スーパー戦隊シリーズ第46作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』は、かつてないほど濃厚な個性を備えたユニークなヒーローたちが、行動も目的もバラバラながら「戦闘」の時だけ一か所に集合し、敵を倒したあとはまたそれぞれの生活に戻るという斬新な設定が盛り込まれた。
放送開始から4ヶ月がすぎ、最初は目の前の人物が一緒に戦っているドンブラザーズだと知らないで接していたメンバーたちが、お互いを認識し始め、ドンモモタロウ/桃井タロウ(演:樋口幸平)を中心とした仲間意識が生まれつつある。そんな中、イヌブラザー/犬塚翼だけは「無実の罪で警察に指名手配されている“逃亡者”」という境遇だけに、他のメンバーと必要以上に絡もうとはしない特殊なポジションにいる人物である。
単独インタビューの今回は、クールな逃亡者・犬塚翼を演じる柊太朗にご登場していただき、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』出演への反響や、雉野つよし(演:鈴木浩文)の愛妻・みほと同一人物かもしれない恋人・夏美(演:新田桃子)とのミステリアスな関係のこと、そして2022年7月22日から公開される映画『暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー』の見どころを語ってもらった。
――放送開始から4か月がすぎ、最初は誰がアバターチェンジしているのかお互いに知らなかったドンブラザーズのみなさんも、次第に交流が増えてきた印象です。しかし柊太朗さんが演じる犬塚翼だけは、ドン13話「さよならタロウ」でタロウが死んだこと、ドン14話「みがわりジロウ」でドンドラゴクウ/桃谷ジロウ(演:石川雷蔵)が現れたこと、ドン15話「おかえりタロウ」でタロウが復活を遂げたことなど、詳しい経緯を知らないままストーリーが進んでいるんですよね。
僕だけいつも別世界にいるようです(笑)。他のドンブラザーズのみんなとはまったく違う道を歩ませてもらっている現状ですから、犬塚翼単独の物語のつもりで役を演じているところがありますね。
――『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』出演についての反響を聞いたりすることはありますか。
先日、北海道に帰省して祖母のところに行ったのですが、小さな町なので僕が帰ってきたよって話が口コミでバーッと知れわたっていました。隣近所のおじいちゃん、おばあちゃんが「観てるよ!」「がんばってね!」と応援してくださって、照れると同時に元気をいただきました。また、カメラマンや幼稚園などで子どもと接する仕事をしている先輩や友だちがいまして、ときどき「イヌブラザー人気だよ」って知らせてもらい、喜んでいます。
――オニシスター/鬼頭はるか役の志田こはくさんが誕生日(5月25日)を迎えた際、みなさんでお祝いをされたとうかがっています。キャスト陣のチームワークのよさを感じさせますね。
あの日は翼の出番がなかったんですが、せっかくこはくちゃんの誕生日だし、これは絶対現場に行ってお祝いしなければと思い、集まりました。他のキャストについても、僕たちからの発信で誕生祝いをやっていけたらいいなと思っています。
――犬塚翼はタロウやはるか、サルブラザー/猿原真一(演:別府由来)とは基本的に別行動を取り続けていますが、変身後のヒーローに声を入れるアフレコのときはみなさんとご一緒されたりするのでしょうか。
メンバー全員ではないですけど、2人、3人とかでアフレコをするときがありますね。現場で会えなかった人たちとは、スタジオの中で「あのときの現場ではこんなことがあった」なんて話したりしています。
――5人がロボタロウに変身した後、合体した「ドンオニタイジン」は、戦闘中でも5人がやたらとしゃべりまくるのが面白いですね。アフレコ現場では、どんな雰囲気なのでしょう。
ドンオニタイジンは、戦っている間じゅうずっと誰かがしゃべっている「うっとうしいくらい騒がしいロボット」の感じにしたいと思っています(笑)。アフレコで隣にいる人のセリフを受けてテンポよく言ったり、ちょっと被せ気味に声を出したり、各々が勝手にしゃべっている雰囲気を大事にしていますね。
――左足のイヌブラザー(の顔)が「俺は高所恐怖症なんだ!」と叫ぶなど、戦闘中にキャラの意外な一面が出たりするのが面白いです。
高所恐怖症のくだりは台本に書かれていて、読んだとき初めて「こんな設定があったのか」と知りました。このひと言を活かす形で、ドンオニタイジンが飛びあがったときのリアクションだったり、着地してホッとしたりとか、翼のキャラクターを印象付けるため、前後の声の芝居を自分なりに工夫してみました。
――キャストのみなさんで遊びに行くことはありますか。
みんな仲がいいので、撮影が終わると誰ともなく声をかけあって出かけることがあります。幸平がサウナ好きなので、男子メンバーでサウナに行くとか、ドンブラザーズのガチャガチャを回しに、玩具売り場へ行くこともあります。