秋が旬のくだものといえば、ブドウ! シャインマスカットやピオーネなど、様々なブドウが出揃っています。でも、せっかく買うなら美味しいブドウを選びたいし、保存方法も気を付けたい……。

今回、「果物王国」とも呼ばれる岡山のブドウを例に、おいしいブドウの選び方や食べ方を紹介します。青果店やスーパーで購入する際は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

  • 「冷やし方」でおいしさも変わるそう

おいしいブドウの見分け方

おいしいブドウの見分け方のポイントは4つ。手に取らずに見分けられるものばかりなので、ぜひ店頭でチェックしてみましょう。岡山県が生産量日本一のブドウ「瀬戸ジャイアンツ」を例に紹介します。

1.果軸が明るい緑色をしている

房の中心にある「果軸」が明るい緑色をしているものは鮮度が高い証拠です。ただしシャインマスカットは例外で、品種の特性として鮮度が高くても茶色い場合があるそう。

2.果粉(ブルーム)が濃く厚い

ブドウの皮に付いている白い粉、これは「果粉(ブル-ム)」といいます。脂肪酸などでできた天然成分が果皮の表面に浮き出たもので、病気を防いだり、水分の蒸発を防いで鮮度を保つ働きがあるそう。選ぶ際は、ブルームがついているものを選びましょう。

3.黒ブドウ・赤ブドウは色が濃いもの、緑ブドウは黄色みがかっているもの

黒ブドウ、赤ブドウは熟すと粒の色が濃くなります。また、マスカットなどのは緑ブドウは緑色よりも黄色みかかった色のほうがおすすめです。

4.粒のハリ、冴えがある

一粒一粒にハリがあるブドウを選びましょう。

オススメの食べ方

キンキンに冷やしたブドウはおいしいですが、冷やしすぎると甘みを感じにくくなるそう。より甘いブドウを楽しみたい場合は、「15分に氷水で冷やす」食べ方がおすすめです。また、皮ごと食べられるブドウは皮ごとまるごと食べたいもの。気になる場合は後で出しましょう。

知っておきたい保存方法

おいしいブドウを買った後は、保存方法も気になる所。おいしく保存するコツを紹介します。

買ったら早めに食べよう

「熟したタイミングで食べたい」と思うかもしれませんが、追熟は必要ないので、購入したら早めに食べましょう。

冷蔵庫に入れる場合はビニール袋かタッパーに入れて

ごく短期間なら、なるべく涼しい室温保存をすれば大丈夫です。冷蔵庫に入れる場合は、乾燥しないように房ごと、もしくは軸は残したままビニール袋かタッパーなどに入れて保存しましょう。

粒で保存する場合は軸を残そう

粒に分けて保存する場合は、軸の部分を残してカットして保存しましょう。冷凍する場合は軸を外してOKです。

冷凍でシャーベット状にしても

軸を外してチャック付き保存袋に入れ、冷凍庫で保存しても。

なお、筆者も冷凍庫で凍らせてみましたが、1~2時間程度冷凍庫に入れて軽くシャーベット状になったくらいのブドウは、甘みは少し控えめになりますが生で食べるのとはまた食感が異なっておいしいもの。お気に入りの凍らせ具合を探してみては?

岡山のブドウ、注目の品種は?

人気のシャインマスカットをはじめ、岡山では様々な品種のブドウを手掛けています。特にオススメの品種を教えてもらいました。

マスカット・オブ・アレキサンドリア

岡山が生産量日本一を誇る「アレキ」こと「マスカット・オブ・アレキサンドリア」は、1886年に岡山に導入され、130年以上育てられているエジプトが原産の品種です。美しいエメラルドグリーンの粒、種があるからこその強いマスカットの香り、そして爽やかな甘みが特徴の最高級ブドウで「果物の女王」とも呼ばれています。

また食べるだけでなく、アレキを交配してシャインマスカットや瀬戸ジャイアンツなど多くの品種が育成されています。

ピオーネ

大粒で種が無く、糖度の高い「ピオーネ」も岡山が生産量日本一。「ピオーネ」はイタリア語で「開拓者(パイオニア)」の意味で、岡山を代表するブドウです。

シャインマスカット

甘くて種が無く、皮ごと食べられる「シャインマスカット」は、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を祖父としている品種です。岡山県産のシャインマスカットは「晴王」という商標を持っています。

オーロラブラック

「ピオーネ」のように、大粒で甘みが強く、種のない品種「オーロラブラック」は岡山県以外での栽培はほとんどないため、とても希少なブドウ。皮の渋みが少ないので、皮ごと食べても。

瀬戸ジャイアンツ

皮ごと食べられるブドウの先駆け的な存在である「瀬戸ジャイアンツ」も、「シャインマスカット」と同じく「マスカット・オブ・アレキサンドリア」が祖父にあたる品種。粒に桃のような溝ができることから、「桃太郎ブドウ」という商標名で呼ばれることも。


普段食べているブドウ以外にも、品種によって香りや甘み、酸味は異なります。今年の秋はさまざまなブドウを食べて、ぜひ「推し」ブドウを探してみるのも楽しいかもしれません。