いよいよ4月11日にスタートする黒島結菜主演の連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか)。黒島が演じるのは、沖縄料理に夢を懸ける快活なヒロイン・比嘉暢子役だが、制作統括の小林大児チーフプロデューサーは黒島について「台詞量に苦しんでることを感じさせないし、大らかなお人柄で僕たちチームを引っ張ってくれている」と彼女の座長力を絶賛する。

  • 『ちむどんどん』ヒロイン・比嘉暢子役の黒島結菜

本作の舞台は、沖縄本島北部のやんばる地域で、ヒロイン・暢子ら4兄妹や家族との奮闘を描いていく。おいしいものが大好きな暢子は、高校卒業とともに故郷を離れ、沖縄出身者が多い横浜市鶴見へと旅立つ。脚本を手掛けたのは連続テレビ小説『マッサン』(14~15)などの脚本家・羽原大介氏で、タイトルの「ちむどんどん」とは、沖縄方言で「胸がわくわくする気持ち」を意味する。

沖縄県糸満市出身の黒島はオーディションではなく直接オファーを受けた。その理由について小林氏は、「羽原さんの脚本でのイメージについて話した時、個性が強い沖縄が舞台の話なので、沖縄出身の方に演じてもらった方が僕らもいろいろと託せるし、頼りにできるのではないかという思いがあって、黒島結菜さんで考え始めたらもう黒島さんしかイメージできなくなったことが、一番大きな理由です」

黒島については「地元沖縄出身者ということで、沖縄独特の空気感というか、風と光みたいなものを体現できることだけではなく、シリアスな役柄もコミカルな役柄も両方こなせること、とてもお芝居にオーラがあること」などの魅力もヒロイン抜てきの理由だったという。

実際に現場の黒島は、ヒロインとしての立ち位置はもとより、朝ドラ制作チームの一員としても、頼もしい座長力を発揮しているようだ。「朝ドラは台詞劇なので、ヒロインは覚えなきゃいけない台詞量がどうしても多くなりますが、黒島さんは本当によく覚えてきていてすごいなと毎日感心しています。また、まるで暢子のように、彼女は常にゆったりした沖縄的な空気感でスタジオにいらっしゃって、心から撮影を楽しんで下さっているように見えます。もちろん、きっと目に見えないところでは、かなり努力をされていると思いますが」

  • 『ちむどんどん』メインビジュアル

加えて黒島について「大らかでのんきなところがあるお人柄ですし、いろんな意味で暢子にやや似ているかなとも思えますから、すごくありがたいです」と感謝する。「黒島さんも、沖縄の地方から出てきて、非常にのんきでポジティブな暢子から若干影響を受けているとのことでしたが、やはりそういうところがあるんじゃないかなと」

特筆すべき点は、黒島がスタッフ陣とも積極的にコミュニケーションをとるべく、それぞれのネームプレートを作ったことだ。「黒島さんは、裏方のスタッフとも交流を図ってくれています。そこは一緒に現場を始めてみて分かったことですが、黒島さんはヒロインとしてすごくハイレベルな仕事をされているだけではなく、演技以外の部分でも、1つの作品を作るうえで、スタッフやキャストを含めたユニットの一員であるという楽しみ方もされているようです。だからカメラマンであろうが、照明のスタッフであろうが、気になることがあれば分野の垣根を超えて、声をかけてくださいます」

時には黒島が取った行動に驚かされたこともあったと言う小林氏。「ロケ現場で風が強いと、俳優さんの髪の毛や台詞が影響を受けないように、風よけをするんですが、気がついたら黒島さんも手伝ってくれていました! そこは僕らもすごく親近感を感じられたし、とてもうれしかったです」