気付けば本棚からあふれかえる蔵書。映画やドラマ、アニメで見たような「壁一面の本棚」に整然と並べられたらインテリアとしても素敵なのに……と思ったことは、オタクなら一度はあるのではないでしょうか?

そんな「夢の本棚」が完成した、というツイートが話題になっています。製作者は造形作家のツリロン/鶴居 崙さん(@turiron)です。ツリロンさんのこだわりとは……?

長年の夢だった

・天井までビタッとした高さ
・手前が余らないジャストの奥行き
・たわまない棚板

を実現した自作本棚が完成したので見て…(@turironより引用)

  • (@turironより引用)

どーんと壁いっぱいの本棚は、細かく区切られたマス目でブックエンドも不要そう。もし自分の部屋にあったら、どう蔵書を収めていこうか妄想が捗ります。

「おおおおお 全オタクの夢キター!」「このロマンは理解出来るw すげぇ!」「いつか欲しいやつー!!本好きオタクにとっては夢のような本棚……!!」「本が埋まったらまた壮観だろうな~~」「収納力も強度もデザインも完璧な棚だ……」と絶賛の声も多数。この本棚は自作されているとのことですが、思わず「欲しい!」と言いたくなりそう。

しかしこの本棚、どのくらい時間をかけて作ったのでしょうか。また耐震性がどうなのかもちょっと気になるところが。制作でこだわったポイントについて、ツリロンさんに伺いました。

投稿者に聞いてみた!

――大作の本棚ですが、どの程度時間をかけて作ったのでしょうか?

余暇を利用していたので設計検討からだと半年、資材購入からは3ヶ月程度で実作業日数としては休日10日分くらいだと思います。

――時間もですが、費用や材料もかなりかかってそうですね。

材料費は合計4万円くらいしました。

――自作で作ったとのことで、こだわったポイントも多いかと思います。

天井までの本棚という夢のワードは叶えつつも、組み立て時の取り回しや木取を想定して上下二段セパレートで構成しています。

  • 上下二段のセパレート構造(@turironより引用)

一般的な市販の本棚では、本の手前にスペースが余って埃が積もったり余計なものを置いてしまいがちなので、奥行きをB6ぴったりの13cmにしました。冊数が増えると棚板がたわんでしまうので縦板を増やしつつ、見栄えと本崩れ防止に全マスが正方形になるよう設計しました。

  • (@turironより引用)

――「耐震性が気になる」というコメントもあります。

末永く使用できる剛性を担保できるよう24mmの厚手の板に、有名なDIY金具のシンプソン金具でリジットに仕上げています。

以前は石膏ボード天井へつっぱるタイプの本棚を使っていましたが、東日本大震災で被災した際に震度6弱で何の意味もなく崩壊したので、今回はセンサーと針を使って壁裏の下地(柱材)を探し、L字アングル材とコーススレッドを使って間柱複数本にX方向・Y方向で強固に固定しています。マス自体がジャストサイズなことと、仕上げ塗装に使ったつや消し水性ウレタンの適度なザラ感があるのでそうそう中身が飛び出すこともないかな、と思っています。

――「オタクの夢」「憧れる」という声も多数寄せられていますが、反応に対して率直な感想はありますか?

どうしても叶えたかった各種ポイントが本好きな方に共感頂けたようで嬉しく思っています。作るのがとても大変なのですが、蔵書の3割程で既に満杯になってしまいました。図面を提供するので家具メーカーさんで量販して欲しいです。クラウドファンディングとかでもいいので……


沢山入る! と思いきや、蔵書の3割程度でこの棚が一杯になったというツリロンさん。どれだけの蔵書をお持ちなのでしょうか……。時間と手間と創意工夫を凝らした「夢の棚」のご紹介でした。