仮面ライダー同士が互いに潰し合う、新たなゲーム=デザイアロワイヤルが繰り広げられる映画『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』が12月23日から公開される。公開記念の単独インタビューの今回は、自分のことよりも他人の幸せを優先する心優しい青年・仮面ライダータイクーン/桜井景和を演じる佐藤瑠雅にご登場いただいた。

  • 佐藤瑠雅(さとう・りゅうが) 2001年生まれ、千葉県出身。『仮面ライダーギーツ』(2022年)の仮面ライダータイクーン/桜井景和役は連続テレビドラマデビュー作となる。 撮影:大門徹

就職活動に勤しむ平凡な大学生だった景和だが、ジャマトの襲撃に遭遇したことがきっかけで、複数の仮面ライダーによる生き残りゲーム「デザイアグランプリ」にエントリーすることになった。人の良い景和は、極めて狡猾にゲームを進める仮面ライダーギーツ/浮世英寿(演:簡秀吉)や勝つために手段を選ばない仮面ライダーバッファ/吾妻道長(演:杢代和人)たちに翻弄されながらも、あくまで大勢の人の命を救うために目の前の困難を乗り越えようと奮闘する。

まったく何も知らない状態からデザイアグランプリに参加し、その複雑なルールを一から知っていく役割を担う景和は、われわれ視聴者にもっとも近い存在といえる。ここでは佐藤から、『仮面ライダーリバイス』キャストとの共演シーンをはじめとする映画の必見ポイントや、『仮面ライダー龍騎』(2002年)の龍騎、ナイト、王蛇、リュウガといったレジェンドライダーへの熱い思いを聞いた。

――『仮面ライダーギーツ』テレビシリーズの序盤では、平凡な若者である景和の視点から、ミステリアスな生き残りゲーム「デザイアグランプリ」とそれに参加する仮面ライダーたちの戦いが描かれていました。劇中では何もわからないまま仮面ライダータイクーンになった景和ですが、佐藤さんには事前にデザイアグランプリの秘密や「景和の今後」について聞かされていたりするのでしょうか。

次にもらう台本を読むまでそれぞれの仮面ライダーがどうなるのか、まったくわからないことがほとんどです。現段階で僕が言えるのは、年内の放送日(12月)までにはデザイアグランプリが何のためにあるのかが視聴者の方々にもはっきりわかるんじゃないかな……ということだけです。

――放送開始から早くも3か月あまりが過ぎました。その間にデザイアグランプリは数回優勝者=「デザ神」が英寿に決まったり、負傷によってゲーム続行不可能になった景和が「脱落」したりと、尋常ではない速さの展開が話題を集めています。佐藤さんの周辺でも何か『ギーツ』についての反響をもらったりすることはありますか。

毎回の放送時に、SNSのトレンドワードに「景和」や「タイクーン」が入っているのを見ると、注目していただいてるんだなあと実感します。僕の親戚……母の叔父さんの子がちょうど『ギーツ』が大好きな年ごろで、いつも観てるよ~ってベルトを着けたその子の写真が送られてきました。話題になっているのは純粋に嬉しく思っています。

――景和には両親がなく、OLの姉・沙羅と2人きりで暮らしている設定ですが、沙羅役の志田音々さんとはどんな雰囲気の姉弟を演じるか、相談し合ったりすることはありますか。

役について細かいことを話し合ったことはないですが、普段からコミュニケーションはよく取ります。セリフとセリフの間に、アドリブでこういう芝居をはさみたいんだけどどうかな?みたいなことは、自分からよく言わせていただきます。第7話で景和と沙羅がおソバ屋さんで英寿と祢音と向き合って話すシーンでは、景和のセリフはほとんどアドリブが入っています(笑)。

――タイクーンになる運命が決まっているかのように「たぬきそば」を好む景和ですから、お蕎麦屋さんは重要な場所になりました。劇中で景和が食べている蕎麦は本当にあのお店で作っていらっしゃるのですか。

もちろん本物で、美味しいんです。お蕎麦屋さんでの撮影は楽しいですよ。本物のお店の方々もとてもあったかいお人柄で、優しいんですよ。ふだんのときから行きたいお店になりました。劇中での店主・ミスターちんさんも一回だけの出演かな、と思ったら何回も出てこられて、もうお馴染みになっちゃいましたよね(笑)。

――蕎麦といえば、10~11月放送分では東洋水産と『ギーツ』とのコラボCMがあり「マルちゃん赤いきつね」を英寿が、「緑のたぬき」を景和が紹介する内容で鮮烈な印象を残してくれました。CM撮影は、テレビの合間に行われたのでしょうか。

そうです。テレビ撮影とは別に、CMのスタッフさんが来られて、デザイアグランプリのサロンを使って撮影していました。僕自身はCMであっても景和という役を演じることには変わりがありませんから、テレビと同じように演技して、特に問題もなくスムーズに進みました。それにしても、ギーツ・タイクーンと「赤いきつね/緑のたぬき」のコラボなんて、番組が始まったころから誰もが「やったら面白い」とか「そのうちやるんじゃないの」って、なんとなく思っていたかもしれないんですけど、こんなに早いタイミングで実現してしまうとはって、驚いた人も多かったんじゃないですか。僕らも、うわ、ホントにやりますか!ってビックリしましたから(笑)。