ネット上でよく使用される「バルス」という言葉。時折Twitterなどで集中的につぶやかれることから「何だろう?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、「バルス」の意味と語源、「バルス祭り」とは何かや、例文を交えて使い方・バルスと言われたらどうするかなどを解説します。自分の感情や状況を伝えられるネットスラングでもある「バルス」の意味を知れば、より投稿の意味が理解できるでしょう。

  • バルスとは

    「バルス」の意味や「バルス祭り」とは何かを知りましょう

バルスとは? 意味や由来を解説

早速「バルス」とは何なのかを見ていきましょう。

スタジオジブリ『天空の城ラピュタ』内のシータとパズーのセリフで、滅びの呪文の意味

「バルス」とは、宮崎駿が監督を務める、スタジオジブリ制作のアニメ映画『天空の城ラピュタ』の作中で唱えられる呪文のこと。

主人公、シータとパズーが飛行石を手に持ち、空に浮かんでいるラピュタ内で「バルス」と唱えることで、ラピュタ城が崩壊に向かいます。

作中で「バルス」はラピュタ語で「閉じよ」という意味とされていますが、実際にSNS上でスラング的に使用される際は「滅びの呪文」という意味として用いられます。

由来・語源はトルコ語? 隠された意味がある?

公式に言及はされていないためファンの間での臆測となっていますが、一説では「バルス」の語源はトルコ語にあるのではないか、とささやかれています。

トルコ語で「Baris」は「平和」という意味です。世界に平和をもたらすためにラピュタが崩壊したという点から、「平和」が「バルス」に隠された意味だったのではないかともいわれています。

企業名など、ラピュタ以外のバルスもある

もっともよく使用される「バルス」は『天空の城ラピュタ』のバルスの意味ですが、この意味以外にも「バルス」という言葉が登場することがあります。

例えば、人気ライトノベル『Re:ゼロから始める異世界生活』(通称 : リゼロ)の主人公、ナツキ・スバルも登場人物の1人から「バルス」と呼ばれています。

また、マーケティング用語の「Value And Lifestyle」も略して「バルス(VALS)」です。こちらは、アメリカのスタンフォード研究所による消費者の類型分析のことで、消費者をライフスタイルから大きく4つ、細かくは9つに分類し、消費者の行動を予測するライフスタイル分析のことを指します。

南米風のワルツのことも「バルス(vals)」と言いますし、バルスという名前の企業も複数存在します。

よって、SNSなどで相手が「バルス」と書き込んでいても「ラピュタだな」「滅びの呪文のことだな」と早合点せず、どの意味でバルスという言葉を使っているのかを考えてから、返信するようにしましょう。

  • バルスの意味

    『天空の城ラピュタ』におけるバルスは「崩壊の呪文」です

バルスの使い方

バルス祭り以外において、SNS上で「バルス」と使われる場合は「壊れればいいのに」あるいは「壊れてダメになってしまった」という「滅びの呪文」としての意味がメインです。

あるいは、「バルス」と唱えた結果、登場人物である敵のムスカ大佐が目つぶしをされたことから、「目つぶしをする・される」を意味する使い方もされています。

どちらにしても、「なくなってしまえばいいのにな」「目がチカチカする」といった軽い冗談として使う表現・フレーズのため、SNS上でのバルスについて深刻に受け止める必要はありません。

真面目な話をする際には向かないネット上のネタ的な言葉なので、冗談の通じる親しい仲間内でのみ使うようにしましょう。

バルスの例文

  • あした月曜かー。職場にいきたくないな。バルス!
  • 私が印刷しようとしたときだけ、会社のコピー機の調子が悪くなる! バルス!
  • 後で脂肪をバルスするから、今日は焼き肉思いっきり食べていいんだ
  • 春になったせいか、花粉がバルスしてくる
  • 夜道でハイビームの車にバルス食らった。目が、目がぁぁ!

バルスと言われたら何と返答すればいい?

『天空の城ラピュタ』の作中では、シータとパズーが「バルス」と唱えた後、飛行石が強い光を放ちます。

その激しい光に対しムスカ大佐は「目が、目がぁぁ!」と叫びます。

もし友人などから「バルス!」と言われたら、こちらも同じノリで「目が、目がぁぁ!」と答えてあげるときっと喜ぶでしょう。

  • バルスの使い方

    SNS上では「壊れてほしい」「壊れた」などの意味で「バルス」と投稿されています

バルス祭りとは、放送シーンに合わせてTwitterなどが盛り上がること

金曜ロードショーなど、地上波で『天空の城ラピュタ』が放映される際、テレビを見ながら、そのシーンと同時に一斉にTwitterや掲示板上に「バルス」と投稿することを「バルス祭り」と呼びます。

「バルス」の投稿時間は本編開始から1時間55分5秒後が目安。企業アカウントまで参戦することもあるネット上のお祭りです。

Twitterでは、2009年頃から放送に合わせた「バルス」ツイートが見られるようになりました。Twitterでは秒間ツイート数を「TPS」という数値で表示しており、2011年12月の放送時には25,088TPS、2013年8月2日の放送時には143,199TPSを記録し、それぞれ当時の新記録を達成していました。

その後はTwitterが公式にTPSを発表しなくなりましたが、NTTデータによると2016年の放送時間中に「バルス」とツイートされた数は1,885,599個となっています。

しかし全体的な盛り上がりとしては下火となっているようで、最高秒間ツイート数や放送時間内ツイート数の合計は2013年のときよりも下がりました。

  • 「バルス祭り」とは

    「バルス祭り」とは、『天空の城ラピュタ』の放映に合わせて「バルス」と投稿することです

宮崎駿監督のアニメ映画『天空の城ラピュタ』を見てバルスの理解を深めよう

今やネットスラングとなった「バルス」ですが、語源は『天空の城ラピュタ』というアニメ映画の呪文。『天空の城ラピュタ』は、それほどまでに多くの人に人気があり、そして呪文まで唱えたくなるほどの国民的映画なのです。

SNSで「バルス」と検索して考えるよりも、元ネタとなった作品を見たほうが「バルス」の意味や用法はしっくりと来るでしょう。『天空の城ラピュタ』には「バルス」以外にもネットミーム化した名言がありますし、もっとよく知りたい、自分も「バルス祭り」に参加したい、と思ったら、まずは元となった映画を見てみることをおすすめします。

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