2人の起用理由については、「普通に考えて温人は会社を経営していて何億も稼ぐような人で、その妻というと、上下関係ができてしまいそうですが、温人と美知留の関係性には上下関係はないんです。もっと言えばちょっと妻の方が強い感じがする。実際二宮さんと多部さんも、多部さんの方が年下なのですが、現場ではちょっと多部さんが二宮さんをリードするような感じもありリアリティがあります。そういう関係値がうまく表現できるような2人なのかなと思いました」と説明する。

緊迫感ある物語のスタートとなるが、現場はとてもいい雰囲気で進んでいるという。「大学時代の友達という設定があるからなのかもしれませんが、特に盛り上げて雰囲気を作ろうという感じではなく、本当に学生時代のような他愛のない会話が続くなか、自然と役に入っていけるような空気が流れています。二宮さんも存在感のある方ですが、座長然としているのではなく、自然と雰囲気を作ってくださっています」。

また二宮、多部の魅力について飯田プロデューサーは「役に対して計算して作る人と、憑依型の人がいると思いますが、二宮さんはどちらにも属さない、ただ温人としているところがすごいなと感じました。一方の多部さんはとにかく声でいろいろな感情を表現できる方だなと感じています。繊細の声の使い方がとても素敵な女優さんです」と称賛した。

飯田プロデューサーの言葉通り、第1話では劇中、“誘拐事件”が軸に、緊張感あふれるシーンが続くが「誰が犯人なのか」ということは、あまり気にならない。愛する子供が突如いなくなってしまったとき、親ならどうするか――そこには地位や名誉やプライドなどは関係ない。そんな人間の剥き出しの思いが、どのように描かれていくのか。期待しながら作品を追いかけていきたい。

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