帝国データバンクは10月11日、「全国企業倒産集計2022年度上半期報 別紙号外リポート」を発表した。それによると、2022年度上半期(4~9月)の倒産件数は前年同期比185件増の3,123件となり、3年ぶりに増加した。

倒産件数の増加幅、過去10年で最多

  • 年度上半期別 倒産件数増減推移

企業倒産は、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降、コロナ関連融資など各種支援により減少が続いていた。しかし、2022年5月以降は増加基調に転じ、年度半期ベースでもコロナ禍において初の増加となった。

倒産件数の増加幅をみると、前年同期比185件増と、過去10年では増加に転じた2017・2019年4~9月期(各138件・160件増)を上回り最多。リーマン・ショック直後の2009年4~9月期(369件増)以来、13年ぶりの高水準を記録した。

2009年4~9月期の増加要因をみると、機械製造などの「製造業」(195件増)、宿泊業などの「サービス業」(117件増)といった業種で増加しており、「主にリーマン・ショックによる景気後退の余波を受け、設備投資関連や娯楽関連の倒産増が要因となった」(同調査)。

一方、2022年4~9月期は、「サービス業」のほか「建設業」(110件増)などが大幅に増加した。同調査では、「リーマン・ショック後の公共工事前倒し発注などにより、2009年4~9月の建設業の倒産は大幅に抑制されていた一方で、2022年同期はウクライナ侵攻や円安などによる建設資材の価格高騰といった『物価高』、『人手不足』なども重なり、中小零細の建設業者で倒産が増加していることが背景にある」と分析している。