フランチャイズに興味があっても、「悪いフランチャイズに加盟してしまったらどうしよう」という不安はありますよね。7月には、1200店を超えるフランチャイズ店舗を運営する企業が、本部から適切な指導や援助がなく廃業したとして、オーナーから提訴されるという報道もありました。

そこでこの記事では、良いフランチャイズと悪いフランチャイズの特徴や、悪いフランチャイズを見分ける方法を解説します。

■良いフランチャイズの特徴

まず、良いフランチャイズの特徴から見てみましょう。

1.サポート体制がしっかりしている

フランチャイズに加盟すると、加盟店は本部から定期的なサポートが受けられます。経営指導や改善点を提示してもらえるほか、商品開発、広告宣伝などは本部に任せられるため、加盟店オーナーは店舗運営に専念できるのです。

良いフランチャイズほど、こうしたサポート体制に力を入れています。サポート体制について知るには、本部に確認するほか、加盟店を数軒訪れ、すでに加盟しているオーナーから直接話を聞くといいでしょう。

2.収益性に優れている

フランチャイズ加盟店は、対価を支払うことで、本部から「フランチャイズパッケージ」が得られます。フランチャイズパッケージにはビジネスモデルや経営ノウハウなどが含まれており、加盟店が事業損失を防ぐために欠かせないものです。

収益性に優れたフランチャイズパッケージである点も、良いフランチャイズの必須条件でしょう。具体的には、本部にロイヤリティを支払っても充分な利益が確保できること、投資回収期間が他社より短いことなどが、収益性を判断するうえで重要なポイントとなります。

3.会社情報や経営理念が明らかになっている

良いフランチャイズは、会社情報の詳細が公開されており、本部の経営理念や事業への姿勢も明確になっています。これらの情報がはっきりしているのは、ビジネスに真摯に取り組んでいる証です。加盟前に、会社のパンフレットやホームページで確認しておきましょう。

■悪いフランチャイズの特徴と見分け方

<悪いフランチャイズの特徴>

一方、悪いフランチャイズは、実際には収益を得ることが困難なビジネスモデルで加盟店を募ります。多くの加盟者から加盟金を集めることが目的ですので、高い収益性をアピールして集客する特徴があります。

また、「加盟金ゼロ」をうたい、加盟者を増やそうとするフランチャイズも存在します。しかし実際には、研修費や宣伝費、契約料など他の費用がかかる可能性が高いです。そして、加盟後にこうした費用を知らされても、加盟を抜けることは容易ではありません。

こうしたフランチャイズはサポートがほとんどないことも多いため、経営が未経験の加盟店オーナーですと、収益を出すことは難しいでしょう。その結果、起業に失敗し、設備投資などによる借金だけが残ることも少なくないのです。

<悪いフランチャイズの見分け方>

では、こうした悪いフランチャイズを見極めるにはどうすればいいのでしょうか。以下の項目に当てはまる場合、悪いフランチャイズである可能性があります。

1.メリットばかり強調する

どんなに優れたビジネスにも、リスクやデメリットが必ずあります。しかし、悪いフランチャイズはこれらについて説明せず、メリットばかり強調する傾向にあります。

ビジネスのリスクやデメリットについて質問をしてもあいまいな回答しかせず加盟を急かす場合は、悪いフランチャイズの可能性が高いです。加盟には慎重になりましょう。

2.必要な資料を配布しない

フランチャイズへの加盟を示すと、本部から法定開示書面や経営計画書などの資料が配布されます。しかし、悪いフランチャイズの場合、加盟前に法定開示書面を配布しないケースがあります。

また、資料が配られても、経営計画書に必要投資額の具体的な内訳がないなど、細かな情報が記載されていない場合も要注意です。

3.悪い口コミが多い

悪いフランチャイズは、インターネット上の悪い口コミや不祥事のニュースなどを目にする機会が多くなります。良いフランチャイズであれば、自ずと悪い口コミは少なくなるためです。

ただし、良い口コミがあっても、本部社員が書いている可能性があります。実態を知るには、やはり加盟店オーナーに直接話を聞くのが一番でしょう。

■フランチャイズ選びには充分な時間をかけよう

悪いフランチャイズに誤って加盟してしまうと、稼げないばかりか借金を背負うリスクもあります。良いフランチャイズに加盟するには、フランチャイズ選びにたっぷり時間をかけ、信頼できる本部であるか充分確認するようにしましょう。