第32回「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2022 Powered by Hulu」(28日~8月1日 オンライン開催、28日〜31日 夕張で開催)のオープニングセレモニーが28日に都内で行われ、高橋文哉、堀田真由、荒木哲郎監督、黒木瞳、佐藤寛太、平祐奈らが登場した。
輝かしい活躍を見せる俳優やクリエイターを「新しい波(ニューウェーブ)を起こして欲しい」という気持ちを込めて表彰する「京楽ピクチャーズ.PRESENTS ニューウェーブアワード」。今年の授賞式のプレゼンターは、メロン界のアイドルこと山口めろんが担当。「本日はプレゼンターという大役をいただいてとてもうれしいです。よろしくおねがいしマスクメローン!」と元気にあいさつするめろんちゃんの姿に、高橋ら受賞者たちも思わず笑顔に。
授賞式ではまずクリエーター部門の荒木監督がステージに。めろんちゃんからトロフィーを受け取った荒木監督は「僕自身が関わった作品には誇りが大いにあるんですが、僕自身に関して言うとひとりでは何もできません。荒木哲郎というのも、どちらかというとチーム名のようなものだと思っています。ですからこのすばらしい賞は今まで一緒に作品を作ってきた仲間たちと分かち合えればいいなと思っています」と喜びを語ったた。
続いて男優部門で受賞した高橋は「本当にすてきな賞をいただきありがとうございます。僕がこれまで関わってきたすべての皆さま、そして関係者の皆さまのおかげでいただけた賞だと思います。この賞の名に恥じないような活躍ができるよう、日々精進して参りたいと思います」とあいさつ。さらに「あと僕、メロンがとても好きなので。この賞をいただけたのは役者としてだけでなく、いち人間としてもとてもうれしく思います」と付け加え、会場を沸かせる。すると司会を務める笠井信輔アナウンサーから「メロンがありますから持って帰ってくださいね」とお土産があることを示唆され、「メロンの匂いでしあわせな気持ちになりました」と笑顔を見せた高橋。笠井アナウンサーも「きっとゆうばりの皆さんも大喜びだと思います」と返した。
そして最後に女優部門の堀田が登壇。「このたびは名誉ある賞をいただき、本当に光栄に思います。自分なりに日々、積み重ねてきた結果が今日につながったのかなと思うとすごく自信が湧きますし、これまでの関わってくださったすべての方々の顔が、この賞を手にして思い出されて。皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに。これからも誰かの記憶に交わったり、希望となるような作品を届けていけたらいいなと思います」と決意を述べた。また、2010年の本映画祭で初監督作『シュアリー・サムデイ』を上映したという縁がある小栗旬とは、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で夫婦役で共演。そんな小栗との共演について質問された堀田は「撮影はもう終わったんですけど、これからも変わらずわたしの中では旦那さんなので。またお会いできたらいいなと思います」と笑顔を見せた。
上映作品からは『線香花火』を監督した女優の黒木瞳も登壇。29日の18時半からの上映で現地参加となる黒木は「ゆうばり映画祭というのは本当に有名な映画祭ですから。参加できるということがすごくうれしいですし、夕張の方々にもお目にかかれる。メロンも食べられるということで、しあわせいっぱいな気分でおります」と笑顔でコメント。さらに『線香花火』について「今回の短編映画は、わたしの生まれ育った福岡県八女市黒木町をロケ地にしたいなというところから作り始めました」と語ると、「わたしは18で故郷を離れたんですけど、その頃から何も変わってない。それがすばらしいなと思って。その美しい故郷の景色を収めることができて、とてもうれしいですし、それはどの国、どの街もそう。いつまでも自然が美しく豊かであってほしいと思います」と重ね、本作へ込めた思いを語った。
この日は『blind mind』に出演した俳優の佐藤寛太、女優の平祐奈も来場。全盲の青年という役柄を演じた佐藤は、「健常者からすると、見えるのが当たり前となるんですが、見えない生活の中では、音とか雰囲気とか、いろんなことでコミュニケーションをとりながら、人と繋がることができる。そういうことをお互いに空気として感じながら作品を撮影できるというのはなかなかできない体験でした」と充実感をにじませる。一方の平は外見至上主義の、いわゆるルッキズムに苦しむインフルエンサーという役柄を演じることとなったが、その役を演じてみて「過去にトラウマを抱えていて。外見や、人からの見え方を気にする子の役だったので、そういった部分でどう表現したらいいのか。いろいろと難しさはありましたけど、自分も幼い頃、メガネをかけていたりとか、コンプレックスを抱えていたことがあって。そういった共通点はあったので。そういった部分をちょっとずつ気持ちをつなげながら演じました」と振り返った。