• 「瓢箪から駒が出る」の意味

    「瓢箪から駒が出る」の意味や似た意味のことわざを解説します

「瓢箪から駒が出る」ということわざの意味をご存知でしょうか。見聞きしたことがあっても意味が分からないという方もいるでしょう。

今回は「瓢箪から駒が出る」の意味や由来、似た意味のことわざをご紹介します。

「瓢箪から駒が出る」の意味

  • 「瓢箪から駒が出る」の意味

    「瓢箪から駒が出る」の意味や由来を解説します

「瓢箪から駒が出る」とは、「ひょうたんからこまがでる」と読み、「思いもよらないところから、予想もしていなかったものが出ることのたとえ」「ありえないことのたとえ」「冗談で言ったことが実現することのたとえ」を意味します。

ここでの「駒」は馬のことを指しており、ひょうたんの中から馬が出てくることから、想像もできないことが起こったときやありえない冗談のつもりで言ったことが実現してしまったときなどに使います。

また、「瓢箪から駒も出でず」など打ち消しの形にして、絶対にありえないことのたとえとしても用いられます。

「瓢箪から駒が出る」の由来

「瓢箪から駒が出る」の由来には2通りあり、中国の仙人、張果老の伝説を元にしているという説と、鎌倉時代の説話である「宇治拾遺物語」の中にある「腰折れ雀(こしおれすずめ)」を元にしているという説があります。

張果老は白いロバに乗って一日に数万里もの距離を移動し、休憩するときには乗っていたロバを畳んでひょうたんの中に入れていたとされる伝説上の仙人です。日本でも室町時代から張果老が絵画のテーマとされたため、「ひょうたんの中からロバが出てくる」というシチュエーションが知られるようになったと考えられています。

「腰折れ雀(こしおれすずめ)」とは舌切り雀によく似た話で、優しいおばあさんが腰の折れた雀を看病すると、雀はそのお礼にひょうたんの種をおばあさんに渡します。ひょうたんの種をおばあさんが植えると、できた実からお米がたくさん出てきて幸せになったというストーリーです。

ロバやお米がなぜ最終的に「馬(駒)」が出てきたことになるのかは明確にされていませんが、これ以外にも孫悟空など元々東アジアにはひょうたんの中に別世界があるという考えがあり、それらが影響している可能性も考えられています。

「瓢箪から駒が出る」の使い方と例文

  • 「瓢箪から駒が出る」の例文

    「瓢箪から駒が出る」の例文をご紹介します

「瓢箪から駒が出る」は、誰もが予想できなかったほど突飛なことや、冗談のつもりが本当になってしまったことに対して使います。

  • 「正義感が強いから警察官になったら」なんて冗談のつもりだったのに本当になるなんて、瓢箪から駒が出たね
  • 軽い気持ちでオーディションに応募したら合格して今や国民的アイドルなんて、瓢箪から駒が出ることもあるんだね
  • 抽選で豪華賞品が当たるなんて、瓢箪から駒が出る経験をした

「瓢箪から駒が出る」の類義語(似た意味のことわざ)

  • 「瓢箪から駒が出る」と似た意味のことわざ

    「瓢箪から駒が出る」と似た意味のことわざをご紹介します

「瓢箪から駒が出る」に似た意味のことわざは他にもあります。

嘘から出た実(まこと)

「嘘から出た実(まこと)」とは、嘘のつもりで言ったことや全くそのつもりでなかったことがはからずも結果的に本当になってしまうことです。

灰吹きから蛇が出る

「灰吹きから蛇が出る(はいふきからじゃがでる)」とは、思わぬところから意外なものが出てくること、あるいはちょっとしたことからとんでもないことが起きることを指します。「灰吹き」とは、タバコの吸い殻を入れるための竹筒のことです。

煎り豆に花が咲く

「煎り豆に花が咲く」とは、あるはずのないことが起こることや、一度衰えてしまったものが再び勢いよくなることを表します。

枯木に花開く

「枯木に花開く(こぼくにはなひらく)」とは、枯れ木に花が咲くようにありえないことのたとえ、あるいは衰えていたものが再び盛んになることのたとえです。

烏の頭が白くなる

「烏の頭が白くなる(からすのかしらがしろくなる)」とは、ありえないことや簡単には起こらないことを表します。戦国時代、秦に人質になった燕の太子丹に「烏の頭が白くなり、馬に角が生えたら帰国を許す」と秦の王が言ったことに由来します。

「瓢箪から駒が出る」の対義語

  • 「瓢箪から駒が出る」の対義語

    「瓢箪から駒が出る」の対義語をご紹介します

「瓢箪から駒が出る」と反対の意味になることわざは以下の通りです。

捕らぬ狸の皮算用

「捕らぬ狸の皮算用」とは、たぬきを捕まえる前から「売ったらいくらになるかな」とそのお金を考えることで、まだ手に入れていない利益を当てにして先走った計画を立てることのたとえです。

「冗談で言ったことが現実となってしまうたとえ」という意味の「瓢箪から駒が出る」に対して、「現実になっていないことに期待をして先走って計画を立てる」という「捕らぬ狸の皮算用」は反対の意味合いだと考えられるでしょう。

犬が西向きゃ尾は東

「犬が西向きゃ尾は東」とは、犬の頭が西を向いていれば当然尾は東向きである、ということ、つまり当然のこと、当たり前のことのたとえです。

「瓢箪から駒が出る」の英語表現

  • 「瓢箪から駒が出る」の英語表現

    「瓢箪から駒が出る」の英語表現をご紹介します

「瓢箪から駒が出る」と同じニュアンスを含む英語表現をご紹介します。

Mows may come to earnest.

「Mows may come to earnest」とは「冗談で言ったことが現実になる」という意味を表す定型フレーズです。英語のことわざとして使用されます。

「mow」とは「草を刈る」という意味で、貧乏で草を食べようとしていた男を見たお金持ちが、「家で食べさせてあげる」と男に声をかけ、喜ぶ男を家に連れて行きましたが、お金持ちは庭を指して「ここで好きなだけ草を食べていい」と言った、というジョークから生まれた言葉です。

しかし、この英文は日常会話で多く使用されるものではないので、英会話などでは下記の表現を使用した方が分かりやすいです。

unexpected

「予想もしていなかった」ということを伝えるには、「想定外の」「予想外な」という意味を持つ「unexpected」を使用するのが一般的です。下記で例文をご紹介するので、チェックしておきましょう。

It was unexpected.
それは想定外だった。
She looked surprised at the unexpected news.
彼女はその予想外なニュースを聞いて驚いたように見えた。

「瓢箪から駒が出る」の意味や似た意味のことわざをマスターしよう

「瓢箪から駒が出る」とは、「思いもよらないところから、予想もしていなかったものが出ることのたとえ」「ありえないことのたとえ」「冗談で言ったことが実現することのたとえ」を意味します。

予想外の出来事が起こったとき、「瓢箪から駒が出る」という表現をすることで、ただ「驚いた」というよりもより自分の気持ちを伝えられるでしょう。

似た意味のことわざなども頭に入れておくことで、表現の幅を広げられますよ。