「自分は何のために生きているんだろう?」40歳を迎えるにあたり、どこかでずっと年齢に囚われて生きてきたように思う……そんな思いのブレーキを外したという漫画が話題になりました。

ファッションブランド「Antique Carrie(アンティークキャリー)」を立ち上げた服飾デザイナーで漫画家の小柳かおり(@kaokaokaoriri)さんの投稿をご紹介します。

私にとっての40歳と、心のブレーキを外した話(@kaokaokaoririより引用)

  • (@kaokaokaoririより引用)

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「40歳は絶望の年齢だった」という小柳さん。悩みに悩んで「第二の人生の幕を開ける!」と思い立ったそう。

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これからやってみたいこと、これまで諦めてきたことを考えた時、服作りに興味があることを思い出し、チャレンジすることに。

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モヤモヤする気持ちもあるものの、「私が決めていいんだよな」と意を決して40歳のタイミングで服飾学校に入学、一歩踏み出したら世界が広がったと言います。人によって「自分はもうこんな歳だし……」と思う年齢は違うかもしれませんが、心にブレーキをかけず、"呪いの鎧"を脱いで楽になることも時には必要なのかもしれません。

この投稿には、「同年代なので、とても沁みました。心のブレーキ、どんどん外していきたいですね!!」「カッコいいです 好きなことと向き合うのって意外と勇気がいりますよね! でも宣言までして突き進んで行く姿がカッコイイ」と共感の声が寄せられています。

また「私も45歳から独学で絵を描き始め、マイペースに活動し、チャレンジを楽しんでいます」「私の場合は50歳がリスタートでしたが、何歳でもやりたいことがあればやって行った方がいいですね!」とチャレンジした方からのリプライも。

ブレーキをかけるのもチャレンジするのも自分の心次第と思えるエピソード、投稿した小柳さんにお話を伺いました。

投稿者に聞いてみた

――こちらのエピソード、執筆されたきっかけをお教えいただけますか?

40歳のタイミングでの服飾学校入学は、私の人生を180度変える出来事だったと思っております。

現在はSNSを通してファッションをテーマに漫画を描き、自身のブランドや製作も発信させていただいています。元々ファッションに興味があったものの、全く別の道を選択してきました。また、「自分には似合わないのではないか」とブレーキを踏んできました。それでも一歩踏み出したことで、40代で人生の転機を迎えることができました。

現在に至るまで、「当たり前に」やってきたわけではありません。周囲は出産・育児、そして働き盛りの世代でもあります。そんな中で悩みも抱えながらここまで来ました。悩む内容は違えど同世代の方も同じだと思っています。40歳は「もう若者とは言えないけれど、お年寄りとも言えない。」節目の年齢だと考えているのですが、どこかで「これでよかったのだろうか?」と人生を振り返り、「停滞期」に陥ることもあると思います。

そんな折に、「私はこう考え、こうやってまた前に進むことができた」と発信することが、誰かへの励ましのメッセージになればと思い、改めて入学に至るまでの経緯を作品にしました。

――モヤモヤしていたところから「第二の人生の幕を開ける! とスッと舞い降りた」とのことですが、思い切ったきっかけは?

作中でも記載しましたが「40歳は人生の終わり」と思って30代後半を過ごしてきました。女性にとっては特に妊娠適齢期を過ぎて、子育てを諦めるような年齢です(もちろん40代で出産されるケースもありますが)。

そのくらい重く考えていたから、逆に「そんなネガティブな気持ちを吹き飛ばせるくらい派手なことをして、40歳を迎えてよかったと思いたい」と考えるようになりました。また同時にコロナ禍ということで一人で過ごす時間も増えて、鬱屈とした空気感を吹き飛ばしたいという気持ちも。それで思い切った決断ができたと思います。

――心のブレーキを外して服飾学校に入学した後、迷うことはありましたか? また、その時はどう心を持ちなおされましたか?

学ぶことは毎回ワクワクしていたので、それ自体に迷いはありませんでした。ただ服飾学校で最年長ということもあり、人間関係に悩みました。

服飾学校のメンバーは、社会人デビューに夢を抱いた大学生、一度は就職したものの本当にやりたいことをしたいと学び直している20代前半、ある程度仕事をやってきて落ち着いてきたところで好きなことに再チャレンジする30代前半、というイメージで、40歳は一人でした(笑)。特に20代の子は全く未知だったので、話が合うのだろうか? と心配したりなどしました。

とはいえ、好きなことが共通しているので話も弾みますし、楽しく過ごすことができました。

――こちらの漫画、多くの反響が寄せられておりますね。

共感して頂けて嬉しかったです。同じように45歳からチャレンジされている方もいたり、固定観念で身動きが取れなかったりするというコメントもあり、自分と同じような方がいらっしゃることも分かりました。 誰かに勇気を与えられたら嬉しいですし、逆に励ましのコメントには毎回エネルギーをもらっています。このようなポジティブな想いの交換によって、私もチャレンジし続けられていると思います。


服飾学校に入学してからも、自分のやりたいことにチャレンジし、クラシカルなお洋服を手掛けるブランド「Antique Carrie」を立ち上げた小柳さん。そのお話はKindleの作品「40代からのデザイナーデビュー奮闘記」でも読むことができます。

小柳さんと同世代の方はもちろんの事、何歳であっても自分のやりたいことにチャレンジしたくなる漫画のご紹介でした。