女優の水嶋凜が12日、大阪・北区のカンテレ本社でミュージカル『シンデレラストーリー』の囲み取材に応じた。

  • 水嶋凛=カンテレ提供

17年ぶりに上演されることとなったミュージカル『シンデレラストーリー』はファンタジーとして物語の大筋は変えることなく、「魔法が解けたのに、ガラスの靴だけはそのままだったのはなぜ?」「家事ばかりしていたシンデレラが、華麗なダンスを踊れたのはどうして?」など、リアルに考えると避けては通れない問題に、鴻上尚史氏が独自の視点で回答していくミュージカル。シンデレラ役を加藤梨里香と水嶋がWキャストで演じ、王子役に大野拓朗、廷臣・ピエール役に入野自由、王妃・ガードルート役に彩吹真央、そして佐藤アツヒロがシンデレラ継母・ベラドンナを演じる。シンデレラを助ける魔法使い役は、今回が舞台初出演となるアン ミカが務める。

女優・斉藤由貴の長女で、今春美術大学を卒業したばかりの水嶋。9月6日には母の曲「予感」のカバーで歌手デビューを果たしたが、今回は初舞台でいきなりの初主演。「自分がどれほど大きなものを抱えているのか実感がなく不安でしたが、小さい頃から知っている作品に出られるというワクワク感もありました」と率直な気持ちを述べる。4公演終えた今は「毎日出てくる課題に追いついていませんが、毎日ひとつでも克服できるように頑張っています。毎回すごく楽しくて、新しい発見とワクワク感で幸せオーラに包まれています。不安はだいぶ小さくなりました」と心境の変化を語った。

また、今作は作詞を斉藤が手がけたことでも話題に。「母はすでに2、3回観劇していて、そのたびにダメ出しシートを書いて渡してくるんです。たくさん書いてあるので全部は覚えていませんが、最後のまとめのところに『心から、本心で思ってそのセリフを言えば、演技も心も動くから』と書いていたことは覚えています」と女優の先輩である母からの言葉を明かした。水嶋が初出演で初主演の大役を務めることに関しては「私がくよくよする性格なので、(心配な気持ちを)一回とっぱらって、堂々としていればいいというニュアンスのことを言ってくれました」と母ならではのアドバイスも。

歌手デビュー曲となった「予感」にもアドバイスがあったのかと聞かれると「歌に関するアドバイスはそんなになくて。カバーだから、好きに解釈して歌えばいいかなと思って歌いました。『音楽プロデューサーの武部(聡志)さんのおかげで、すごく完成度が高いね。すてきな曲になったね』と言ってくれました」と明かした。「母が出ていたドラマはよく見ていたので、確かに(演技面で)影響されているところはあるのかもしれないです。落ち着きのあるところとか」と語った水嶋。母娘で似ているところ、違うところについて聞かれると「似ているのは、流れている時間がゆっくりしているところ。違うのは、私は用心深くて、母は用心深くないところ。私は今も楽屋に置いている携帯が心配になるくらい、物を置いて行けないのですが、母は海外でも財布まるだしで置いてるんです」ととっておきのエピソードで笑いを誘った。

今作は19日まで東京・日本青年館ホールで上演。その後24日・25日に愛知・東海市芸術劇場 大ホール、10月1日・2日に福岡・キャナルシティ劇場、10月7日〜10日に大阪・梅田芸術劇場メインホールで行われる。