「周る」「回る」「廻る」の3つの言葉は、似たような意味を持っています。そこで本記事では、「周る」「回る」「廻る」の違いや使い分け方、それぞれの詳しい意味や読み方などを解説します。
さらに類語や例文、英語表現も併せて紹介します。
「周る」「回る」「廻る」(まわる)の違いとそれぞれの意味とは
ここでは、「周る」「回る」「廻る」の違いを解説します。意味や読み方も理解しましょう。
「周る」の意味は「囲む、一巡りする」というイメージ
「周る」は「周囲」などの言葉からもわかるように、あるものの周りを広範囲で取り囲む意味合いが強い言葉です。「周囲に沿って進む、ぐるりと一巡りする」といった意味だと考えるといいでしょう。
船で各地を一巡りするという意味の「周航」や、各地を旅行して巡る「周遊」をイメージするとよりわかりやすくなります。
「周る」の読み方
なお現在の常用漢字表には「周」に対し「まわ(り)」「シュウ」という読み方しかありません。そのため、公的な文書や新聞などで「周る」を「まわる」や「めぐる」と読ませることはありません。
ただし慣例的に「まわ(る)」「めぐ(る)」と読むこともあります。
「回る」の意味は「一点を中心にして回転する」イメージ
「回る」は多くの意味を持つ言葉ですが、代表的なものは「軸を中心に円を描くようにまわること、回転する」「円を描くように移動すること」「決まった場所を順番に巡る」などです。
1つ目と2つ目からわかるように、「一点を中心にして回転する」イメージがあります。3つ目の意味では「あいさつに回る」のように使います。
「回る」の読み方
「回」の読み方は常用漢字表において「まわ(る)」「まわ(す)」「カイ」「エ」です。
常用漢字表にはありませんが、「めぐ(る)」「めぐ(らす)」という読み方も知られています。
「廻る」の意味は「流れ巡る」「回転する」など古風なニュアンス
「廻る」の意味は「回る」とほぼ一緒です。ただし「廻る」は常用漢字ではないので、一般的には「回る」を使います。文語的・古風な表現として使われることが多いです。
「動きの流れ」や「巡りの感覚」を強調したい場面で使われることが多く、季節や運命、人の感情などがゆるやかに巡っていく様子を表現するのに適しています。
「廻る」の読み方
「廻る」の読み方は「まわる」が一般的ですが、古語では「みる」と読む場合もあります。
また、「廻す(まわす)」「廻転(かいてん)」などの熟語にも使われ、「廻」の字は「巡る」「回る」という意味を持つ漢字として古くから使われてきました。
「周る」「回る」「廻る」の使い分け方と例文
「廻る」は「回る」とほぼ同じ意味を持ちますが、やや古風で文語的な印象を与える表現です。一方で、「周る」と「回る」は、日常の中でどちらを使うべきか迷う場面も多いでしょう。
そこで「周る」「回る」「廻る」の使い分け方と、それぞれの例文を紹介します。
「周る」の例文
「周る」は慣例的に「まわる」と読む使い方もあります。
・世界を周って価値観を広げたいと思っています
・北海道を周る観光ツアーに申し込みました
ぐるりと一巡りしたり、広範囲を取り囲んだりするときに「周る」を使うことができるでしょう。
ただし前述のようにあくまで慣例的な読み方のため、ビジネスシーンでの使用は誤用ととらえられる可能性もあります。必要に応じて「回る」や「周遊」などに置き換えるといいでしょう。
「回る」の例文
「回る」は「一点を中心にして回転する」「決まった場所を順番に巡る」という意味を持つため、次のような場面で使われます。
また、物事が順番よく移ったりある時刻が過ぎたりしたときも「回る」が使用可能です。
・車輪が回る
・課長と一緒にゴルフコースを回る
・明日は一日中、営業で得意先を回る予定です
・今日は、グルメな友達に教えてもらったお店を回る
・ついに私にも重要な役割が回ってきた
・18時を回ったのでお先に失礼します
「廻る」の例文
「廻る」は、文芸的な表現や情緒を込めたい文章で用いられることが多く、以下のような場面で使用可能です。
「回る」でも意味は通じますが、「廻る」を使うことでより深みや情緒を感じさせる表現になります。また、動きや流れ、巡りのニュアンスを強調したいときにも適しているといえるでしょう。
・季節が廻り、また桜の季節がやってきた
・彼の中で何かが廻り始めた瞬間、空気が一変した
「周る」「回る」「廻る」の類語・言い換え表現
「周る」は「巡る」を類語として挙げることができます。
「回る」は意味が多いためすべてをカバーすることはできませんが、「一点を中心にして回転する」「決まった場所を順番に巡る」といった意味では同様に「巡る(めぐる)」に置き換えられる場合が多いでしょう。
「廻る」は「回る」と同じ意味を持ちますが、常用外漢字であり、やや古風な印象を与える表現です。
意味によっては「巡る(めぐる)」に置き換えられることが多く、特に「順番に場所を巡る」「流れが移る」といった文脈では類語として自然に使えるでしょう。
「周る」「回る」「廻る」の英語表現
「周る」と「回る」の英語表現もご紹介します。
「周る」の英語表現
「周る」は英語でいうと「around」「go around」が近い意味合いでしょう。
We traveled around the world.
(私たちは世界一周の旅をした)
「回る」の英語表現
「回る」については「go round」が近い意味を持つでしょう。
Nextweek, I'll go round to my clients to greet them with my resignation.
(来週、取引先に退職のあいさつ回りをする予定だ)
「廻る」の英語表現
「廻る」は文脈によって英語表現が異なりますが、「come around / circle back」が近いニュアンスを表現できるでしょう。
・Spring has come around again.
(春がまた廻ってきた)
「周る」「回る」「廻る」の違いをマスターしましょう
「周る」は「囲む、一巡りする」という意味合いの言葉です。慣例的に「まわる」と読むことはありますが、ビジネスシーンでは使用しない方が無難でしょう。
「回る」はとても多くの意味があり、代表的なのは「一点を中心にして回転する」「決まった場所を順番に巡る」などです。なお「廻る」は常用漢字ではないので、ビジネスシーンでは同じ意味を持つ「回る」に置き換えるといいでしょう。



