夫婦になるために親族や友人たちの前で愛を誓い、その人たちへの感謝を伝える場となる結婚式。しかし、新型コロナウイルスの収束の見通しが立たない状況が続き、結婚式を挙げることに二の足を踏んでしまっている新郎新婦も多いのではないでしょうか。

テイクアンドギヴ・ニーズが運営する「アーフェリーク白金」は、東京・白金にある完全貸切の一軒家型の式場。オリジナルのハウスウエディングが叶う、パリ・クレール通りのブティックホテルをテーマにした上品な建物で、2020年10月にリニューアルを終えたばかりです。

そこで働くのは、新郎新婦のお二人をいちばん近くでサポートし、ゲストの皆様にも安心してもらえるような空間づくりを心がけているウエディングプランナーや式場スタッフ。今回は、「アーフェリーク白金」でウエディングプランナーを務める守本眞理さんに、普段は聞けないような現場の声を聞いてきました。

  • ウエディングプランナーの守本眞理さん

■式場選びの相談から結婚式当日まで1人のプランナーが担当

──まず最初に、守本さんの普段の業務内容を教えてください。

テイクアンドギヴ・ニーズではホテルやハウスウエディング、レストランウエディングといった多様なスタイルの式場を運営しています。私が所属している「アーフェリーク白金」は、一軒家完全貸切のハウスウェディング会場。ここでウエディングプランナーをしております。

具体的には、式場探しをされているお客様のご案内や契約されたお客様との打ち合わせ、そして当日の結婚式の立ち合いですね。ご要望をお伺いしたり、ご注文いただいたアイテムの発注や見積もり作成なども行なっています。

──式場を選ぶところから打ち合わせ、見積もり作成と、すべてを担当されているんですね。

会場見学と打合せを”分業制”にしている会場も多いですが、アーフェリーク白金のプランナーは打合せだけでなく、式場選びの際のご見学も担当します。契約に繋がった場合には、”一顧客一担当制”という体制を取っているので、打合せから当日の立ち合いまで1人のプランナーが一貫してお手伝いをさせていただいており、本当に0から100まで一緒にやらせていただくような形ですね。

  • ウエディングプランナー8年目になる守本さんは、これまで約250組ほどの結婚式を担当してきたという

■2020年にリニューアルした「アーフェリーク白金」の魅力

──「アーフェリーク白金」は2020年にリニューアルされたばかりと伺っております。守本さんが思う会場の魅力はどんなところですか?

ビジュアル面ですと、お客様からのお声が多いのは圧倒的にチャペルです。もともと4mほどだった天井高をリニューアルを機に10mに上げて、大理石のバージンロード、トライアングル形の珍しいデザインの、全天候型のチャペルになっています。実際に足を運んでくださったお客様からは、「写真より良かった!」と言っていただけることが多いですね。

また、ご年配の方やお体が不自由なゲストの方々が過ごしやすいようにバリアフリーにしました。ガーデンも、以前は石畳だったのですがリニューアル後は芝生になり、お子様が走り回っても安心いただけるようになったかなと思います。ガーデンにあるご新郎ご新婦が入場できる大階段も、新たに取り付けました。

  • 天井高10mのチャペル

  • ガーデン(素材提供: アーフェリーク白金)

──推しポイントがありすぎて、紹介を始めたらキリがなくなってしまいますね。

そうなんです(笑)。リニューアルするときのサブテーマは”集大成の会場を作る”でした。皆様からの「あれがあったらもっとよかったのに」という声をたくさん取り入れて、ないものがない会場を作ろうと決めていたので、強みや特徴を伝えると、止まらなくなってしまいます。ゲストの方の動線や、過ごしやすさも考えて配置などもこだわっておりますので、ぜひ体感していただきたいですね。

また、チャペルもラウンジも披露宴会場も、1階に揃っている会場は少ないかと思います。ワンフロアで済むというところも特徴ですね。

──実際に式へ訪れたゲストの方からはどんな声が届いていますか?

ゲストの方の第一印象の場となるラウンジは、とてもご好評いただいています。式場ではあまりない、ウェルカムドリンクのバイオーダー制をとっていて、グラスに注がれたものを並べるのではなく、お客様のご要望に合わせて一杯ずつお飲み物を提供しているんです。なので、”このラウンジにゲストを呼びたい!”というご新郎ご新婦も多くいらっしゃいますね。

──ドリンクの一杯一杯にもこだわれるなんて、すごいサービスです。

アルコールの強さなども調整できますし、ときには、お客様のキャラクターや、ドレスのお色味に合わせてドリンクを作ることもあります。サービススタッフの発案なのですが、お客様からとても好評だったため継続しているんです。これは、全てのスタッフが目の前のお客様のために何ができるかを考えているからこそ、生まれたサービスだと思います。

  • 明るい光が差し込む、ゲストが集まるラウンジ

  • お客様のご要望に合わせて一杯ずつドリンクの提供を

──ほかにも、お客様から好評なサービスや取り組みなどはありますか?

いちばん安心していただけるのは、やはり現在の情勢的にも「完全貸切の一軒家」という式場の形ではないでしょうか。どこから来ているか、把握できている状態のお客様しかいらっしゃらないというのも大きなポイントだと思います。

コロナ禍での施策としては、一人ひとりのお席にアクリル板の設置、入り口など各所にアルコールの設置をしています。リニューアルのタイミングがちょうどコロナが流行り出したタイミングだったので、「全熱交換器」という20秒間で空気が入れ替わる装置を、披露宴会場、ラウンジ、チャペルに取り付けました。

  • 披露宴会場、奥にはオープンキッチンも

■コロナ禍で制限が増えた中でも、最大限のサポートを

──コロナ禍での影響はいかがだったのでしょうか。

コロナが流行しはじめたときは、不安を感じたお客様も多く、当社が安全確保のために一時的に結婚式の施行を中止したり、日程変更をされるお客様もいたりしたことで、結婚式の数は減少しました。ですが、「アーフェリーク白金」の完全貸切という形や、徹底した感染対策などに安心いただき、今では多くの方に結婚式を挙げていただいています。

──守本さんが、プランナーとしてコロナ禍でのやりづらさを感じることはありませんでしたか?

やりづらいと言うよりも、ご提案の幅が狭まって悩むことはありました。たとえば、デザートビュッフェや、集合写真の撮影、余興などですね。明確な対策方法が決まっていない間は、多くの迷いがありましたし、大声を出したり会場内を動き回る余興を控えていただくなど、お客様に対策をお願いすることは増えたかなと思います。

現在では、デザートビュッフェのやり方も、スタッフから直接お渡したり、ケーキ屋さんのようにショーケースに並べたりなど、代わりの提案ができるようになっています。

──制限が増えた中でも、できる最大限のことをサポートするという形に変化したんですね。

そうですね。とてもありがたいことに、結婚式を「アーフェリーク白金」で、と決めてくださったお客様から多くいただくお声の一つは「スタッフへの信頼」なんです。

実は私自身、もともとプランナーを志していたわけではなく、お客様に0から100まで関われるこの会社が好きで入社したんです。学生時代にホテルで結婚式に携わるアルバイトをしていたのですが、当時は思っていたイメージと違っていて……。ウェディング業界への就職は目指していなかったんです。でも、テイクアンドギヴ・ニーズのお客様との関わり方がとても素敵だと思い、ご縁あってウエディングプランナーとなりました。

今では、お客様から「このプランナーに任せたい」と信頼いただけて、とてもうれしく思っています。

──その言葉に尽きますね。”一顧客一担当制”という形が、より安心できるのだと思います。*

プランナーとお客様という関係性ですが、もっと近しい家族や友人のような気持ちで関わりたいと思っています。コロナ禍であっても、お二人の人生や、お二人の周りの方の人生は止まることなく進んでいくので、『いつかではなく今、結婚式を挙げる』ことの意味は、これまで以上に大切にお伝えするようにしています。今だから伝えられること、今だから会える人って、絶対いると思うんです。

私たちスタッフは、結婚式を挙げるお二人を、いつでも全力で応援していますし、感染対策も万全にしてお待ちしているので、安心してもらいたいということが伝わればうれしいですね。

■普段伝えられない感謝や思いを伝える場に

──それでは最後に、守本さんにとって、結婚式とはどういうものでしょうか?

月並みな言葉になってしまいますが、結婚式は感謝を伝える場だと、本気で思っています。同僚の「結婚式は特殊な時間だ」という言葉にすごく共感したのですが、”結婚式だから”、”この場所があるからこそ”というきっかけを使って、普段伝えられない感謝や思いを、伝えられる素敵な時間なのだと思います。

今は式場と会場で参列できなかったゲストを中継で繋ぎ、お料理をご自宅に届けるオンラインウェディングのサービスも提供しています。実際に、入院中のおじい様と中継を繋いだことがあったのですが、病室から正装して式に参加してくださっていたんです。それを見たご新郎が涙されていたのが、すごく印象的でした。

お二人の背景や想いが伝わることでこそ生まれる価値があるので、お客様が求めていることを汲み取って、ご新郎ご新婦はもちろん、ゲストの方へ伝えきることを大事にしています。結婚式は本当に最高の時間ですし、人の温かさを肌で感じることのできる空間だと思います。少しでも式を挙げたいなと思っている方には、ぜひ一度相談に来ていただきたいですね。

(写真/曳野 若菜)