7月1日から12月30日まで、六本木ミュージアムで「美少女戦士セーラームーン ミュージアム」が開催される。連載30周年を記念した大展覧会の見どころを、連載編集担当の小佐野氏の解説とともにご紹介しよう。
今回は、原作者・武内直子先生が展覧会のために描き下ろした最新原画や、初展示のものを含む貴重なカラー原画を、過去最大規模で展示。3つの会期に分けて開催され、会期ごとに展示やグッズも入れ替わる予定となっている。
30年の時空の旅へ
開幕に先駆けて行われた内覧会では、原作の編集担当である小佐野文雄氏がギャラリーツアーでさまざまなエピソードを交えて見どころを紹介した。
入口で来場者を出迎えるのは、巨大なセーラームーンのイラスト。こちらも武内先生の描き下ろしだ。
会場への入口は「時空の扉」となっていて、ここから時を超えてセーラームーン30年の世界へ入っていくイメージだという。ちなみに武内先生もお気に入りで、自宅にほしいと言っていたのだとか。
最初は没入型体験シアターの空間。『ムーンライト伝説』の過去映像が巨大スクリーンに流れ、一気にセーラームーンの世界に引き込まれる。スクリーンの前には、実寸大のステッキも展示されている。
プリズムシアターを抜けると、ホログラム原稿展示コーナー。セーラームーンの世界観に合わせてキラキラとした美しいホログラムを背景に連載原稿が展示され、連載のストーリーの流れを振り返ることができる。
天井のミラーボールからは、各戦士のカラーが順番にライティングされるなど、武内先生も大変満足している演出だという。
次はアニメ放送のコーナーへ。初代から現代まで、過去のアニメ放送の概要を振り返る。小佐野氏は、「初期は170色しかカラーが使えず、ルナも黒猫ではテレビに映らないので青くしたんですね。でも今は無限大にカラーが使えるそうです」と話した。
歴代のグッズを振り返るコーナーでは、懐かしいアイテムやドレスなどが並ぶ。ちなみに、かつてはそこまで人気の高くなかったルナも今では大人気で、「お猫さまと呼んでいます」と小佐野氏。ルナのグッズもたくさん展示されていた。
武内先生も大好きだというミュージカル衣装の展示を抜けると、いよいよ原画コーナーへ。
とその前に、過去の『なかよし』の表紙が集合している1枚が。小佐野氏は、「こういうキャッチコピーはだいたい私が考えたんですが……今見るとダサすぎますね(笑)」と照れ笑い。終始お茶目で取材陣の笑いを誘う小佐野氏であった。
そして目玉とも言える原画コーナーには、約60点の作品が展示されている。会期ごとにすべて入れ替わり、全体で180点以上の原画展示となる。
作品はすべて武内先生が同展のために手直しをし、展示の演出も先生のこだわりが大きく反映されているという。「水彩画が多いのですが、武内先生はとくに色彩感覚に優れていると思います」と小佐野氏は解説した。
オリジナルグッズやカフェメニュー
物販コーナーは、たびたびセーラームーンとコラボしてきたアートディレクター・五十嵐LINDA渉氏が内装を担当。武内先生が訪れたパリのショップがコンセプトとなっている。
オリジナルグッズには、アクリルフィギュアコレクション(1,540円)や復刻版のなかよしふろく(1,650円)、ルナとアルテミスのリバーシブルクッション(4,180円)などを用意。グッズも会期ごとに新しいものが追加されていくという。
ミュージアム内の「美少女戦士セーラームーンミュージアムカフェ」で提供される、オリジナルメニューもとっても可愛いのでぜひチェックしてみてほしい。
最後に、「武内先生も何度も足を運んで、意見を取り入れて作り上げました。先生の熱意がファンのみなさんに伝わればいいなと思います」と小佐野氏。作品の舞台・麻布十番で開催される最大規模の展覧会はファン必見だ。
(c) Naoko Takeuchi
■Information
・会期:7月1日~12月30日(Vol.1:7月1日~9月4日/Vol.2:9月10日~11月6日/Vol.3 :11月12日~12月30日)
・休館日:9月5日~9日、11月7日~11日
・時間:10:00~18:00(最終入場17:30)
・場所:六本木ミュージアム(東京都港区六本木5-6-20)
・料金:(前売)一般2,000円、中学・高校生1,200円、小学生600円、(当日)一般2,200円、中学・高校生1,400円、小学生800円
※日時指定制。前売券はイープラスにて販売。当日券はイープラスまたはミュージアムの窓口にて館内の滞留人数に余裕がある場合のみ販売。