work with Pride 2022 実行委員会は11月10日、「職場・制度への意識調査」の結果を発表した。調査は8月4日〜9月2日、同実行委員会参画企業の従業員を対象にメール配信にて行われ、2万5,048名(うち、LGBTQ+当事者830名)から有効回答を得た。

  • LGBTQ+の問題や不平等に対する取り組みに関心があるか

    LGBTQ+の問題や不平等に対する取り組みに関心があるか

調査によると、自分は「アライ(LGBTQ+を積極的に支援し、行動する人のこと)」だという人は9%、「行動はしていないが、LGBTQ+をサポートしたい気持ちはある」が75.0%。

普段行っていること・心がけていることを聞くと、「ホモ・レズ・オカマという言葉は避けるようにしている」(48.7%)、「正しく理解できるよう、普段から情報収集をしている」(15.3%)、「彼氏・彼女・妻・夫ではなく、“パートナー”などジェンダー中立的な言葉を使うようにしている」(12.0%)が上位に。一方で、LGBTQ+に対し「特になし」という無関心層も44%いることがわかった。

また、同性婚の法制化(婚姻の平等)について賛否を問うと、「賛成」もしくは「どちらかといえば賛成」が66.2%となり、10代と30代では7割を、20代では8割を超えた。

  • 職場への評価(LGBTQ+当事者、非当事者別)

    職場への評価(LGBTQ+当事者、非当事者別)

次に、「自分の職場に対する評価」を聞いたところ、「そう思う」「ややそう思う」の回答率が高かったのは「企業のトップがダイバーシティ&インクルージョンに関するメッセージを発信している」で75.9%。一方、「LGBTQ+の人たちが働きやすい職場だ」(44.8%)、「安心してカミングアウトできる雰囲気がある」(32.9%)は、比較的低い結果に。LGBTQ+当事者と非当事者別にみると、全項目において、LGBTQ+当事者の方が非当事者よりも評価が低く、企業への評価にギャップがあることがわかった。

  • LGBTQ+当事者への質問

    LGBTQ+当事者への質問

次に、LGBTQ+当事者に対し、項目別に「あなたの職場では、下記の制度・サポートは利用しやすい状況ですか?」と質問を実施した。その結果、いずれも「利用しやすい」と「利用しづらい」が同程度であったものの、3割近くが「存在しない/あることを知らない」と回答。せっかく制度があっても、その情報にアクセスしづらい状況にあるよう。

また、「利用しづらい」理由としては、「どの範囲まで自分の性自認や性的指向が開示されるかわからなかったから」(58.4%)や「制度利用にあたり、カミングアウトする必要があったから」(51.9%)が多く、カミングアウトがハードルになっており心理的安全性の確保が課題となっていることが明らかに。

さらに、「あなたが職場でお困りのことはありますか?」という質問では、「何でも異性愛や性別二元論を前提としていること」(37.5%)、「異性愛者のフリをするなど、プライベートのことが話しづらいこと」(32.3%)、「LGBTQ+が笑いのネタになること」(27.5%)、「自分が安心して相談できる人が職場に見当たらないこと」(25.7%)が上位にあがった。