帝国データバンクは10月20日、「全国旅行支援と水際対策緩和に関する企業の影響アンケート」の結果を発表した。調査は10月14日~18日にインターネットで行われ、1,325社から有効回答企を得た。

  • 全国旅行支援(直接・間接を問わず、見込みを含む)

    全国旅行支援(直接・間接を問わず、見込みを含む)

10月11日よりスタートした観光需要喚起策である「全国旅行支援」が、自社の企業活動へどのような影響(直接・間接を問わず、見込みを含む)があるか尋ねたところ、「影響はない」が最も多く54.8%、「マイナスの影響」はわずか2.4%に。「プラスの影響」がある企業は全体の34.3%と、3社に1社。特に、旅行支援対策の影響を直接受けやすい業種(飲食店/旅館・ホテル/娯楽サービス/旅行/旅客運輸)に限定すると、「プラスの影響」は73.0%と、全体を大幅に上回った。

多くの企業から、直接的な好影響のほか、「交通関係の製品製作を行っており、旅行者が増えることにより交通関係事業者の収益が増えれば、当社の受注も増えると期待」(輸送用機械器具製造)といった間接的なプラスの影響を期待する声も。他方、新型コロナ禍で低迷していた旅行需要が急激に膨らむなかで、人手不足からサービス提供に苦慮するほか、手続きの煩雑さに困惑する様子が一部でうかがえた。

  • 水際対策の緩和(直接・間接を問わず、見込みを含む)

    水際対策の緩和(直接・間接を問わず、見込みを含む)

全国旅行支援と同じ10月11日より、入国者数の上限撤廃、個人旅行解禁など外国人の新規入国制限の見直し、査証(ビザ)免除措置の適用再開、入国時検査・入国後待機の見直し、空港・海港における国際線受入の再開など、水際対策の緩和が始まっている。こうした政府の水際対策緩和が企業活動へどのような影響(直接・間接を問わず、見込みを含む)を与えるかを尋ねたところ、「プラスの影響」とした企業は全体の32.2%。「影響はない」は49.1%、「マイナスの影響」は6.2%となった。

企業からは、円安の進行を追い風としたインバウンド需要の増大を期待する声や、ビジネス上の海外との往来活発化を見込んで、「ビジネスの往来が新型コロナ前に近づく」ことを期待する声も。また、訪日外国人を含めた人流の増加にともなう新型コロナウイルスの感染拡大を不安視する声や、中国との往来回復を待ち望む声が一部で聞かれた。