JR西日本は11日、「SLやまぐち号」に使用する35系客車の車両側面に表示している行先と指定席の表示札について、復刻車両にふさわしいレトロなデザインへリニューアルし、3月19日から使用開始すると発表した。

  • 更新後の行先標

「SLやまぐち号」の35系客車は、「最新技術で快適な旧型客車を」というコンセプトの下、昭和初期に実在した車両を再現し、2017年にデビュー。翌年、鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した。

SL現役当時の表示札は、基準となる規定をもとにしつつ、各工場の職人が筆で各板面を作成しており、ひとつひとつの文字の形やバラつきも幅広かったという。「SLやまぐち号」で使用する2つの表示札をリニューアルするにあたり、国鉄時代の鉄道掲示規程を基本とした上で、各種文献や京都鉄道博物館の収蔵品を参考に検討を重ね、同列車の世界感にふさわしいデザインにしたとのこと。

  • 更新後の指定席標

行先表示札は、通常運行時に使用する「白色ベースに黒文字」タイプに加え、遡った時代に取り付けられていた「群青色ベースに白文字」タイプも制作。シーズン初めの3月19・20・21日、ゴールデンウィーク期間の4月29日から5月8日まで、「SLやまぐち号」運行開始記念日の8月6・7日の計14日間のみ使用予定としている。