず、他人から攻撃を受けることで人間に対して恐怖心を抱き、結果として信じることができなくなってしまいます。
幼少期の愛情不足
誰でも幼少期はわがままで、親をはじめ、さまざまな人に迷惑をかけてしまうものです。それでも許され、そしてしっかりと愛されたという経験は人間形成に大きな影響を与えるといわれています。
幼少期に愛情を受けることは自己肯定感の基礎となり、自信にもつながるでしょう。一方で、愛情が不足していると自己肯定ができなくなり、周囲の人のことも信じられなくなります。
大人になってからは特に原因として思い当たるものがないにも関わらず、人間不信になった場合、幼少期に原因があるのかもしれません。
大切な人の喪失
家族や恋人、親友など大切な人を急に失うことも人間不信の原因になりやすい傾向にあります。
どれほど身近で仲が良い相手であり、強い信頼関係を築くことができていたとしても、その関係は永遠ではありません。どこかで別れのときがやってくるのは避けられないことです。
しかし、それを素直に受け入れることができずに、周囲の全ての人や世の中のことを信じられなくなってしまうということがあります。
恋愛で傷つく経験をした
恋愛も、人間不信の原因になりやすいものの一つです。恋人には当然信頼を寄せていますし、愛情を注いでいます。また、相手からの愛情も信じています。
それなのに、裏切られるなどして傷つく経験をすると、トラウマとなって人間不信に陥りがちです。
人間不信になるのは優しい人だから?
相手のことを信じて裏切られ、傷つくことは、自分自身が優しいからであるとも考えることができます。人を深く信じることができる優しさを持っているからこそ、裏切られたときのショックが大きくなるとも考えられるのです。
このように、自分が優しい人だから、優しい心を持っているから、と考えて自己肯定してあげることも大切です。
人間不信になっている人の特徴
人間不信に陥っていると考えられる人には、さまざまな特徴があります。ここでは、代表的なものをピックアップしてご紹介します。
人との距離を取る
相手を信じることができないため、人との距離を取るというのは人間不信の代表的な特徴の一つでしょう。相手に対して不信感があるので、あまり心を開くことはなく、距離を取って接しようとします。
親しくなろうとしない
裏切られることを恐れて親しくなろうとしないという点も、人間不信に陥っている人の特徴の一つです。特に、家族や恋人など親しい人の裏切りが原因で人間不信になってしまった人は、あまり周囲の人と親しくなろうとしないでしょう。
人を試すような言動が見られる
相手への不信感から相手のことを試すような言動が見られるのも、人間不信になっている人の特徴の一つです。自分への愛情や信頼を試すような言動によって、人間関係のもつれを引き起こす可能性もあります。
人への不満が多い・悪口が多い
人間不信によって周囲への不満を感じているというケースも多いため、悪口なども多くなる傾向があります。
人間不信を克服するためのヒント
重度の人間不信になり社会生活を送るのが難しくなった場合には、病院などの専門機関を受診すべきです。
しかしそれほど重度ではなく軽度の場合には、自分で乗り越えられるケースもあるでしょう。ここでは、人間不信を乗り越えるためのヒントをご紹介します。
自分がつらい状況であることを認める
まずは、人間不信によって自分がつらい状況であると認めることが大切です。そもそも、自分が人間不信であることを認めなければ乗り越えることはできません。
自分の状況をしっかりと分析して、自身を肯定してあげる、甘えさせてあげることを意識することも重要です。
人のいろんな面を見ることを意識する
人を信じるためのコツとして、いろいろな面を見ることを意識してみましょう。人はさまざまな面を持っています。するとその人の意外な一面などが見えてきて、その人のことを信じるヒントが見つかるかもしれません。
広く浅い人間関係を構築してみる
深い関係、親しい関係になることに不安を抱いているのであれば無理をせずに、広く浅い人間関係を構築するのも方法の一つです。浅くても広くいろんな人を知ることで人間不信を乗り越えるヒントが見えてくるかもしれません。
人間不信を正しく理解して乗り越えよう! 重度のレベルの場合は迷わず病院へ
人間不信とは人のことをうまく信じることができなくなる状態のことを指します。原因や状態にもさまざまなものがあり、重度になると日常生活が困難になることもあるでしょう。
人間不信は誰もが陥ってしまう可能性があるため、正しく理解することが重要です。また、日常生活が困難、心身の不調が見られる場合は、病院などの専門機関を受診することをおすすめします。