東芝インフラシステムズは、3月5日から中央本線で運行開始しているJR東海の新型車両315系向けに、国内初というAIによる自動学習・制御最適化機能を備えた制御指令伝送装置などの電気品を納入したと発表した。
東芝インフラシステムズが今回納入した制御指令伝送装置は、車両から地上サーバへ送信されたデータをAIが学習し、車両にフィードバックする機能を持つ。具体的には、温度・湿度・乗車率などのデータを315系から地上サーバに送信し、データを受け取った地上サーバ内のAIが乗務員による空調手動補正などを自動学習して空調操作モデルを修正。自動学習した空調操作モデルを車両の制御指令伝送装置にフィードバックすることにより、制御を最適化する。
車両制御装置を構成するVVVFインバータ装置の素子として、従来のシリコンに代わり、Hybrid-SiC(シリコンカーバイド)を用いるなど、電力消費量を約35%低減したという。空調装置は冷房能力を従来より約3割向上させつつ、インバータ方式の採用とコンプレッサへの永久磁石同期電動機の採用により、省エネ性を両立させたとしている。
新型車両315系の電気品は352両分を受注しており、今回、56両(7編成)分の納入が完了したとのこと。今後、2025年にかけて順次納入を行うとしている。