テレビ番組の制作会社が加盟する全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)は12日、テレビ局に向けた番組制作現場のハラスメント撲滅への申し入れの声明を発表した。

  • ATPの福浦与一理事長

声明文では、「放送事業者の皆様は、これまでも事あるごとに、製作会社スタッフも含めた番組制作現場の意識改革を進めてきたことと存じます。それにもかかわらずハラスメントが無くならないのは、ハラスメントを受けた側が声を上げにくい環境が、いまだあるからではないでしょうか。制作現場で起きるパワハラは、ともすれば担当者個人の資質の問題として矮小化されがちですが、そうした個人を生み出す土壌がある根深い問題だと私たちは捉えています」と説明。

その上で、「私たちは、いち製作者として、より多くの視聴者に受け入れられる魅力的な番組を作り続けたいという思いを強く持っています。番組製作現場が健全に運営されなければ、それも叶わなくなってしまいます。視聴者からの支持を失わないためにも、放送事業者と製作会社によるハラスメント撲滅のための体制作りを進めることを提案します」とした。

ATPの福浦与一理事長(IVSテレビ制作社長)は「ATPとしても放送事業者さんと話はするんですが、どうしても現場のプロデューサーやディレクターに届いていない状態が続いています。ここのところハラスメントの報道がいくつか出ていますが、それ以外にも加盟者の中でハラスメントという情報がまだ多く出ている状況でしたので、このような申し入れの声明を出した次第です。今後の各局協議で進めていきたいと考えています」と話している。