映画『流浪の月』(5月13日公開)のティーチインが4日に都内で行われ、横浜流星、李相日監督が登場した。

  • 横浜流星

    横浜流星

同作は凪良ゆうによる、本屋大賞受賞のベストセラー小説の映画化作。雨の夕方の公園で、びしょ濡れの9歳の家内更紗(広瀬)に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文(松坂)。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2カ月を過ごすことになるが、やがて文が更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後、「傷物にされた被害女児」とその「加害者」という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。

横浜は同作で変化したことについて「まだまだ駆け出しなので作品を並行してやることが多かったので、充分な準備期間がなかったりして、『これで大丈夫なのかな』という不安がありながらやっていたんですけど、『流浪の月』で準備期間をすごくたくさんいただけて、すごい幸せな環境でした」と振り返る。「監督が用意してくださったおかげというのもあるし、監督の現場の姿を見て、魂込めて命をかけて作品に熱く向き合わなければいけないなと、より感じていた。だからその後の作品を全てそういう思いでやってます」と心境を明かした。

「無我夢中に走ってきたけど、今は作品が終わったら、ちょっと休みを空けてもらえたりしているので、事務所と話し合いながらできていて、バランスを取れてるかな」と状況も変化している様子。李監督は「『流浪』までは駆け足で来て、人気もガッと来て、『流浪』である程度しっかり準備しながら臨んだのが大きかったのかもしれない。最初に話してた時は『すごく挑戦だ』みたいなことを言ってたと思うんだけど。『ファンの方大丈夫?』と聞いた気がする」と苦笑。彼女役の広瀬すずに暴力を振るうといったシーンもあり、李監督は「『今回、けっこうやばいよ?』って。逆に言うとちゃんと嫌悪感も残さなきゃいけないし。複雑なことをたくさん求められるから、今までのファンの方がどう見るかはちょっとわからないという話もしましたね」と撮影時の横浜との会話も。

横浜は「僕はなんだかんだもう10年やってますけど、本当にたくさんの方に知ってもらったのが、『初めて恋をした日に読む話』というドラマなんですけど、その前からいたのに、そこでたくさんの方に知ってもらって、ちょっと自分の中でもわっ! となってしまったんです」と訥々と語る。「でも、ということは移り変わりが激しいんだとも感じたので、ずっと人気があるなんて保証できないし、自分の代わりなんていくらでもいるからこそ"もの"にならないといけないというところで」と同作への挑戦の理由を説明。「もちろん嫌悪感を抱かれるような役だし、僕、Instagramやっていて277万ぐらいのフォロワーがいたんですけど、今、274万に減っているんです。それを感じます」とまさかの現象を明かした。

しかし、横浜は「役者名利につきるなという風にも思ってます」と噛み締め、李監督は「今残ってる274万人は信じられる」とフォローする。「だから本当にこれからも絶対、そういう役とか作品とかに出るじゃないですか。多分きっと出るけど、それでも自分のことをいいと思ってくれる人を大事にしたいなと考えております」と語った。