お笑い芸人のヒコロヒーがドラマ初脚本を手掛けた作品『お前によろしく』(全5話)が、現在テレビ朝日公式YouTubeチャンネル『動画、はじめてみました』とTELASA(テラサ)で配信されている。このたび、ヒコロヒーが制作の経緯を語った。

  • 左から大西礼芳、佐津川愛美、ヒコロヒー、松村沙友理、宮下かな子=テレビ朝日提供

同作は、女優として成功を収めつつもホステスとしてクラブに籍を置き続けている香台まりこ(佐津川愛美)が、突然不審な死を遂げたことから、仲良しだったはずのホステス4人の奥底に潜む嫉妬や狂気が浮かび上がる本格派ノンストップ・サスペンス。穏やかで常識的だが実は気性が荒いホステス・松中エミ(宮下かな子)、何かとマウントを取りがちなホステス・高村志帆(松村沙友理)、元ヤンの美人ホステス・菅井優香(大西礼芳)は、楽しい毒舌トークで盛り上がっていたばかりのまりこの死に動揺を隠せない。

また、TELASAでは物語をさらに深掘りできるオリジナルエピソードを配信。第1~4話は、主要キャラクターであるホステス4人が現在のクラブに入店するきっかけとなった「クラブ南風入店面接」、第5話は、事件の数年前に繰り広げられたまりこ、エミ、志帆、優香のやりとりを描写する「あの日の4人編」となっている。入店面接では、ヒコロヒーの発案で4人が1人芝居に挑戦した。

■ヒコロヒー コメント

――ドラマの脚本を初めて書くことになった経緯から教えてください。

今回のプロデューサーでもある金井(大介)さんが担当しているテレビ朝日の番組『まんが未知』に出させていただいた時に、漫画の原作を作らせていただきました。その放送を見たテレビ朝日の方々が「脚本を書いてみますか?」と言ってくださったので、せっかくの機会ですし、やってみようと思って挑戦させていただきました。

――もともとサスペンスがお好きだったりしたんですか?

取り立てて好きということではなかったです。でも、今回は尺も短いので、その中でやれることをいろいろ考えていたら、結果的にこういう形になって……。最初からサスペンスを作ろうと思って書いてはいなかったです。

――ドラマの舞台をクラブにしたのは、ご自身のスナック経験が影響してるんですか?

そうですね。スナック時代、よく待機中とかにホステスのお姉さんたちと一緒に、客の悪口を言ってるのが楽しかったので、そういうのも思い出しながら書いてました。「自分の原体験をそのまま出そう」というよりは、書いてるうちに「そういえば、あんなんも楽しかったな」と思い出されてくるような感じでしたね。

――TELASA版オリジナルエピソードの楽しみどころを教えてください。

私はピン芸人で、一人モノの脚本を書くのはわりと慣れているつもりなので、第1~4話に付くオリジナル・エピソードは全部“一人芝居”にしました。一人芝居を通してそれぞれの女優さんが持っているものが見えると思うので楽しんでもらえたらと思います。

第5話の最後に付くオリジナルエピソードは、見ていただけると「あ、もしかして、あそことここは、こういうことなのかな」と思っていただけるのかな、と。「じゃ、もう一回本編を見てみよう」と思ってもらえるようなエピソードにしたつもりではあります。オリジナル・エピソードも全部まとめて見ていただければ、より深く作品を楽しんでいただけると思います。

――次回、ドラマの脚本を書くとしたら、こんなものを書きたいという構想はありますか?

今回のドラマを書いてる最中に、「あんなこと、したいな」っていうアイデアもいろいろ浮かんできてたんですよ。私、基本的に暴力的な表現とかスケベとかが好きなんですよね。人間の本能が前面に出てくるB級映画みたいな……。今回もそういうアイデアがバーッと出てきました。

――ゆくゆくは脚本だけでなく、演出もやりたいな、というお気持ちはありますか?

そうですね。大きくなったら、やりたいです。40歳くらいになって“脚本の作り方も現場の感じもだいたい分かります”というレベルになったら、映像作品も撮ってみたいなって。これはずっと思ってましたね。なので実現に向けて、これからも頑張りたいと思います。