マーキスとはフランス語で「侯爵」の意味。マリオット・ホテルでも部屋数が1,000室以上あるラグジュアリー、プレミアム、セレクトのクラスにしか名付けられないという特別な名称だ。38階建てで南北2つのタワーをもち、全1,388室。夕方になると威風堂々としたツインタワーがバンコクの大都会を彩る。
古くからバンコクで愛されてきた「インペリアル・クイーンズ・ホテル」が、2013年から3年かけて丁寧に改装され、2016年に「バンコク・マリオット・マーキス・クイーンズパーク」として誕生した。大規模なコンファレンスルームや大小の会議室が30室用意され、結婚式場もあって、地元密着型のホテルという印象。ウエディングを挙げるならぜひここで、というローカルっ子たちの憧れのホテルでもあるという。
全館はタイ様式とモダンが融合した内装となっているが、素晴らしいのは、改装時、元のホテルの貴重なチーク材の建築物はできるだけ生かそう、ということで、たとえば、下記写真のロビーは、チーク材の大きな柱をきちんと残して傷つかないように囲いまで施されている。総大理石の床もそのまま使われている。
滞在中はこのロビー(グランドルーム)や館内で多くのビジネスマンのグループを見かけたし、ゴージャスで広々としたロビーは、待ち合わせや打ち合わせをするゲスト、ゆっくりとお茶を楽しむローカルの人々であふれていて、実に活気があった。地元でも愛されていることを実感させられた。
場所はバンコク中心部、在住日本人が多く住むスクンビット通りに位置し、高架鉄道BTSスカイトレインのプロンポーン駅から徒歩5分の距離。ショッピングモールのエンポリウムも近く、観光、ビジネスともに大変便利な立地にある。
客室の内装は、ベージュを基調とした上品なモダンタイ。
客室カテゴリーは下記の7つ。
- デラックス(32m2)
- デラックスパークビュー(32m2)
- Mクラブ(32m2)
- Mスイート(32m2)
- 2ベッドルームファミリースイート(126m2)
- グランドマーキススイート(128m2)
- ザ・スカイスイート(1,002m2)
思いがけない発見があった。ターンダウンサービス前に、安眠できるという枕にふりかけるアロマスプレーをハウスキーピングから渡された。これが、優れもので、海外の観光で疲れていることもあったが、床について3秒で寝落ちしてしまった。
タイ料理に広東料理、アジアフュージョン、屋上バー! 食のレベルが高すぎる
行く前はまったく予備知識のなかったこのホテル。立地や客室の快適さはもちろんだが、とにかくレストランのレベルの高さには驚かされた。結婚式にもよく利用されている、ということもあるが、7つのレストランがあり、まず訪れてすぐにランチでいただいたタイ料理店「サイアム・ティールーム」の料理群にただただ感激。
料理のコンセプトは、伝統的タイ料理に地元ハーブや花をたくさん取り入れ、オリジナルなメニューにしているという。
右の真ん中の料理はパパイヤのソテー。通常、パパイヤサラダは生のパパイヤを使うが、炒めたパパイヤもなかなか。
広東料理の「パゴダ・チャイニーズ・レストラン」。こちらのお料理は、20年以上にわたり一流レストランで腕を磨いた香港出身のオスカー・プンさんが担当。上品な味付けや演出は、グルメ通を唸るらせるほどの味わい。
アジアンフュージョン料理の「アキラバック」。日本料理や韓国料理に、世界のレシピを加味して、アキラバック流オリジナルアジア料理が完成している。ソウル、シンガポール、ハノイ、ドバイ、ラスベガス、パリ、ロンドン、イスタンブール、マラケシュと世界各地にあるアキラバック。ドバイのお店はミシュランの星も獲得しているそうだ。
そして、ここは日本人にはうれしい「シェア」がコンセプトのレストランなので、何品頼んで皆でシェアしてもOKだ。
ロビーラウンジではアフタヌーンティも楽しめる。スクンビット周辺在住の日本人マダムにも人気とか。
Mクラブスイート以上のゲストだけが利用できる27階のMクラブラウンジでの朝食。静かな環境でゆっくりと朝の時間を楽しめる
スパも充実。タイの国王ラマ5世(在位1868-1910)が書いたマッサージの本「Farm from HUE」から着想を得たコンセプト「水」をテーマにしている。
宿泊料金は2万3,000円~(1室2名)。どこに行くにも便利で、バンコクっ子憧れのホテルに一度泊まってみてはいかがだろう。
取材協力: マリオット・ホテル