「金字塔」はビジネスシーンだけではなく、日常会話でも耳にする機会がある言葉ですが、正しい意味や使い方をよく知らないという人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、金字塔の意味や語源、使い方を詳しく解説していきます。類語や英語表現も紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
金字塔とは
金字塔は「きんじとう」と読みます。ここではその意味を解説します。
金字塔の意味
金字塔は「後世に残り続ける業績」や「歴史的に優れた記録」という意味の言葉です。
金字塔の語源
金字塔は、ピラミッドの形が「金」という漢字に似ていたことが語源とされています。もともとは「ピラミッド」そのものを指す言葉でしたが、歴史的な建造物であるピラミッドから派生して「後世に残り続ける業績」や「歴史的に優れた記録」という意味にも用いられるようになりました。なおピラミッドというの意味での「金字塔」は、中国でも同じ字で表現されているそうです。
金字塔の使い方と例文
金字塔は、ビジネスシーンやニュースなどでも使われることが多い言葉です。例文を見てみましょう。
- 彼は野球界の金字塔となる成績を残した
- 彼女の作品は、ミステリー映画における金字塔の一つとして有名だ
- 彼は日本近代建築界の金字塔的存在である
「金字塔を打ち立てる」
「金字塔を打ち立てる」という表現もよく用いられます。「打ち立てる」は「確立する」などの意味があるため、「金字塔」と合わせて使うと「後世に残るような偉業を実現する」といった意味になります。
なお、金字塔、すなわちピラミッドは建造物なので「打ち建てる」がふさわしいようにも思えますが、「打ち立てる」という表記が慣用として広まっています。
- 新社長は、年度内に金字塔を打ち立てると誓った
- 彼女は医学界に金字塔を打ち立てた
金字塔の類語
ここからは、金字塔の類語を紹介します。それぞれの例文も紹介しますので、あわせて確認しておきましょう。
偉業
「偉業(いぎょう)」は、「優れた仕事」や「立派な事業」という意味の言葉です。「多くの人には成し遂げることの難しい、偉大な結果」に対して使われるというニュアンスがあります。
- 医学界に革命をもたらす、前人未到の偉業を成し遂げた
- この偉業を成し遂げるために、想像もつかないような努力をしたことだろう
功績
「功績(こうせき)」は、「社会や組織、団体などに貢献した、優れた働きや成果」という意味の言葉です。意味合いは金字塔と似ていますが、「功績」は「社会的に認められている、利益を生む」というニュアンスが強くなります。
- 彼の外交手腕による功績が認められた
- プロジェクトの成功は新メンバーの功績によるものだろう
遺産
「遺産(いさん)」には「死後に残した財産」「前代が残した業績」という意味の言葉です。金字塔の「後世に残り続ける業績」と意味が似ているので類語となります。
ただし、「残された財そのもの」を指すため、「業績が優れている」という意味合いはありません。なお、遺産は「世界遺産」や「文化遺産」などのような使われ方をすることもあります。
- 祖父の多大な遺産がトラブルの元になった
- 白神山地は世界遺産としても知られています
金字塔の英語表現
「不滅の業績」という意味で「金字塔」を使う場合の英語表現は「monumental achievement」「monumental work」です。「accomplish」や「establish」と組み合わせて「金字塔を打ち立てる」という形で用いることができます。
- She accomplished a monumental achievement in the music industry.
(彼女は音楽業界に金字塔を打ち立てた)
- He is going to establish a monumental achievement in this game.
(彼はこの試合で金字塔を打ち立てようとしている)
「a monument of ○○」の形で「〇〇の金字塔」のように表現することも可能です。
- This is a monument of learning.
(これは学問界の金字塔だ)
なお、「ピラミッド」という意味で「金字塔」を使う際の英語表現は「pyramid」になります。
- I saw a real pyramid in Egypt.
(エジプトで本物のピラミッドを見た)
金字塔の意味をマスターして使いこなしましょう
金字塔には「後世に残り続ける不滅の業績」と「ピラミッド」という意味があります。今では「ピラミッド」の意味で使われるケースはほとんどありませんが、知識として覚えておくといいでしょう。
特にビジネスシーンやニュースなどで、「後世に残り続ける不滅の業績」の意味で「金字塔」が使われることは少なくありません。意味だけではなく類語や例文などもチェックして、ぜひ使いこなせるようにしておきましょう。