できるならば常に余裕を持って働きたいと多くの人が思っているでしょう。忙しく、作業を急いで終わらせようとしているときほど、いつもなら間違えないようなミスをしてしまうものですよね。

組織の中では「いつも忙しそうな人」とかなり仕事量は多いハズなのに「余裕がある(ように見える)人」がいます。両者にはいったい、どのような違いがあるのでしょうか?

この記事では、「忙しい」の意味や類語、英語表現を紹介します。また「忙しい人」の特徴や忙しいときの対処法についてもまとめました。

  • 常に忙しい人と余裕がある人の違いは「行動」と「思考」にあり……?

    常に忙しい人と余裕がある人の違いは「行動」と「思考」にあり……?

忙しい(いそがしい)とは?

明鏡国語辞典では、「忙しい(いそがしい)」の意味について下記のように記されています。

  • 用事が多くて他のことにかまっていられない。多忙だ。
  • 落ち着きがなくせかせかと動き回るさま。せわしい。せわしない。

「忙しい」は、日常会話でもよく使われるので、馴染みの深い言葉でしょう。

「忙しい」の類語

「忙しい」の類語は、以下のとおりです。どれも用事が多くバタバタとしている様子を表現する際に使用できます。

  • せわしい
  • 慌ただしい(あわただしい)
  • 繁忙/煩忙(はんぼう)
  • 多忙(たぼう)

「忙しい」の英語表現

「忙しい」の英語表現は「busy」です。「I’m busy.(私は忙しいです)」という言い回しを、学生時代に英語の授業で聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

そのほか、ビジネスシーンなどよりフォーマルな場面で自分が忙しいことを伝えたい場合は、「I’m too busy doing ~. (~で忙しく空いていません)」や「I don’t have time now. (今は時間がありません)」などと表現できます。

忙しい人と余裕がある人の違い

常に忙しそうにしている人の中には、「忙しいことは仕方のないこと」と思い込んでしまっているケースもあります。もしくは、「忙しさは自分には改善すべきことはない」と思い込んでいるかもしれません。

しかし、「忙しさ」は行動と思考の工夫で改善できる可能性があるのです。ここでは、忙しいと感じる人と余裕がある人の違いを紹介します。あなたはどちらに当てはまりますか?

時間調整が上手/下手

常に余裕を持って働ける人は、どの仕事がどれだけ時間がかかるのかを正確に把握できます。そのため、スケジュール通りに行動をすることができ、バタバタとしてしまうことが少ないです。

一方で、忙しいと感じる人は仕事にかかる時間を正確に見積もることが苦手で、たとえスケジュールを立てても、一つひとつの仕事に想定以上の時間がかかってしまい、どんどん慌ただしくなってしまいます。

気配りが上手/下手

余裕がある人は気持ちにゆとりがあるため、周囲の状況を冷静に把握することができ、周囲に気を配るのが得意です。また、気配りができることで周囲からの信頼を得られ、ゆとりがなくなったときには周囲の方から協力をしてもらうことができます。

一方で、忙しい方は自分のことだけで手一杯となるので、周囲のことまで気にすることができません。

見極めが上手/下手

余裕がある人が時間通りに仕事をこなしていけるのは「やるべきこと」と「そうでないこと」を的確に見極めることができ、物事の優先順位を正しく判断できるから。

一方で、常に忙しいと感じる人は優先順位の低いことまで「やるべきこと」と判断してしまいがち。気が付くと「やるべきこと」が溜まってしまい、結果として忙しくなってしまいます。

集中力が高い/低い

余裕がある人は優先順位を正しく判断し「やるべきこと」に集中できます。

一方で、忙しいと感じる人は1つのことに集中できず、あれもこれもといろいろなことに手を出してしまいます。また、忙しいと感じながらも「自分は仕事のデキる方」と思い込んでしまっている場合には、次々と新しい予定を組み込んでしまい、さらに集中できなくなっていきます。

振り返りをする/しない

余裕がある人でも、失敗をすることはあります。ただし、失敗しても「なぜ失敗したのか」「どうすれば失敗せずにすんだのか」「次からはどのように行動すべきか」といった振り返りを行うことで、再度同じ失敗をしないように自分を成長させています。

一方で、忙しいと感じる人はとにかく急いで手元の仕事を済ませようとします。そのため、失敗したことや日々の仕事の内容など、過去のことを振り返ることがなく、その場しのぎの対応が多くなるため、なかなか成長することができません。

休憩をとる/とらない

余裕がある人は優先順位の判断が正確にできるため、休憩すべきときにはしっかりと休憩を取ります。必要な休憩を取ることで心身をリフレッシュさせ、仕事の効率を維持することができます。

しかし、忙しいと感じる人は常に作業に追われているため、休憩の時間を惜しんで仕事を続けてしまいがちです。そのため、常に脳が緊張状態にあり、なかなか疲労を回復させることができません。忙しい時間が長くなるにつれて、どんどん仕事が非効率になっていきます。

周囲への信頼がある/ない

余裕がある方は自分の能力を正確に把握しています。そのため、自分ではできないことや、困ったことなどがあれば、無理に1人で解決しようとせずに助けをすぐに求めます。

しかし、忙しいと感じる方は、与えられた仕事をすべて1人で行おうとしてしまう傾向にあります。そのため、助けを求めればすぐに解決することであっても、自分だけで解決しようとして時間をかけすぎてしまいます。

  • パソコン作業をしている風景

    あなたは「忙しい人」ですか? 「余裕がある人」ですか?

忙しいと感じるときの対処法

次に、忙しいと感じる状況を改善するための対処法を紹介します。

身の回りを整理整頓する

忙しいと整理整頓の時間を確保できず、デスクの上が散らかってしまいがち。人は散らかっている物が視界に入ると、集中力が低下したり、ストレスを感じたりしてしまいます。また、デスクが散らかっていることで、必要な物がすぐに取り出せなくなって作業効率を落としてしまう原因にもなります。

そのため、これらの影響を受けないためにも、忙しくてもデスクは整理整頓をして綺麗にしておきましょう。

まずは落ち着く

忙しくなってくると、次は何をしなくてはいけないのか、どの仕事がどこまで進んでいるのか、今は何をしているのか……など、頭の中でさまざまな思考が堂々巡りしてしまいます。

思考することが増え、パニックになるとミスを起こしてしまうので、頭が混乱してきたときには、深呼吸をして落ち着きましょう。焦っても取りかかれる仕事は1つずつなので、今は何をするべきなのかをしっかりと判断することが重要です。

周囲に助けを求める・相談する

あまりに忙しい場合には、周囲に助けを求めることも大事です。その際には、素直に状況を伝えて、助けてほしいと頼むようにしましょう。

周囲から「手伝おうか」と声をかけてもらうために忙しいアピールをしていても、なかなか思うようには気付いてもらえないもの。かえって「忙しいのは仕事の管理ができていないから」と悪い印象を与えてしまう可能性もあります。

人に頼るのが苦手だとしても、時には周囲に助けを求めたり、相談をしたりすることは重要です。一度頼ると、今度は“頼られる”側に回る可能性もあります。頼る・頼られるのループを繰り返すことで、周囲の意図と頼りやすく、頼られやすい関係を築けるようになるとよいでしょう。

しっかりと休憩をとる

忙しい状態が続き、緊張やストレスを溜めてしまうと作業効率が落ちます。集中力が落ちると、ミスも起こりやすくなります。仕事の効率を落とさないために、たとえ忙しくても勇気を出して休憩をとることをおすすめします。

紙に書き出す

「優先順位の判断が苦手」という人は、仕事を始めるとき、もしくは前日の夜などに「やるべきこと」を紙に書き出すようにしましょう。「やるべきこと」を書き出したら、次はそれに優先順位をつけていき、「やることリスト」を作ります。

このリストを細めに見つつ仕事をすることで、自分が1日にできる作業量や、1つの仕事にかかる手間や時間が把握できるようになります。

  • パソコン作業をしている人

    「忙しい」と感じたら、対処法を考えてみるのをおすすめします

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忙しいと感じる場合には、正しい対処をすることで、その状況を改善できることがあります。もし、忙しいと感じる状況をそのままにしておくと、ミスを起こす原因となってしまうため、なるべく早く対処をすべきでしょう。

反対に、周りに“いつもバタバタしていて忙しそうにしている人”がいたら「手伝えることはないか? 」と声をかけてあげると、感謝されるかもしれません。

常に「忙しい」と感じている人と、さまざまな業務を抱えつつも余裕を持っている人の違いを理解し、効率よく働きましょう。

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