NHKは18日、経営計画修正案に関するオンライン説明会を開催し、BS放送のチャンネル数削減について説明した。
2021年度より、スリムで強靭な「新しいNHK」を目指す構造改革に取り組んでいるNHK。11日に公表された経営計画修正案では、その方針を維持しつつ、感染症の拡大やウクライナ情勢など新たな課題への対応や、計画公表時に約束していた保有するメディアの削減と受信料の値下げについて示した。現在NHKでは修正案について広く意見を募集しており、それらの意見を参考に取りまとめて経営委員会の議決後、総務大臣に提出、国会の承認をもって確定となる。
衛星波については、現在提供しているBS1、BSプレミアム、BS4Kのうち、2Kの1波を2024年3月末で削減。23年12月に番組改定を行い、「新BS4K(仮称)」と「新BS2K(仮称)」の2チャンネル体制をスタートさせるとしている。
メディア戦略本部の岩本俊彦氏は、新衛星2波への変更後について「衛星のメディアに対して視聴者の方々が評価していただいている部分を新BS4Kと新BS2Kの2つの波を効果的に使ってさらに伸ばしていきたい」と説明。
BSの強みについて「今、BSプレミアムで土曜の夜間に特集番組を集中的に編成したり、BS1では国際情報、スポーツ、ドキュメンタリーなどを集中的に放送していますが、それらは視聴者の方々に大変よく見ていただいていて、それがBSの強みだと考えています」とし、「それらをさらにブラッシュアップした形で強化していきたい」との考えを示した。
経営計画修正案では、新BS4Kについて「世界に通用する多彩なコンテンツ・高精細クオリティを提供」と記載していたが、「例えば特集番組でも今まで以上に4Kの特性や魅力を生かした、また、長尺も生かしたより大きな番組を作っていきたい。世界に通用するような質の高いコンテンツを作っていきたいと考えています」と説明。
続けて、「現状でもBS4Kでは質の高いドラマを作ってきました。今年でいうと、『雪国 -SNOW COUNTRY-』などいくつか4Kのドラマを作ってきましたが、次年度以降も4Kの特性を生かしたより質の高いドラマを作っていければ」と引き続きドラマにも力を入れていくという。
「衛星方法の魅力を凝縮し、ライブ感を重視した機動的な編成を行う」と記載されていた新BS2Kについても、より詳しく説明。「現状ではBS1で国際情報やドキュメンタリー、スポーツ、BSプレミアムで教養エンターテインメントやドラマ、音楽番組など多彩なコンテンツを放送してきましたが、BS2Kになった段階では、これらの衛星の魅力を1つに凝縮したような波に、これまでBSを視聴し、支持していただいた視聴者の方々にしっかり応えていくために、1つのBS2Kという形の波にしていけないかと考えています」と現時点での方針を語った。