第70回菊池寛賞が11日に発表され、フィギュアスケーターの羽生結弦氏、脚本家の三谷幸喜氏、作家の宮部みゆき氏、NHK『映像の世紀バタフライエフェクト』、信濃毎日新聞社「五色のメビウス」取材班が選ばれた。

  • 羽生結弦氏(左)と三谷幸喜氏

授賞理由は、以下の通り。

■羽生結弦氏
フィギュアスケートの男子シングルで五輪2大会連続金メダル、主要国際大会全制覇などの輝かしい記録を達成。本年プロ転向を宣言し、4回転半ジャンプなど、さらに高いステージを目指して挑戦を続ける。

■三谷幸喜氏
大学在学中に劇団「東京サンシャインボーイズ」を旗揚げ、以来40年にわたり、コメディから「鎌倉殿の13人」などのシリアスな歴史劇まで舞台、テレビドラマ、映画のすべてで優れた作品を生み出し続けている。

■宮部みゆき氏
デビューから35年、社会性を持つ現代ミステリーから、時代小説、ファンタジー、SF、ホラーまで数々の優れたエンタテインメント小説を発表。物語の力によって、老若男女問わず多くの人を読書にいざなう。

■NHK『映像の世紀バタフライエフェクト』
世界各国から収集した貴重なアーカイブス映像で現代史をたどる人気シリーズに、一人のささやかな営みが連鎖し世界を動かしたという新たな視点を導入、歴史の汲めども尽きぬ魅力を伝えている。

■信濃毎日新聞社「五色(いつついろ)のメビウス」取材班
コロナ禍の地域社会において外国人労働者、住民に丹念に取材、その過酷な状況、さらには国の技能実習制度や入管制度の問題を明らかにし、彼らと共存し多様性を尊重する社会の在り方を提言した。

同賞は、文藝春秋の創業者・菊池寛が日本文化の各方面に遺した功績を記念するための賞として1952年に創設。菊池寛と生前関係の深かった文学、演劇、映画、新聞、放送、雑誌・出版、および広く文化活動一般の分野で、その年度に最も清新かつ業績をあげた人・団体、長年にわたり多大な貢献をした人・団体に贈られる。

選考顧問は、阿川佐和子、池上彰、保阪正康、養老孟司。贈呈式は、12月上旬に都内で行われる。