一人の少年が野原で遊んでいます。ふと少年の視野のスミに入った何か気になるもの。それは溝の中に捨て置かれたアダルト向け漫画雑誌。煽情的な表紙に魅入るものの、ボロボロのドロドロで読むことはできない…。見てみたい、でも見れない。読みたい、でも読めない。この無念を晴らすべく、かつての少年が起ち上がった。驚くべき修復技術を携えて!
図書館の資料修復技術を駆使し、カピカピになったポイ捨てエロ本を蘇らせ、少年時代の雪辱を晴らした男の10日間の物語。
かつての少年、シュゴウさんがまず実行したのは、ポイ捨てエロ本さがし。しかし、いくら草むらを探索してもかつてのエロ本は見つかりません。シュゴウさんが選択したのは、自ら徹底的にボロボロドロドロのエロ本を仕込み、その後に修復させるという苦難の道でした。この倒錯した執念には12万件を超える「いいね」が集まり、台湾のフォロワは中国語に翻訳した記事をFacebookで共有してくれたとのこと。男たちの道端エロ本への想いは国境を超えたようです。フォロワのみなさんの共感と感動のリプライをいくつかご紹介しましょう。
「ポイ捨てエロ本の再現度の高さに感動しました!」「僕も古書修復や手製本をやってましたが、こんなブ厚い本は未経験なので驚愕&感服しました」「普通に感動すら覚えました。技術と気合いがあればここまで直せるんですね」「こーゆう技術の無駄使い大好き」などなど。投稿者であるシュゴウさんにエロ本修復への想いをお聞きしました。
■投稿者さんに聞く
……少年時代、読めないほどに汚れたエロ本を前にどんな想いでしたか?
悔しさと情けなさで胸が一杯になりました。今回の修復であのときのリベンジが出来たので良かったです。
……エロ本再生に思い至ったきっかけは?
東京都立図書館が陸前高田市立図書館からの依頼を受け、震災で被災した郷土資料の修復を行ったというニュースをテレビで見たときに、「ポイ捨てエロ本の修復という切り口で企画にしたら面白そうだな」と思いました。
……この再生技術はどうやって習得したのでしょうか。
国立国会図書館や国立公文書館などが研修資料や修復マニュアルをネットで公開していたので、それらの資料を読み込み知識を身につけました。東京都立図書館が公開している東日本大震災の被災資料の修復レポートも参考になりました。
……実際に再生したエロ本を前に思うことは?
これは死ぬまで捨てられないなと、それぐらい思い入れのある一冊になりました。
▼図書館の資料修復技術を駆使し、カピカピになったポイ捨てエロ本を蘇らせ、少年時代の雪辱を晴らした男の10日間の物語。
図書館の資料修復技術を駆使し、カピカピになったポイ捨てエロ本を蘇らせ、少年時代の雪辱を晴らした男の10日間の物語。https://t.co/n0SsEYlKPh pic.twitter.com/pH1SfIPcbt
— シュゴウ (@shugou17) May 27, 2022