寒中見舞いに何を書けばいいかわからず、困ってる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、寒中見舞いの文例をシーン別に紹介します。基本的な文例はもちろん、親しい友人へ送る堅苦しくない文例や年賀状の返事をするときの文例、喪中の方へ年賀状代わりに出すときの文例など、さまざまなシーンを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
寒中見舞いの構成の流れ
寒中見舞いも一般的な手紙マナーに則り、「時候の挨拶」から始め、近況報告、相手の健康を喜ぶ言葉や気遣う言葉を書いた後に本文、最後に日にちを書きます。
寒中見舞いでは、時候の挨拶部分が「寒中お見舞い申し上げます」や「寒中お伺い申し上げます」という決まり文句になります。
寒中見舞いの文例をシーン別に紹介
寒中見舞いの文章構成は共通していますが、個々の要素は状況によって適切な内容に書き換えて使用します。ここでは、寒中見舞いを出す状況別に文例を紹介します。
寒中見舞いをもらった相手を不快にすることのない、季節の挨拶状としての寒中見舞いを書けるように、必要になる文例を覚えておきましょう。
紹介する文例はビジネス文書を基本としています。相手が友人や親戚の場合は、カジュアルな文章に変換して使いましょう。
基本的な寒中見舞いの文例
寒中見舞いとして一般的に使える文例を紹介します。
【文例(1)】
寒中お見舞い申し上げます
立春とは名ばかりの寒い日が続きますが 皆さまいかがお過ごしでしょうか
私たち家族は風邪をひくこともなく 元気に過ごしております
暖冬とはいえ まだ冷え込みが厳しい今日このごろ
流感なども流行っておりますが お体を大切にお過ごしください
令和○年○月
【文例(2)】
寒中お見舞い申し上げます
朝晩の冷え込みは辛いものがあり 今年の寒さは格別と存じますが 皆さまお変わりございませんでしょうか
おかげさまで私ども家族は元気でやっております
春までにはもうしばらく間がありますが どうか風邪などお召しになりませんようお祈り申し上げます
令和○年○月
基本文例の一部をアレンジすれば、さまざまな状況にあった寒中見舞いを書けるでしょう。
親しい友人へ送る堅苦しくない寒中見舞いの文例
親しい友人へ送るのであれば、堅苦しくないカジュアルな文章でも問題ありません。
また、近況報告や記述年月については、基本文例に倣って記載しましょう。
【文例(1)】
寒中お見舞い申し上げます
寒さが続いていますがお元気ですか
もう少し暖かくなったら 今年もお花見したいですね
春まで風邪などひかぬようお互い体に気をつけましょう
【文例(2)】
寒中お見舞い申し上げます
お正月はご実家でのんびり過ごせましたか
まだまだ厳しい寒さが続きますので 暖かくして過ごしてくださいね
またランチでも行きましょう
喪中の方へ年賀状代わりに出す寒中見舞いの文例
相手が喪中であるため、年賀状代わりに寒中見舞いで新年の挨拶をします。
【文例(1)】
寒中謹んでお見舞い申し上げます
御尊父〇〇様のご逝去の報に接し 謹んでお悔やみ申し上げます
年頭のご祝詞は控えさせていただきましたが いかがお過ごしでしょうか
ご家族の皆様はお力を落としのことと存じますが
お心を強くお持ちになってお過ごしください
【文例(2)】
寒中謹んでお見舞い申し上げます
寒さはこれからが本番ですが 皆様お変わりございませんか
ご服喪中と伺い年始のごあいさつは差し控えさせていただきました
今しばらく厳しい寒さが続くかと思いますので くれぐれもご自愛ください
本年もよろしくお願い申し上げます
お悔やみの気持ちとあわせて、年賀状の代わりですので「今年もよろしくお願いします」のひと言も添えましょう。
喪中の方へ年賀状を出してしまった場合の寒中見舞いの文例
相手が喪中と知らずに年賀状を出した場合は、寒中見舞いで失礼をお詫びします。
【文例】
寒中お見舞い申し上げます
このたびはご服喪中と存じ上げず 新年のご挨拶を申し上げ 誠に失礼致しました
御尊父〇〇様のご逝去を心よりお悔やみ申し上げます
知らずに年賀状を出してしまったことを詫びるとともに、お悔やみ文や相手を気遣うひと言を添えます。
自分が喪中のときの寒中見舞いの文例
相手から年賀状を受け取ったものの、自分が喪中であるときは、寒中見舞いで返信します。
【文例】
寒中お見舞い申し上げます
寒さ厳しき折 ますますご健勝のこととお喜び申し上げます
私方 昨年○月○日に父〇〇が他界しましたため 年頭のごあいさつを控えさせていただきました
基本の文例同様、相手の健康を気遣う文章を記載した後、自分の近況として喪中であった旨の報告文を記述します。
喪中のときに相手から年賀状を受け取ったときの寒中見舞いの文例
喪中であるにもかかわらず年賀状を受け取ったときは、年賀状のお礼を述べたあと、喪中である旨を記載しましょう。
【文例】
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をいただき 誠にありがとうございました
昨年〇月に父〇〇が永眠し 年頭のご挨拶を控えさせていただきました
昨年中にお知らせすべきところ 年を越してしまい 失礼いたしました
喪中報告の後は、基本の文例に倣い、簡単な挨拶と年月を書いて完結させます。
年賀状の返事をするときの寒中見舞いの文例
年賀状をいただいたものの、年賀状ではなく寒中見舞いとして返礼する際の文例を紹介します。
【文例(1)】
寒中お見舞い申し上げます
新年のごあいさつをいただきながら ごあいさつもせず失礼申し上げました
【文例(2)】
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年始のごあいさつをいただき誠にありがとうございました
基本文例の時候の挨拶を書くところで、相手からの年賀状を受け取ったことについてお礼を述べ、こちらから年賀状を出していないことのお詫びを記述します。
故人宛に年賀状が届いたときの寒中見舞いの文例
亡くなったことを連絡していない方から故人宛に年賀状が届いてしまった場合は、寒中見舞いを使って年賀状へのお礼と亡くなったことを伝えます。
【文例】
寒中お見舞い申し上げます
年頭のごあいさつをいただき ありがとうございました
父〇〇は昨年〇月に他界いたしました
旧年中にお知らせすべきところ 年を越してしまいました非礼をご容赦ください
故人が生前に賜りましたご厚情に深謝申し上げます
年賀状を出さなかったときの寒中見舞いの文例
年賀状を出さないという方も増えていますが、年賀状を受け取った場合は、寒中見舞いを返信しておきましょう。
基本の文例に年始の挨拶が遅れたことをお詫びする文章を記載します。
【文例(1)】
寒中お見舞い申し上げます
新年のご挨拶が遅れてしまい 失礼申し上げました
【文例(2)】
寒中お見舞い申し上げます
年賀状をいただきながらも ごあいさつが遅れ 失礼申し上げました
皆様お変わりないご様子 心からお喜び申し上げます
年賀状を出していないことのお詫びと、年賀状の内容を受けて相手の様子に配慮する内容にまとめます。
松の内を過ぎたときの文例
年賀状に対しては年賀状で返信するのが一般的ですが、年賀状を受け取ったタイミングによっては返信が松の内を過ぎてしまう場合があります。年賀状に間に合わなかったことのお詫びを伝えましょう。
【文例】
寒中お見舞い申し上げます
心のこもった年賀状をいただき ありがとうございました
年頭のごあいさつが遅くなり 申し訳ございません
おかげさまでこの寒い中でも元気に過ごせております
今年もよろしくお願い申し上げます
その他の文例
高齢の親や近親者を代筆して、寒中見舞いを書くこともあるでしょう。代筆であることを相手に明かすか否かによって文面が異なりますが、代筆を明かさない場合は、一般的な文例と同じで構いません。
【文例】
寒中お見舞い申し上げます
お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます
父○○が高齢となり娘の〇〇が代わりにご挨拶をさせていただきました
今後の年賀状をお断りする意向の場合は、その旨も申し加えましょう。
寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出すときの注意点
前年末までに喪中はがきを出さず、寒中見舞いで喪中の連絡をするときは、通常の寒中見舞いを出すときよりも心配りが必要です。旧年中に出すべき喪中はがきを出せなかった理由も一筆しましょう。年賀状を受け取っている場合は、忘れずに年賀状に対するお礼も述べましょう。
寒中見舞いを出すときの切手の貼り方
年賀状とは異なり、寒中見舞いには専用の切手がありません。したがって、決まったルールはなく一般の63円切手もしくは記念切手を貼って出すのが一般的です。
郵便局にはさまざまな記念切手が発売されていますので、季節に合った絵柄の記念切手を選ぶとよいでしょう。ただし「62円」と「1円」切手を貼るのは、見栄えがよくないので避けるのが無難です。
官製はがきで出す場合は、切手部分の印刷が「胡蝶蘭」のものを選ぶのが良いとされています。切手を貼る場合は、弔辞用の切手は避けてください。
寒中見舞いの時期
あらためて、寒中見舞いの基本情報やマナーをおさらいしておきましょう。
寒中見舞いを出す期間は、1月7日の「松の内」が明けてから2月初旬の「立春」までとされています。松の内とは、歳神様をお迎えする注連飾りや門松を飾りつける期間のことを指します。地域によって期間は異なり関東では1月7日、関西では1月15日が一般的です。
日本では、季節の挨拶状は暦に合わせて適切な期間が決まっています。年賀状は松の内までに出すものとされているので、年賀状の返礼が遅れて松の内を過ぎてしまった場合は、年賀状としてではなく寒中見舞いを出します。
2024年の寒中見舞いはいつまでに出す?
2024年の立春は2月4日であるため、2024年に寒中見舞いを送る場合には1月8日(関東の場合)~2月4日までの期間が該当します。
近年は年賀状の代わりに寒中見舞いを送るケースも増えていますが、そのような際はこの松の内を過ぎてから出すのが一般的とされています。年明け早々に寒中見舞いを送る方は、投函するタイミングに留意しましょう。
立春以降は「余寒見舞い」となる
寒中は立春までの時期を指しますが、この時期を過ぎると「余寒」になります。大寒の最終日は「節分」で、翌日が立春です。節分を過ぎても寒さは続きますが、暦の上では「春」になります。
そこで、寒さが続く期間を「余寒」と呼び、この時期に差し出される手紙を「余寒見舞い」とするのが一般的です。なお、「余寒」を使うのは2月末までとなります。
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余寒見舞いとは
余寒見舞い(よかんみまい)とは、寒中見舞いの時期を過ぎてしまってから出す季節の挨拶状です。暑中見舞いに対する残暑見舞いと同じ位置づけで、2022年には寒中見舞いが立春の2月4日で終わるため、2月4日以降は余寒見舞いとして出します。
余寒見舞いを出せる期間の終わりは暦として明確ではありませんが、暖かくなってきたら「余寒」ではないので、2月末か3月初旬あたりまでとされています。
寒中見舞いを出す意味
寒中見舞いは、松の内までに差し出せなかった年賀状の代わりに使われています。元来、寒中見舞いは暑中見舞いと同様に、季節の挨拶状として、互いの近況を知らせるものでした。
最近ではメールで簡単に近況を報告しあうことができます。しかし、手紙ならではの温かみを味わえるのは、寒中見舞いならではのメリットです。年賀状をいただいた相手には寒中見舞いで近況を報告しましょう。
寒中見舞いの文例を知り適切に書こう
年齢を重ねるほどに、年賀状だけでなく寒中見舞いが必要になることも増えます。ルールや文例を知り、社会人として恥ずかしくない寒中見舞いを書けるようにしておきましょう。
会社の中でも、メールを使った簡単な寒中見舞いの挨拶からビジネスの話題に移ることも多いので、お客様向け、上司向け、友達向けと相手によっても書き分けられるようにしておきましょう。