麻布十番の肉料理「kumasan 麻布(旧名salon du kuma3)」や銀座の活け蟹専門店「かにじぇんぬ 銀座」などを運営するQRAUDが、6⽉14日東京・新富町に肉割烹「うし富味」(うしとみ)をオープン。黒毛和牛と四季折々の食材を使った、ここだけでしか食べられない趣向を凝らした料理が用意されていると聞いて、メディア向け試食会に足を運んでみた。
■「うし富味」とは
「うし富味」は、「kumasan 麻布」が提案する黒毛和牛に日本料理を織り交ぜた肉割烹。新富町駅と八丁堀駅から共に徒歩5分程度の中間地点、大通りから一歩入った情緒溢れる街並みの中に店を構えている。店内はオープンキッチンのカウンター8席。長年日本料理で経験を積み「kumasan 麻布」の料理長も務めた永井克宜さんが目の前で腕を振るう。メニューはコースのみで、18:00からと20:30からの2回に分けて、一斉にスタートするスタイルをとっている。今回は「お任せコース」(18,000円)をいただいた。
■ いざ実食!
コースの最初に登場したのは「雲丹ユッケ」。宮崎県産の雲丹とサーロインのユッケ、キャビアが乗った見た目も鮮やかで贅沢な一品だ。よく混ぜていただくと、雲丹と和牛の濃厚さがキャビアの塩味で際立ち、花穂が爽やかな後味を与えてくれる。
続いて提供されたのは個性的な器がお盆に並ぶ「八寸」。上ミノを湯がいて三つ葉とおひたしにした「上ミノ三つ葉浸し」、イチボ肉を使った「ローストビーフ」、ハツをたたきにして上に黄ニラのソースをかけた「ハツ黄ニラオイル」といった和牛を使った手の込んだ料理の数々。サクサクした食感のハツと鮮やかな味の黄ニラが特に美味しかった。
肉料理をメインに、「稚鮎唐揚げ」「タコの柔らか煮」や、次に出てきたお椀の「鱧の清汁仕立て」、五島列島から取り寄せ1週間ほど低温熟成させた「九絵刺し」など魚介を生かした和食を織り交ぜているところが特徴的だ。こうした食材を、調理前にカウンター越しに見せてくれるので、どんな料理になって登場するのか? というワクワクする臨場感があって楽しい。
代表メニュー「タン刺し」は、上に塩昆布が乗り、山葵、すだちも添えられているのでお好みで。サシが多く入りしっかりとした旨味、柔らかく新鮮さを感じる食感がたまらない。
一見普通のメンチカツに見える「すっぽん和牛メンチカツ」は、まわりは和牛で、中にすっぽんのスープ、煮こごり、コラーゲンが閉じ込められている。箸を入れるとジュワ~っとスープと肉汁が溢れてきて、ジューシーで食べ応え抜群。黒酢をかけて食べるとさっぱりと味変できて、さらに美味しい。
しゃぶしゃぶしたサーロインを出汁に浸し、プルプルしたじゅん菜の食感も楽しめる「サーロしゃぶ」、フレッシュで香ばしい「皮付きヤングコーン炭焼き」など、バラエティー豊かなメニューがテンポ良く出てくる。
特に独創的な発想に驚かされたのが、「ヒレカツ巻き」。赤酢のシャリに乗ったヒレカツを海苔に巻いていただいた。柔らかい肉質、シャリの酸味と肉の脂が相性抜群。よく見るとカワイイ顔みたいに見えるのは、女性をターゲットにしているからなんだとか。なお、「ヒレカツ巻き」はコース外のオプションになるそうだ。
レモンに乗ったビジュアルもインパクト大で分厚いタンの食べ応えのある「厚切りタン焼き」、自家製の醤塩でヒレ肉の旨味が際立つ「ヒレ焼き」、ガラスの器に入り土佐酢の香りも鮮やかな「焼き鮑」と、どの料理も贅沢極まりない。
シメの食事は「新生姜ご飯」。土鍋で炊いたご飯は枝豆がたっぷりと乗っていて、爽やかな生姜の香りと味わい、枝豆の甘みが上品でシメにぴったり。ご飯のお供に温泉卵などもついているので、シメとは思えないほど食欲が止まらない。
さらになんと、続いて「手打ち蕎麦」まで出てきてビックリ。食べられるかな? と思いつつ、のど越しが良くてスルスルとあっという間に胃袋に吸い込まれていった。最後はデザートの「青梅蜜煮」でコースは終了。絶妙な甘さは残しつつさっぱりと! 食後の余韻を感じながらお店を後にした。
黒毛和牛をメインとして出てきた料理はどれも素材の良さを生かしつつ、丁寧な仕事ぶりが伺えるものばかりでボリュームもあり、舌の肥えたグルメファンも大満足できるはず。お酒好きには、料理に合わせたドリンクペアリング(7,000円~)が用意されているので、ゆっくりと贅沢な気分を味わいたいときに足を運んでみてほしい。
■Information
「うし富味」
【場所】東京都中央区新富1-15-13 AXAS銀座アジールコート 1F
【営業時間】第⼀部 18:00~/第⼆部 20:30~
【定休日】水曜日