TVアニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』の楽曲が収録されたベストアルバム『ゾンビランドサガ リベンジ フランシュシュ The Best Revenge』がリリースされた。本アルバムには、作中で流れた楽曲のフルバージョンほか、ゾンビアイドルグループ・フランシュシュが歌唱する新曲が3つ収録される。今回、フランシュシュのメンバー・源さくら役の本渡楓、二階堂サキ役の田野アサミ、水野愛役の種田梨沙、ゆうぎり役の衣川里佳のインタビューが到着した。
それぞれの成長
──『ゾンビランドサガ』『ゾンビランドサガ リベンジ』(以下、『リベンジ』)の物語を経て、演じるキャラクターの印象に変化はありましたか?
本渡 最初の頃のさくらは、車に轢かれてゾンビになってしまったり、アイドルグループ・フランシュシュとして活動することになったりと、何が何やら分からない状況のなかで怖がりながらも、必死にみんなについていっていました。演じる身としても「この子は大丈夫かな」って心配になるときもありましたが、『リベンジ』の終盤でさくらが(フランシュシュのプロデューサーである)幸太郎のように「私は絶対に諦めん。諦めんよ」とみんなにカッコよく告げたとき、「あぁ、もうこの子は大丈夫だ」と思いました。荒波にもまれても乗り越えられると信じられるくらいに、彼女は成長しました。
田野 サキはゾンビになってしまったことに対して、あまり後悔しておらず、前向きに考えている子なんです。ただ、恋心を抱いていたホワイト竜さんの言葉を受けて今後について考えたとき、「私はゾンビだから大人には、いい女にはなれん……」って悟っちゃうんですよね。今までは勢いで乗り切ってきた彼女でしたが、はじめてゾンビであることへの壁にぶち当たりました。サキの乙女な部分が垣間見えて、彼女も女の子なんだなと思うと同時に、切なさも感じて。あのエピソードを収録したあとに「風の強い日は嫌いか?」のレコーディングをしたので、ありったけの思いを込めることができました。サキは切ない経験をしたことで、今まで以上に人の痛みに寄り添える子になったと思います。
衣川 ゆうぎりさんは、ゾンビになってからも現代を楽しんでいるようなそぶりをずっと見せてきました。落ち着きがあり過ぎるのが不思議でしたが、『リベンジ』の第8・9話でその理由が明らかになりました。彼女が生きていたときに出会った喜一さんの「誰もが笑顔で、身分も関係なく笑っていられる世界を作る」っていう思いを間近で見ていた彼女は、第2の人生はそうやって生きて行こうと誓ったんですよね。あの回想によって、ゆうぎりさんの笑顔や理不尽なビンタにも色々な意味があったということが分かりました。成長とは少し違いますが、物語が進むにつれて彼女のことを知れました。
種田 愛にとって転機となったのは、『リベンジ』の第4話。アイドルグループ・アイアンフリルの羽場詩織が、フランシュシュから愛を引き抜こうとした回です。愛がアイアンフリルに誘われている瞬間を目撃した(紺野)純子は取り乱してしまい、冷静でいられなくなりました。ただ、純子はすべてを振り切り、全力のパフォーマンスをフランシュシュとして行います。その姿を見た愛は、フランシュシュが素晴らしいライブができるグループで、いま自分がいるべき場所なんだと確信します。「フランシュシュにはアイアンフリルを超えるポテンシャルがあるかもしれない」と皆が思った瞬間ですね。愛は物語を経て、フランシュシュみんなへの信頼や期待が大きくなりました。メンバーとの絆が生まれたと思っています。
アイドルらしさ全開の「他己紹介曲」
──今回リリースされるアルバムには新曲が3つ収録されますが、それぞれの聞きどころについて教えてください。まずは、「We are Fran Chou Chou!」。
本渡 アイドルらしさ全開の「他己紹介曲」です。ゾンビィ1号のさくらは2号のサキ、2号のサキは3号の愛の紹介パートをメインで歌ってます。
田野 私が歌った「カットイン」っていう部分は、最初もっとサキっぽい感じで歌ったんです。ただ、レコーディングで「愛ちゃんをリスペクトして、ちょっとアイドルっぽいかわいい感じでやってください」と言われて、今の形になったんですよ。自分が歌っていない部分で印象的だったのは、「それじゃあ ⾏こうぜ1 2 123!」の部分。他の子は「ワンツスリー」と言っているのに、ゆうぎりさんだけ「いち、に、さん」と言っているんですよ。あそこって、仮歌のときは「ワンツスリー」だったよね?
衣川 実はレコーディングのときにスタッフさんと相談して変えました。「ゆうぎりさんがワンツスリーは違和感あるよね?」って話になって。「じゃあ、ひいふうみーにしますか?」って話もしていたのですが、「それはやりすぎだろう」となって、今の形に落ち着きました(笑)。
田野 ひいふうみーいいじゃん(笑)! それ、ライブでやりなよ。
本渡 笑いを堪えられなくて、その次のサビに入れない……。
種田 みんなには事前に「やる」って言っておいてね(笑)。私は4号・純子の紹介パートを歌ったのですが、愛ちゃんが「ごめんなさい、ごめんなさい」って謝っているのが印象的で(笑)。純子は絶対に謝らないってところが面白くて「らしいな」と思いました。あとは、3号・愛の紹介パートでサキが「愛してるぜー!」って言ってくれたのが嬉しくて! ライブで直接聞きたいですね。
本渡 あそこはサキだけでなく他メンバーも歌唱に加わっているのですが、私はこの曲のレコーディングのなかで、いちばん大きな声を出しました。さくらとして水野愛さんへのガチの思いを届けたくて。
種田 さくらはもともと愛のファンだったもんね。エモい。
衣川 各キャラクターの口癖などを自分が演じるキャラクターで歌えるのもエモかった!「愛してるぜー!」とか「●●だぜ」って言葉をはじめ、ふだんのゆうぎりさんなら絶対に言わなそうなセリフを言えたのが嬉しかったですね。レコーディングでは「そこはエロくしていいよ」なんて言われて。色々と遊ばせていただきました。
種田 たえちゃんのパートがあるのも嬉しかったです。このパートの手拍子や足踏みの音は、実際に私たちがレコーディングしたものが使われているんですよ。
田野 すごくライブで盛り上がりそうな曲だよね。でも、この曲は「これでもかっ!」ってくらい必死にならないと、たぶん歌えない。
種田 リリィちゃんの歌唱パートは早いし、サビのおっかけも大変だよね。
本渡 ずっとピークのまま歌い終える曲ですよね。
衣川 歌に必死で、踊っていられないかも。
田野 命の叫びだね、本当に。もしライブで声を出してもいいという日がきたら、来てくださる方にも同じくらいの気持ちでやって欲しいです!