暑い日に、冷えた麺類や、スパイスの効いた肉料理を食べたくなる。そんな方にぴったりかもしれない料理が、ファミリーレストラン「サイゼリヤ」の季節限定メニューとして登場した。
その名は「ほぐし辛味チキンの冷製カペッリーニ」。
夏を意識した冷たくて辛い料理のようだが、サイゼリヤの人気メニュー「辛味チキン」をパスタに入れるとは、なんとなくもったいない気が……。さっそくサイゼリヤで食べてみたので、気になる味わいを紹介しよう。
6月某日、近所のサイゼリヤにて。案内された席に着き、お目当てのメニューを探してみると……
あっという間に発見。季節限定メニューのためか、別刷りの用紙にプリントされ、テーブルの上に大々的に置かれていた。さっそく紙に番号を書いてオーダーする。
数分待つと、待望の「ほぐし辛味チキンの冷製カペッリーニ」(600円)が運ばれてきた!
麺が見えない……!? 木製の器に盛られているのは、辛味チキンとぶつ切りのトマト、細かくちぎられたレタスやルッコラ。かかっているのは粉チーズとドレッシング。いずれの食材も、皿のフチからはみ出しそうなほどの量が、惜しげもなく使われている。
レタスの隙間を覗いてみると、ようやく麺を発見!メニュー表によれば、「カペッリーニ」とは、細いパスタ麺のことらしい。
サイゼリヤでは高額な部類に入るメニューとはいえ、値段は都内のレストランよりよっぽど安い600円。にもかかわらず、「ミニサラダを麺の上にのせました!」と言われても納得してしまうほど、たっぷりの野菜が使われている。
サイゼリヤ、価格設定を間違えているのでは……?
メニュー名にも入っているほぐし辛味チキン。表面にたっぷりのスパイスが絡められていて、ツンとくる香りに食欲をそそられる……。
それでは、いただきます!
チキンを一口食べてみると、舌にピリッとした刺激が伝わってきた。しっとりとした身からは、噛むたびに肉汁があふれ出てくる。うまいっ!!
冷えた肉に親しみを感じたことはほとんどなかったけれど、このチキンは格別。肉の繊維一本一本が細く引き締まっていて、スパイシーな 辛味と歯ごたえを楽しめる。
辛すぎるのが苦手な人は、チキンと麺を一緒に食べるのがいいかもしれない。スパイスの尖った辛味を小麦の素朴な味が包み込んで、すいすい食べ進められそうな、やさしい味に変化させる。
「そのままで美味しい辛味チキンをパスタに入れるなんてもったいない……」と思っていた過去の自分には、「とりあえず食べてみて!」と伝えたい。
熟したトマトと青々しい葉物も、細いパスタと合わせるとより味が引き立つ。冷えた野菜のシャキッとした食感と、麺のもちっとした歯ごたえのコントラストが絶妙。
ルーコラとレタスの苦味は、ほんのり甘いドレッシングのアクセントにぴったり。葉物のやわらかい苦味によって気分がリフレッシュされて、コクのあるドレッシングやチーズを何度も新鮮に楽しめる。
ちなみに、「もっと辛さを味わいたい!」という方には、アレンジもおすすめ。筆者が使ったのは、こちらのトッピングパウダーだ。
サイゼリヤオリジナルの、唐辛子の旨味が詰まった乾燥フレーク。追加料金不要でアレンジを許してくれるとは、サイゼリヤの懐の深さにびっくりする。
野菜にフレークを振りかけると、食欲がさらにそそられるパンチの効いた味に大変身。しかも、辛味が悪目立ちしていない。
トマトやレタスの水分がフレークにしみ込んで、ピリッとしながらも、まとまりのある辛さに仕上がった。
総評すると、「ほぐし辛味チキンの冷製カペッリーニ」は、冷たくて辛い、夏にぴったりの豪華な冷製パスタだった。
豪華の定義は人によって違うと思うけど、メニュー写真と今回運ばれてきた料理を比べると、言葉の所以を理解してもらえる気がするので掲載しよう。
話題の“逆写真詐欺”にサイゼリヤで遭遇できるとは、嬉しいサプライズ。しかも、冷たくて、辛くて、おいしい。
「ほぐし辛味チキンの冷製カペッリーニ」は8月中旬までの提供とのこと。「暑さを忘れて食事を楽しみたい」という方は、ぜひ食べてみてはいかがだろうか?