数々の“バズレシピ”を世に送り出してきた料理研究家・リュウジさん。彼が6月30日、新たに『バズレシピ 史上最強の痩せめし編』(扶桑社)を上梓した。
帯に書かれた「マジで、これさえ食ってれば、痩せる」のコピーが目を引くが、考えてみれば、リュウジさんはいつも自身のYouTubeチャンネル「料理研究家リュウジのバズレシピ」でお酒を浴びるように飲んでいるのに、身体は驚くほどスリムである。一体、なぜ……。
ということで、今回は新刊発売を記念し、リュウジさんにロングインタビューを実施。新刊の見どころと合わせて、リュウジさんが実践している体型維持の秘訣についても話をうかがった。
▼「食事制限だけでも俺くらいの体型を保つことは可能」
ーーまず、『バズレシピ 史上最強の痩せめし編』がどういう内容なのか、簡単に教えていただけますか?
今回の本に載せたのは、俺自身が太ったときに食っているレシピを集めたものですね。
ーーリュウジさんはいつもスマートなイメージがありますが、太ったりもするんですか?
カロリーの高い食事が続くと、2キロくらい増えることがあります。俺は毎日体重計に乗っているので、「あ、これちょっと食べすぎているんだな」ってすぐにわかります。そういうときは、まさに「痩せめし」を食べて調整しています。今回の本には、俺が太ったときに作る料理をすべて集めてみました。全部で115品、過去最大のレシピ数です。
ーーそれはすごい。ちなみに、リュウジさんは体型維持のために運動などもされているのでしょうか?
しないです。運動は嫌いなんですよ。先日、友達とラウンドワンのスポッチャで遊んだら全身筋肉痛になりました。外で飲むのが好きなので、お店を探すときに歩くくらいですかね、運動するとすれば。
ーーそれを「運動」にカウントするとは、本当に運動しないんですね。
逆に言えば、食事制限だけでも俺くらいの体型を保つことは可能ということですね。そもそも、日本人の食事は糖質が多すぎるんですよ。みなさん、ランチでそうめんや蕎麦を食うでしょ? それって、野菜もへったくれもないじゃないですか。1日3食糖質を摂る場合、半分くらいはカットするといいと思いますよ。あくまで俺の感覚的なものですけど。
ーー確かにランチは特に炭水化物に偏ってしまっているかもしれません……。
俺がいつもやっているのは、夜ご飯で糖質をカットして、昼はしっかり糖質も摂るということ。ランチはどうしても炭水化物を多めに出すお店が多いし、昼ならエネルギー源として糖質を摂ってもいいと思うんです。でも、糖質は寝ている間に身体へ吸収されるとも言われているので、夜はなるべく控えたほうがいいと思います。朝、顔もむくみますしね。
▼リュウジ考案の「痩せめし」は、美味しさ、手軽さ、満足度の三拍子
ーーリュウジさんが作る「痩せめし」の特徴を教えてください。
基本的には糖質カットと、どれだけ満足できるかというところを重視しています。でも、オートミールを使ったレシピもたくさん入っているので、糖質がまったくないわけではありません。
ーーオートミールも糖質があるんですか?
オートミールってのは、“食えば痩せる”なんていう代物ではありません。GI値(食後血糖値の上昇度を示す指数)が低いから血糖値は上がりにくいんですけど、もし白米と同じ量のオートミールを食べ続けたらめちゃくちゃ太りますよ。要するに、白米は100gくらい食べないと満足できないのに対して、オートミールは30gで満足できますよ、っていう話。俺の見解ですけどね。
ーーオートミールを食べていれば痩せるものだと勘違いしていました。
オートミールは水分をよく吸うので、30gでも満足感が得られやすいという特徴はありますよ。実際、俺もオートミールは結構食べています。そもそも、圧倒的に楽なんですよ。ご飯は炊く手間があるけど、オートミールなら水と混ぜてレンチンするか、鍋料理に突っ込めばすぐに食べられますから。
ーー手軽さもオートミールの魅力なんですね。
そもそも痩せるには「続けること」が大事なんです。いくらその日糖質を抑えても、1日で痩せられるわけじゃないから続けないと意味がない。だから、美味しくないとダメだし、作りやすさも重要ですね。面倒くさいレシピだと継続できないので。
「痩せめし」なんてネットでゴロゴロ転がっていますが、どれも味や作りやすさを重視していないんです。そこまでちゃんと考えて作ったのが『バズレシピ 史上最強の痩せめし編』。この本があれば「痩せめし」を食べ続けられますよ。レシピ数も多いから飽きないですし。
▼今回の新刊は実質的に「ラーメン本」!? その心は……
ーーいくらヘルシーでも、美味しくないと長続きしませんからね。
あと、今回の本は主食まで網羅しているというのも特徴的ですね。これまでの本ではおかず系がメインだったのですが、今回は白米代わりに食べられる置き換えレシピが豊富なので、「ガッツリ食べたいけど太りたくない」っていう人にもオススメです。
ーーおかずが低糖質・低脂質でも、一緒に大量の白米を食べちゃったら台無しですからね。
そうなんです。基本的に、この本を活用すれば痩せるので、痩せた分だけ好きなもの食べられますよ。俺は「痩せめしだけを食え」なんて言いません。「体重が増えてきたら痩せめしを食べよう」って言いたいんですよ。だから、この本は体調管理の本であり、太ったときのお助け本です。これが1,000円ちょっと(1,210円)で買えるんだから、いい時代ですよ。
ーー以前、リュウジさんがYouTubeで「カロリーの低い食べ物はカロリーの高い食べ物を食べるためにある」と言っていたのが印象に残っています。
それは俺の食生活を体現している言葉ですね。例えば、俺は「太るからラーメンは食うな」とも言いません。太るまでラーメンを食うのがダメなだけで、ラーメンは全然悪くない。ようするにラーメンを心置きなく食べるために、普段何を食べるかが重要なんですね。その答えがこの本に書かれているので、この本は実質的にラーメン本みたいなものです。
ーーラーメン(のような高カロリーなもの)を食べるための本だから、「ラーメン本」ですか……(笑)
基本的に、日本人は体調管理が苦手ですよね。なんでこんなに管理できないんだろうっていうくらい。確かに運動は辛いですよ。それはよくわかる。運動を日課にするのは難しいけど、食事はすでに日課なわけですから、それをどう痩せめしに置き換えるかっていうだけの話なので、運動するより全然楽なんですよ。
ーー言われてみれば……。では、痩せめしを作るうえで何か軸となるような食材はありますか?
オートミール以外なら、しらたきや豆腐ですかね。しらたきって、麺類と置き換えられるのに、カロリーも脂質もほとんどないんですよ。逆に栄養もないんですけどね。でも、食べすぎると腸閉塞になっちゃうから毎日しらたきを食べるのは止めましょう。ルーティンに組み込むくらいがいいと思います。
ーー最後に、『バズレシピ 史上最強の痩せめし編』にある中で、忙しい社会人でも作りやすいメニューを教えてください。
どれも簡単に作れますけど、オートミールのチャーハンは、マジでチャーハンと比べても全然遜色がないくらいちゃんとしたチャーハン。糖質オフだけど、ボリューミーだし満足感も高いと思います。あとは厚揚げの角煮風なんかもいいんじゃないですかね。普通の角煮と違って、外側は豚バラだけど中身は厚揚げだから、その分はヘルシー。角煮が食べたいけど太りたくない! っていうワガママなボーイズ&ガールズにいいんじゃないですかね。
ダイエットは1日にしてならず。とにかく続けることが成功の秘訣である。しかし、ダイエットフードも美味しくないことには続かない。その点、リュウジさんの新刊『バズレシピ 史上最強の痩せめし編』は、美味しいだけでなく、レシピもバリエーションに富んでいるので、飽きそうもない。さっそく試してみよう!
『バズレシピ 史上最強の痩せめし編』
(扶桑社/1,210円)
マジで、これさえ食ってれば、痩せる。バズレシピ「太らないおかず」大ヒットの
余韻冷めやらぬ今、リュウジの「痩せめし」がさらにパワーアップして帰ってきた!!
【CONTENTS】
PART1 大人気!超痩せバズレシピ
PART2 満足感しっかり! オートミールレシピ
PART3 ガッツリ食える! 肉と魚のボリュームおかず
PART4 プラス一品! すぐできる万能おかず
PART5 晩酌がすすむ! 家呑みつまみ
PART6 とにかく優しい! ほっとするスープ
などなど、ダイエットに関係なく毎日食べたい極上の115レシピが掲載!!