ミュージカル『スワンキング』の公開ゲネプロが東京国際フォーラム ホールCにて行われ、橋本良亮、別所哲也、梅田彩佳、夢咲ねねが取材に応じた。
同作は劇作家・G2による新作オリジナルミュージカルで、若さと美貌を持ち合わせ“狂王”と呼ばれたバイエルン王国の国王・ルートヴィヒ二世(橋本)と、借金と女性関係に生涯苦しんだ作曲家・リヒャルト・ワーグナー(別所哲也)という“天才”の愛憎関係を描く。ほか渡辺大輔、今江大地、牧田哲也らが出演する。
ミュージカル初主演の橋本は「いつも緊張でいっぱいなんだけど、今回に関しては早くやりたいと言う気持ちというか、わくわくがすごい」と気合い十分。歌う場面も多く「水を飲むタイミングもなくて、何曲か、口カラッカラな状態で歌ってます」と苦笑しつつ、「レッスンはかなりやらせてもらいました。こういう発声の仕方とかあるんだとか、今までなんでやってこなかったんだろうと後悔してました。アイドルでライブで歌ってる感覚と、ミュージカルの舞台上で歌ってる感覚ってこんなにも違うのかと実感して。でもそれが楽しくなり、もっとやってやるぞとなりました」と振り返る。
作中ではワーグナーと愛憎をぶつけ合うが、実際には別所について「大好きですよ。癒やしてくれるんです。別所さんの周りは笑いが絶えないんですよね」と仲のいい様子。さらに美貌の王役ということで「毎年減量してるんですけど、今回はポスター撮影の時から12〜3kgですね」と発言し、周囲のキャストも「ええっ!?」「ほんと!?」と驚く。橋本は「(ルートヴィヒ二世を)検索するとこういう感じじゃないですか。だから近づけられたかなと思います。今は56〜8kg」と明かし、「体調は大丈夫です。自分のペースで、前回の舞台が始まった頃からやってたので、2カ月くらいはありましたね」と説明した。別所は「稽古場ではスウェットとかだから、衣装をつけた時にこんなにスリムでタイト、可憐になってるんだって」と驚いたようで、橋本は「それほど作品に力を届けたいというか、頑張りました 」と胸を張った。
役作りについて聞かれると、橋本は「僕、橋本は王様になったことがないので、そこですかね。王様ってどういう気持ちなのか王様になってみないとわからないし、本を読んでも、王様はお金持ちでなんでも買えて、有言実行できる方じゃないですか。でもそれで浪費しすぎてダメになって、ワーグナーが離れていくじゃないですか。僕たちはそういうことはできないけど、これだけ一緒だなと思ったのが、お金はあってもワーグナーの情は買えない、それを買えたらどんなに楽だったかというのもあるし、情を買えないのは僕たちでもわかるじゃないですか。そこがなんか面白いなと思いまして、王様でも僕たちと同じレベルまで来てくれるんだ、と」と語る。
実際にお金があったら? という質問には、別所が「プライベートジェットですかね。プライベートクルーザーとか、最新のドローン、宇宙旅行もいいかもしれない」と夢を膨らませる一方で、橋本が「今が本当に幸せなので、欲しいものはないです。とりあえずこの舞台を成功させる、最後まで突っ走るというのが、僕の欲しいものです」と回答。別所は「素敵だよ、さすが殿! 王子!」と跪き、橋本は苦笑しながらもその手を取って立たせていた。
今回はオリジナルミュージカルの初演でもあるため、橋本は「再演はもう考えてます、僕の中で!」と自信たっぷりで「絶対にやります。定着させます。日本の代表作は『スワンキング』だという感じにはしていきたいと思います。もっともっとレベルアップさせたいな、頑張ります」と意気込む。夢咲からは「こんなに白い衣装に合うことあります?」、別所からは「本物の白鳥が驚くほどの白鳥王」と称えられ、橋本は「神社が好きで、神社にお参りしてから初日を迎えるのが行事なんですけど、今回は神社じゃなくて、皇居の周りの池の、湖の白鳥いるじゃないですか。白鳥に挨拶してきました」と語り、梅田も「素敵!」と反応する。橋本は改めて「それくらい気合も入ってるし、コロナ禍でやらせてもらうのは本当に嬉しいことだし、いろんなスタッフさんキャストさんがいっぱい頑張って作り上げている作品です。『スワンキング』という城は1人が欠けたら絶対に崩れてしまうので、安全に最後までみんなで突っ走っていけたらなと思います」とメッセージを送った。
東京公演は東京国際フォーラム ホールCにて6月8日〜17日、大阪公演はオリックス劇場にて7月1日〜3日、愛知公演は刈谷市総合文化センター 大ホールにて7月9日〜10日、福岡公演はキャナルシティ劇場にて7月17日〜18日。