本記事では「モーテル」の意味や語源、「ホテル」との違いや宿泊方法、アメリカ・韓国・台湾のモーテルについてなど、詳しく解説していきます。海外出張や旅行の予定がある人以外に、語彙力(ごいりょく)を高めたいという人も、ぜひ参考にしてください。

モーテルとは

  • まずはモーテルの基本的な意味を見ていきましょう

    まずはモーテルの基本的な意味を見ていきましょう

モーテルとは、特に自動車で移動する旅行者を対象とした簡素な宿泊施設のことです。セルフサービスを基本としているため一般的に質の高いサービスは受けられませんが、比較的低料金で利用できるという特徴があります。日本におけるビジネスホテルに近い施設と考えればわかりやすいでしょう。

モーテルの語源と意味

モーテルの発祥はアメリカで、語源は「motorists' hotel」、つまり「自動車を運転する人のためのホテル」という意味の言葉を縮めた造語です。

モーテルの歴史

モーテルはモータリゼーション、つまり自動車の大衆化の進行に伴い、第二次世界大戦後のアメリカで急速に普及しました。1952年にテネシー州メンフィスで第1号店を開業した「ホリデイ・イン」は、モーテルをチェーン展開した代表的な企業として知られています。

なお鉄道網が発達していた日本では宿泊施設が駅の周辺に集中したため、モーテルはあまり普及しませんでした。

アメリカのモーテルとは道路沿いにある気軽な宿泊施設

モーテル発祥の地であるアメリカには、現在も多くのモーテルが幹線道路沿いに立ち並んでいます。宿泊料金は安く設定されているため、誰でも気軽に宿泊することが可能です。

施設にもよりますが、エアコン、テレビは部屋に備わっていることが多く、冷蔵庫や電子レンジがある場合もあります。またモーテルによっては、長期滞在者向けのキッチンや共用ランドリーが完備してあります。プールやジャグジーがあるモーテルも少なくありません。

レストランやバー、売店などが併設されているモーテルはあまりありません。ただし、飲み物やスナックなどを購入できる自動販売機、製氷器は設置されていることも多いです。ルームサービスはありません。

アメリカなど海外のモーテルの、基本的な使い方(宿泊方法)

  • モーテルを使用する際の基本的な流れを紹介します

    モーテルを使用する際の基本的な流れを紹介します

まずは、幹線道路沿いに立ち並ぶ看板などを比較して宿泊するモーテルを選びます。基本的に事前予約は不要ですが、多くのモーテルは電話やインターネットで予約をすることもできます。

駐車場に車を駐めてフロントに着いたら、空室を確認します。先に部屋の中を見られる施設の場合は確認し納得したら、宿泊カードに氏名と車のナンバー、車種や色などを記入しましょう。その後、料金を支払えばチェックイン完了です。宿泊料金は基本的に人数ではなく部屋単位で決まっていますが、ベッドの数で料金が異なることもあります。

モーテルでは、荷物を部屋まで運んでくれるようなサービスはありません。キーの管理も宿泊者が行います。基本的にはすべてセルフサービスです。なお、朝食が無料でついてくるモーテルは少なくありません。

宿泊料金は前払いなので、フロントにキーを返すだけでチェックアウトできます。フロントにスタッフが常駐していない施設の場合は返却ボックスがあるはずなので、そこにキーを入れてチェックアウトしてもOKです。

モーテルとホテルの違い

  • モーテルとホテルの違いを細かく見ていきましょう

    モーテルとホテルの違いを細かく見ていきましょう

海外のモーテルは、日本のビジネスホテルに近い施設と考えてください。ここからは、モーテルとホテルとの違いを、詳しく解説していきます。

立地・場所

モーテルとホテルの違いの一つは立地です。ホテルは一般的に、アクセスの良い都市部や観光地にありますが、モーテルは幹線道路、高速道路などの近くにあり、自動車で旅行している人が気軽に利用できるようになっています。

建物の高さ

建物の高さにも違いがあります。ホテルは高層・超高層の建物がほとんどですが、郊外立地のモーテルは駐車場が併設されており、1階か2階建てが一般的です。

ドアの位置

一般的なホテルは、フロントからそのまま建物内の廊下を通って部屋に向かう造りになっているため、部屋のドアは廊下に面しています。

一方モーテルは、フロントから外に出て、部屋の近くまで車で行ってから室内に入ります。そのため、モーテルのドアは屋外に接していて、アパートのような構造が一般的です。

料金

ホテルは都市部やアクセスしやすい立地にあり、またサービスが充実しているので、宿泊料金は高めです。それに対してモーテルは立地が郊外であったり、セルフサービスが基本であったりするため、宿泊料金が安くなる傾向にあります。

アメニティーの種類

アメニティーの種類にも違いがあるように思えますが、実はホテルとモーテルでは、アメニティーの種類にほとんど差はありません。ホテル・モーテルを問わず、せっけん、シャンプー、コンディショナーは備えつけられているのが一般的です。ドライヤーやタオル、バスタオルなども標準で用意されていることが多いでしょう。

なお、アメリカをはじめとする海外では、高級ホテルであっても、歯ブラシを置いていないケースが多いです。「衛生観念上、口に入れるものを部屋に置かない」というのが理由になっているようです。

日本と韓国、台湾のモーテルとは

  • 国によってモーテルの特色が異なるので、出張や旅行の前にチェックしておくといいでしょう

    国によってモーテルの特色が異なるので、出張や旅行の前にチェックしておくといいでしょう

モーテルは、国によって特色が異なります。ここでは、日本、韓国、台湾のモーテルについて紹介します。

日本のモーテルとはラブホテルを意味する

日本で「モーテル」という場合は、カップルで利用する「ラブホテル」という意味で使われるケースがほとんどです。

日本のラブホテルには都市型と郊外型があるため、移動手段や用途に応じて使えます。建物の高さは、中層・高層スタイルが多いようです。利用料金は、立地や設備によって大きく異なります。宿泊だけではなく、数時間のみ使用できる休憩料金が設定されているのもラブホテルの特徴といえるでしょう。

また基本的にアメニティーの種類が豊富です。

韓国のモーテルとは簡易宿泊所のような意味合い

韓国のモーテルは、「誰でも宿泊可能な安価なホテル」という位置付けです。韓国のモーテルの多くは街中にあり、宿泊料金が安いという特徴があります。

韓国のモーテルはカップルだけではなく、家族連れや友人同士でも気軽に利用できます。チェックイン後も自由に出入りできるのが一般的なため、ビジネスホテルのように使うことも可能です。

台湾のモーテルとはラブホテルの意味だがカップル以外の利用も

台湾のモーテルも、日本のラブホテルに近い施設です。格安というわけではないですが、室内はリゾート風など内装が豪華であったり、広々としている場合が多いです。また台湾のモーテルはカップル以外にも、家族連れや友人同士で利用OKなケースが珍しくないそうです。

モーテルの英語表現(motel)

先ほどモーテルの語源は「motorists' hotel」だとご紹介しましたが、英語でも略して「motel」と言われるのが一般的です。

英語の発音では、「『モ』ーテル」ではなく「モ『テ』ル」のように、アクセントは「テ」に置きますので注意してください。

以下の例文を参考に、英語での使い方も覚えましょう。

例文

  • I booked a room in a local motel.
    (地元のモーテルの一部屋を予約した)

  • I landed up at a motel.
    (私はようやくモーテルにたどりついた)

  • She is staying at the motel now.
    (彼女は今、モーテルに泊まっている)

  • The motel can accommodate as many as 300 guests.
    (そのモーテルは300人のゲストが宿泊できる)

モーテルの意味や利用方法をチェックして、宿泊する際の参考にしよう

今回は、モーテルの意味や語源、宿泊方法などについて解説しました。モーテルはもともと「motorists' hotel」を縮めた造語で、「自動車で移動する旅行者を対象とした宿泊施設」のことを指します。

日本の「モーテル」はラブホテルのイメージもありますが、海外ではビジネスホテルに近い施設になる点に注意しましょう。ただし、国によってモーテルの特色が異なるので、出張や旅行で海外のモーテルを利用する場合には、事前の情報収集が欠かせません。