『ウルトラセブン』(1967年)放送開始55周年を記念して、円谷プロと国内オーディオメーカー「株式会社final」が共同開発を行い、『ウルトラセブン』の世界観をモチーフにした完全ワイヤレスイヤホン「ZE3000 ウルトラ警備隊モデル」を発売することになった。
発売開始日である7月17日には、final本社5Fホールにて、オリジナルビデオシリーズ「平成ウルトラセブン」(1998~2002年)でウルトラ警備隊のハヤカワ・サトミ隊員を演じた女優の鵜川薫をゲストに迎え、発売記念イベントが開催された。
「ZE3000 ウルトラ警備隊モデル」とは、株式会社finalの完全ワイヤレスイヤホン「ZE3000」をベースに、『ウルトラセブン』劇中で活躍する地球防衛軍の選抜チーム「ウルトラ警備隊」のイメージを盛り込み、デザインした新商品である。イヤホン本体はウルトラ警備隊のヘルメットと同じく白と赤をあしらった光沢仕様、イヤホンケースは制服を思わせるグレー主体のカラーリングの艶消し仕様という『セブン』ファンにはたまらない随所にこだわりが見られる商品となった。
『ウルトラセブン』(1967年)は、『ウルトラQ』(1966年)『ウルトラマン』(1966年)に続く、円谷プロの「空想特撮シリーズ」3作目にあたる。『ウルトラQ』『ウルトラマン』によって全国的に巻き起こった「怪獣ブーム」の次を狙うテレビ界は、海外SFドラマの影響もあって「宇宙」や「メカニック」に目を向けるようになった。『ウルトラマン』の後を受けた東映の『宇宙特撮シリーズ キャプテンウルトラ』(1967年)は宇宙開拓時代の人類を待ち受ける未知の脅威に挑んでいく英雄キャプテンウルトラの活躍を描く和製スペース・オペラとして健闘。続く円谷プロの『ウルトラセブン』は、美しい緑の星・地球を狙う恐るべき侵略者を撃退する地球防衛軍・ウルトラ警備隊と、彼らに味方する謎のヒーロー・ウルトラセブンの活躍を描く宇宙規模のSFストーリーが繰り広げられた。
『Q』『マン』と特撮技術をレベルアップさせてきた円谷プロスタッフは、『セブン』においてさらなる高みを目指し、海外作品にも負けないクオリティのメカニック描写や、地球を狙う侵略者にウルトラ警備隊がどのような対応を取るのか……といった毎回のドラマ展開に力を入れ、非常に完成度の高い作品を作り出していった。今やウルトラマンシリーズは昭和~平成~令和と時代を重ね、膨大な数の作品が生まれているが、その中でも『ウルトラセブン』はヒーロー・ウルトラセブンのキャラクター性や、ウルトラ警備隊をはじめとする登場人物の人間味、ウルトラホーク1号やポインターといったシャープで洗練されたメカニックの見事さ、成田亨氏、池谷仙克氏が手がけた宇宙人、怪獣のユニークな個性、そして冬木透氏・作曲による雄大なイメージをもたらす珠玉の音楽(主題歌・挿入歌・BGM)などさまざまな魅力によって、55年を経た現在でも新しいファンを生み出すほどのパワーを備えた傑作として認知されている。
イベントにあたって、株式会社final営業部プロジェクトリーダーの森圭太郎氏(右)と、円谷プロ営業本部・シニアプロジェクトマネージャーの藤田浩氏(左)から、商品開発の始まりから発売までの道のりが説明された。森氏は「これまで有線イヤホンでしか作ることができなかった最高の音を、ワイヤレスイヤホンで実現しようと開発されたのが、ZE3000でした。Finalはイヤホン・ヘッドホンの専門ブランド。現実世界で聞こえる音と、イヤホンで聞く音の“境目”を無くすというのが、我々の最終目標です。どのようにすればいい音が出るのか、いい音として感じられるのか、日々研究をしております」と、株式会社finalがいかにクオリティの高い商品の開発に力を尽くしているかを、強くアピールした。
藤田氏はfinalとウルトラセブンのコラボ企画について「始まりは1年以上前にさかのぼります。ウルトラマンシリーズ関連商品で、これまできちんとした『音響』にこだわったものがなかったので、こちらからfinalさんに企画を持ち込みました。ウルトラ警備隊モデルに行きつくまでには、finalさんのほうでいくつも優れたデザインを出してもらいましたが、いずれもキャラクターへの愛情を感じさせる優れたものでした。当初はポインターやウルトラホークをイメージしたメタリックなデザインや、ウルトラセブンをイメージして『赤』メインのデザインとかもありましたが、森さんと何度もディスカッションを重ねてウルトラ警備隊モチーフに決まりました。イヤホンのガイド音声を、平成ウルトラセブンのサトミ隊員役・鵜川薫さんにお願いできたのもよかったです。『ウルトラセブン』の世界観をお楽しみいただける商品になったと思います」と、デザインおよび製品そのもののクオリティの高さを絶賛し、『ウルトラセブン』ファンにも満足してもらえる商品が出来た喜びを示した。
ここでイベントのメインゲスト、「平成ウルトラセブン」でウルトラ警備隊ハヤカワ・サトミ隊員を演じた鵜川薫がステージに登場した。1998年のビデオシリーズで着用していた当時の制服に身を包んだ鵜川は、あのころと変わらぬさっそうとした振る舞いで、素敵な敬礼ポーズを披露。今回、イヤホンを装着した際に聞こえる「ガイド音声」を務めたことについて「普通のガイド音声では面白くないなと思い、『ウルトラセブン』らしい雰囲気でやりたいと考えました。収録現場では、サトミ隊員になりきってひとりで敬礼したり、シラガネ隊長(南条弘二)から命令を受けたときの気持ちになったり、感情を込めたセリフとして言葉を発しています。満足のいく仕上がりになったと思っています」と、音声ガイド収録の裏話を明かした。
また鵜川は「ピアノ演奏やクラシック曲を聴くのが好きで、以前からfinalさんの商品を愛用していました。だから今回のお仕事の話があったときは、こちらこそぜひお願いします! という感じ(笑)。クオリティの高いイヤホンだと、演奏している方たちの息遣いまで聞こえてきて、すごいなって思っていました。見た目も最高ですが、すばらしい性能のイヤホンなので、心からおすすめできる商品です。私が『平成ウルトラセブン』シリーズに出演してから20年あまりが過ぎましたが、この制服もヘルメットも、まったく古びていない印象です。このワイヤレスイヤホンも、ファンのみなさんに20年、30年と長く愛していただけるものになっています!」と、final製品の高いクオリティと、不滅の人気を誇る『ウルトラセブン』とのコラボ商品をファンの方々に末永く愛してほしいと願った。
フォトセッションでは、我らのヒーロー・ウルトラセブンがステージにかけつけ、サトミ隊員とのツーショットが実現した。
「平成ウルトラセブン」とは、テレビシリーズ『ウルトラセブン』の世界観を継承した「続編」であり、1994年3月にテレビスペシャル『ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦』として放送されたのがそもそもの始まり。この好評を受け、同年10月に『ウルトラセブン 地球星人の大地』が放送。前作ではナレーションを務めていた森次晃嗣が、本作で久々にウルトラセブン/モロボシ・ダンを演じたことも話題を集めた。2本のテレビ作品を引き継ぐ形で、1998年にビデオシリーズ『ウルトラセブン誕生30年記念 3部作』が製作され、サトミ隊員はこの作品から登場する。テレビ作品、映画作品とは別な方向で発展を続けた『ウルトラセブン』世界は「平成ウルトラセブン」と呼ばれるようになり、『ウルトラセブン1999最終章6部作』(1999年)、『ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION”5部作』と、二度も続編シリーズが作られるほどの人気を獲得した。
力強いファイティングポーズをとるウルトラセブンの横で、ウルトラガンを構えるサトミ隊員の勇姿。
かつて地球を守って共に侵略者と戦ったウルトラセブンとの仲の良さがうかがえる、サトミ隊員の晴れやかな笑顔にご注目。
「ZE3000ウルトラ警備隊モデル」の想定販売価格は15,800円(税込)。
(C)円谷プロ