現在公開中の2大ヒーロー映画『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア/暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー』の大ヒットを祝し、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のメインキャスト6人と田崎竜太監督(※田崎監督の「崎」は立つ崎が正式表記)が9日、T・ジョイSEIBU大泉にて舞台挨拶を行った。6人と田崎監督は、映画の大好評に鼻高々。あまりの「はなたか」ぶりが過ぎるため、ドン20話「はなたかえれじい」の時のように本当に鼻が高くなってしまった状態でステージに現れた。
本イベントの正式名称は「はなたかあいさつ~第8回 東映特撮ファンミーティング~」。東映特撮ファンクラブ(TTFC)会員の見守る中、まさに鼻高々で天狗になっている(という体の)登壇者が意気揚々と現れ、普段なら絶対に言わないような強気すぎるコメントを次々に放った。
ドンモモタロウ/桃井タロウを演じる樋口幸平は「世界のドンモモタロウです! 本日は、世界の樋口幸平のためだけにお集まりくださり、ありがとうございます。僕はこの作品で、世界へ羽ばたこうと思っています。はい拍手!」と客席からの拍手のタイミングをコントロールしながらあいさつした。
サルブラザー/猿原真一を演じる別府由来は「わびさびを愛し、わびさびに愛された男。風流界のスーパースターこと、サルブラザー別府由来です。このネジネジ、誰が一番似合うかわかりますよね!」と首のネジネジストール(映画仕様の特別版)を誇らしげに見せつけて風流な笑顔を見せた。
オニシスター/鬼頭はるかを演じる志田こはくは、マイクを持つ手の小指を立てながら「映画の神様に愛された志田こはくです。身に余る光栄です」と、映画の冒頭シーンを再現するかのような大女優気取りのスピーチを行った。
イヌブラザー/犬塚翼を演じる柊太朗は、映画の中でも印象的だった「白馬の王子」コスチュームで登場し、「いま動物役を演じさせたら、間違いなく映画界ナンバー“ワン”!」とイヌブラザーらしい決めゼリフを放ちながらあいさつした。
キジブラザー/雉野つよしを演じる鈴木浩文は「みなさんよかったですね。われわれの素敵な映画を今から観られるんですよ。これは自慢していいことです。みなさんに幸せを提供できて、鼻高々です!」と、「何様」感あふれる暴れん坊なスピーチを客席に投げかけた。
ドンドラゴクウ/ドントラボルト/桃谷ジロウを演じる石川雷蔵は「ホントだったら仮面ライダーに出てやろうかなと思っていましたけど、こんな貧弱なやつらの集まりじゃあ世界を守れませんから! 僕が守ってあげようと思ってやってきました」と、自慢の肉体美をアピールしながら強気なあいさつを行った。
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー』のメガホンを取った田崎竜太監督。今回は映画の大評判を受けて、なんと監督までも「はなたか」状態で登場した。MC(宮島咲良)からあいさつをうながされたとたん、いきなりアメリカ・アカデミー賞授賞式を思わせるかのような流暢な英語でスピーチを行った田崎監督に、客席はびっくり仰天。最後にニッコリ笑って「世界の巨匠、田崎竜太です!」と日本語で決めてみせたあと、田崎監督は「鼻が高くなると性格が変わりますね!」とニッコリ笑顔になった。
マスコミ向けフォトセッションは、全員「はなたか」状態で心までも天狗になった状態で行なわれた。その後、一度退場したキャスト陣と田崎監督は「鼻」を取り外した「いつもの状態」でステージに戻り、イベントが再開された。
TTFC会員から樋口に寄せられた質問、それは「ゼンカイジャー第42カイ!に出てきたドンモモタロウの声が、今の声とまったく違っていてびっくりしました。あれから声の出し方について、訓練をしたのですか」というものだった。樋口はドンモモタロウの常にハイテンションを維持しなければならないあのセリフを発することについて「演じているうちに、ちょっとずつ慣れてきたといいますか、僕がドンモモタロウのキャラクターに合ってきたのでしょうね」と、日々の撮影やアフレコで声が鍛えられていったことを打ち明けた。田崎監督からは「もう撮影所のまわりを走らなくてもいいね」と、最初のころアフレコがうまくいかず、樋口に撮影所周辺を走ってくるように言った初期エピソードでの裏話を語った。
別府には、初の猿原真一メイン回となったドン21話「ごくラーメンどう」を撮影したときの思いについて「ずっと待っていたメイン回。あのときは完全に僕が主役だという気分で演じていました。真一は、何でもできてしまうタロウの影に隠れがちですけど、彼なりに凄い能力を秘めている。ドン21話はそういった真一の常人っぽくない部分を見せることができました。また、お見せできたらいいですね」と、メイン回に確かな手ごたえを感じていたと話した。別府の話を聞いていた田崎監督が「次の猿原メイン回は僕が演出したい」と語り、別府を感激させる一幕もあった。
これまで新型コロナウイルスのため療養中だったが、本イベントでめでたく仕事復帰を果たした志田は「ファンのみなさんからあたたかいメッセージをいただいたり、出演が叶わなかったサマステ(テレビ朝日)では樋口さんをはじめとするキャストのみなさんがオニシスターの名乗りをやってくださったりして、とても優しさを感じていました。ありがとうございます。こうして感謝の気持ちを皆さんに伝えられて、嬉しいです!」と、改めて多くの人たちのあたたかな心に支えられていることを噛みしめながらコメントした。
TTFC会員からの質問「映画での、はるかのビブラートボイスを練習していますが、なかなか出せません。あの声をどうやって出すのか、コツを教えて」について、志田は「あのお芝居は田崎監督と話し合いながら、自由にやらせてもらいました。コツは、顔を揺らすのと一緒に声を揺らすことです!」と、劇中作品『新・初恋ヒーロー』にヒロイン役で出演したはるかの異次元的演技のアクの強さについて、的確な説明を行った。
鈴木が演じる雉野つよしの愛妻「みほ」が、かつて犬塚翼の恋人だった「夏美」に顔も姿もそっくり(どちらも演:新田桃子)というのは、『ドンブラザーズ』に含まれる数多い「謎」の中でもひときわ気になる部分。これについて鈴木は「犬塚翼と夏美が出ているシーンには、すべて嫉妬してますね!」とファンの予想どおりの心境があることを語りながら「みほちゃん見てるー!?」と動画カメラに向かって手を振るハイテンションぶりを見せた。
柊太朗演じる犬塚翼は、現在なぜか警察に追われる身であるが、ときおり夏美と過ごした楽しい日々を回想するシーンが挿入されており、幸せだった過去と辛い今とのギャップが彼の悲しみをいっそう増幅させている。柊太朗は印象深い場面としてドン23話「イヌ、いぬになる」の冒頭で夏美と一緒に仲良くプールで泳いでいる回想シーンを挙げて、鈴木を悔しがらせたが、「あのときの撮影では“犬かき”で泳ぐのが大変で、次の日は体が動かなかったんです」と身体的な苦労が大きかったことを明かした。
石川への質問は「ふつうのジロウと、闇堕ちした“ヤバイ”裏ジロウとの演じ分け」をどうやって演じ分けるのかについて。石川は「2つの違ったキャラクターに見えるよう、どちらかに思いっきり振り切ることですね。もしも限界値が100ならば、一度170くらいまで振り切ってみて、出過ぎたところを監督に抑えてもらう……というのがコツかな」と、穏やかな通常のジロウと、タロウを潰そうとする危険な裏ジロウとの演じ分けを真剣に考えていることを説明した。
次のトークテーマは「メンバーの衣装で、自分が着たい衣装は?」というもの。石川は「僕はヒロさん(鈴木)の私服がいいですね。スーツとかシャツも着てみたい。ずっとこの格好なものですから(笑)」と、常に戦闘的なコスチュームのまま日常を過ごすジロウのイメージからの脱却を試みるかのようなコメントを残した。
樋口は「柊太朗の衣装……」と言いながらステージで柊太朗が着ている王子様風衣装ではないと強調し、テレビで身に着けているダークカラーの服を挙げた。柊太朗は「僕は猿原真一の衣装です。休憩している間、動きやすそうだという理由だけで選びました」と語り、別府の着ている作務衣をうらやましそうに見つめた。鈴木は「僕はあまりカッコいいのは似合わないし、面白いほうが好きなので柊太朗がいま着ている白馬の王子様がいいですね(笑)」と、馬の被り物込みで王子様をやってみたいと笑顔で語った。
志田は「私は雉野!」と、いきなりつよしを呼び捨てにして鈴木を慌てさせながら「ピンクの衣装ってかわいいし、雉野ははるかよりおしゃれだと思うんです」と、つよしのイメージカラーであるピンクの洋服に憧れを持っていることを明かした。
田崎監督が着てみたい衣装は「裏ジロウです。あの羽織って、竹の子族を思い出す」と、ドントラボルトにチェンジする極悪なほうのジロウの羽織に、1980年代に東京・原宿で流行した路上パフォーマンスの若者たちを重ねながらコメントした。
最後にマイクを手にした田崎監督は「本日は、こんなふざけたイベントにお集まりいただきまして、ありがとうございます」と言って客席の笑いを取りつつ「こんなイベントが出来たのも、みなさんがドンブラザーズの作品世界をものすごく愛してくれたからだと思っています。映画はまだまだ上映していますので、何度も足を運んでいただきたいですし、テレビのほうではこれから少しも目が離せない展開が待っていますから、ぜひご注目ください」とコメントし、映画ともどもテレビシリーズにも注目してほしいと今後の期待を大いにあおった。
樋口は「改めて……せーの、はるかお帰り~~!!」キャスト全員で声をそろえて志田の復帰を盛大に祝した後「さっきは天狗になっていましたけれど、ここにいるみんなは僕も含めて、ほんとはすごくいい人ばかりなんです! スタッフ、キャスト全員がやさしくて、作品思いで、僕はみんなのことを愛してやみません。そんな仲間たちと一緒にすばらしい映画を作ることができたので、これをもっともっとたくさんの人に届けたいという思いが強いんです。今回、こんなに面白いイベントを開催してくださったスタッフの方たちにも、ひとりずつ感謝をしたい。僕たちが出来る“恩返し”は『ドンブラザーズ』をますます面白くしていくことだと思っています。これからも気を引き締めて頑張っていきます。どうぞよろしくお願いします!」と真摯な姿勢で熱く語り、ドンブラザーズをいっそう盛り上げていく決意を示しながら、大勢のファンに熱い視線を贈った。
『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア/暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー』はT・ジョイSEIBU大泉ほか全国劇場にて公開中。
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