――今回おふたりは、先輩・後輩の役柄ですが、実際に尊敬されている先輩、かわいがっている後輩を挙げるとすると、どなたかいらっしゃいますか?

木村:僕は作品に取り組んでいるときは無礼講だと思っていて、年齢の差はないと思って取り組んでいるので、あんまりそういうことは考えたことないのですが、声をかけられた言葉に燃えたのは市村正親さんです。舞台で息子役を演じさせてもらったんですけど、稽古にいらっしゃって初めて僕の芝居を見て、「20点」と言われたんですよ。僕も尖っていたので、「なにくそ!」という思いで20点から挽回するために、めちゃめちゃ精進したんです。それで千秋楽のときに「80点」と言ってくださって。そこで、「100点を取ったら終わるから、80点くらいがちょうどいいぞ。完璧なものほど面白くないから、そこに励んでいる姿がいいんだよ」っておっしゃってくださったのがずっと心の中に残っています。「先輩」というのはおこがましいですが、尊敬するのは市村さんですね。

武田:僕は後輩というわけではないんですが、Snow Manの岩本照くんですね。昔『理想の息子』(12年、日本テレビ)というドラマで僕はレギュラーキャストで出させてもらったんですけど、照くんは当時まだ1シーン出て帰ってという感じで、セリフもほとんどない役だったんですね。そのときに照くんが1人で待っているときに僕が話しかけたのを覚えてくれていて、何年か経って再度共演したときに「航平くんお久しぶりです。あの時はありがとうございました」と言ってくれたんですよ。そこから、連絡を取り合うようになって、今回の撮影のときには、照くんから「今キュンキュンものの映画やってます」って来たので、「僕も実はキュンキュンやってるんだよ」って返して、「お互いキュンキュンだね」「キュンキュンしながら頑張ろう」ってエールを送り合って撮影に臨んでいました(笑)。でも、木村くんもそうですけど、年齢や先輩後輩関係なくとても尊敬できるので、自分も刺激を受けていけたらなと思いますね。

■全世代の人が共感できる作品に

――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。では最後に、今回の作品の見どころをお願いします。

木村:たくさんあるんですよね。僕が関わってないところで言うと、何かに向かって全力で走ってる野末さんがカッコよすぎました(笑)。あとは外川の一節一節のセリフが本当に責任感のある言葉で、一歩間違えると僕が非難されてしまうようなものもあるので、大切に大切に言いました。野末さんに対して真っ直ぐ投げたようなセリフがたくさんあるところも魅力です。

武田:男女問わず、「こんな経験あったな」とか「こんな経験したいな」と思えて、全世代の人が共感できる作品になっています。友情であったり恋愛であったり家族愛というところに通じるような日常を描いてますので、一挙手一投足、一節一節を見逃がさずに見ていただけたらうれしいです。そうやって何度も見て楽しめるところがポイントかなと思います。

●武田航平
1986年生まれ、東京都出身。01年に第14回JUNONスーパーボーイコンテスト審査員特別賞を受賞。08年『仮面ライダーキバ』に主人公の1人、紅音也/仮面ライダーイクサ・仮面ライダーダークキバ役で出演。その後、『精霊の守り人 最終章』『軍師官兵衛』(NHK)、『ここが噂のエル・パラシオ』(テレビ東京)、『戦国BASARA -MOONLIGHT PARTY-』(MBS)などのドラマ、『クローズZERO』『ROOKIES -卒業-』『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズといった映画などに出演する。

●木村達成
1993年生まれ、東京都出身。12年に『テニスの王子様 2ndシーズン』でデビュー。『ラ・カージュ・オ・フォール』でグランドミュージカル初出演。近年は『エリザベート』『銀河鉄道の夜2020』『プロデューサーズ』『ジャック・ザ・リッパー』『SLAPSTICKS』『四月は君の嘘』など舞台を中心に活躍。『卒業タイムリミット』(NHK)などのドラマ、『お茶をつぐ』といった映画などにも出演する。