日本マリン事業協会(JMIA)は、2021年のマリン市場の動向や協会の活動状況の報告、また3月31日から4月3日にかけて横浜で開催される「ジャパンインターナショナルボートショー2022(JIBS 2022)」に関する記者会見を3月1日に行った。

  • 写真左より、ミス日本「海の日」属 安紀奈さん、日本マリン事業協会会長の柳博之氏、JMIA マリンアンバサダー 杉浦琴乃さん

2021年、マリン市場の動向は?

記者会見の冒頭、日本マリン事業協会 会長のヤマハ発動機 取締役 柳博之氏より挨拶が行われた。

「コロナ禍の影響を受け、2つの価値観を感じています。まずパーソナルな時間・空間が大事であり、そのような製品やサービスが注目されています。またアウトドアで過ごす時間や空間も重視されており、家族や大事な人と過ごすことが大事にされていることを市場から感じます。マリン市場も活況を呈しており、そのなかで『ジャパンインターナショナルボートショー2022』を開催しますが、今年はリアルとデジタルを掛け合わせ、新しい価値を提供できればと考えています。年々ボートショーを活性化させ、地方の方も参加できる環境を作っていきたいですね」と3月31日からスタートするボートショーに期待を寄せた。

  • 日本マリン事業協会 会長 柳博之氏

続いて同協会専務理事の佐伯誠治氏より、2021年のマリン市場について解説が行われた。「コロナ禍のなか、"3密を避け"、"家族・友人と安全に楽しめる"ことからアウトドアアクティビティの人気が加速しており、ボートレジャーも活況です。新規のボート免許取得者はコロナ禍以前の2019年までと比較すると32%、18,000人も増加しています。女性の免許取得者もコロナ禍前に比べると1.5倍とシェアが広がっています。これは20代に限らず、30~40代も含まれており、ファミリーで利用されているようです」と報告した。

  • 2021年の国内マリン市場における変化

また、ボート免許取得後の利用の予定については、誰としたいかという問いに対して「家族・友人と遊びたい」が65%、船の利用は「シェアリングシステムを使いたい」という声が45%と伸びている。シェアリングの認知も高まっており、マリンクラブのボートで遊ぶため免許取得者の増加に合わせてマリンクラブの新規入会者数もコロナ以前に比べて44%増えているそうだ。

  • 日本マリン事業協会 専務理事 佐伯誠治氏

また2022年のマリン事業についても説明が行われた。「2016年策定したマリン産業の10年ビジョン『マリンビジョン2026』では、"ファミリーで楽しむボートレジャー"を将来の姿として、ボート・ヨット参加人口および新規免許取得者目標10万人を掲げています。また新しい顧客開拓にも力を入れ、一般曹や潜在的関心層に対する施策も強化します」と佐伯氏。若年層に向けては、リクルートが運営する"マジ部"のひとつとして「海マジ」を提供する。これはボートクルージング、ヨット、水上オートバイ等が無料で体験できる施設を20ほど登録しており、今後も増やす予定とのこと。

  • 2022年のマリン事業に関する取り組み

業界としての安全・環境の取り組みについても言及された。2021年シーズンは、一部ユーザーによる水上オートバイの危険運転が問題化されたという。それを受け、2022年は業界全体としてユーザーの安全啓蒙に関する情報発信や、ハード対応の検討を行う。また環境対応として、カーボンニュートラルへの取り組みにも力を入れる。これについては各メーカーでコンセプトモデルや実証実験が行われているという。

「ジャパンインターナショナルボートショー2022」見どころは?

2022年3月31日から4月4日にかけて開催する「ジャパンインターナショナルボートショー2022」について、ジャパンインターナショナルボートショー委員会 委員長の竹長潤氏による発表も行われた。

  • ジャパンインターナショナルボートショー委員会 委員長 竹長潤氏

竹長氏によると、2020年から2022年のテーマは「海・ここが夢の入り口…」を掲げており、大切な人と楽しんでほしいという想いがあるという。2022年の開催は「リアル(陸/海)&デジタルの融合」をコンセプトに掲げ、それぞれの価値提供と相互補完を通し、全国のマリンファンへ訴求を行う。

  • 「ジャパンインターナショナルボートショー2022」開催コンセプト

リアル会場はパシフィコ横浜とベイサイドマリーナ、そして特設オンライン会場で実施される。パシフィコ横浜では開会式・屋内展示、ステージイベントや講習会を実施。ビギナーからベテランまで楽しく学べる「海のゼミナール(海ゼミ)」20講座や、親子で学び楽しめるロープワークや海のポスターを書くプログラムなどのほか、「Marine Lifestyle Avenue」ではモーターショーを凌ぐインボートプレミアムカー10ブランドの展示も行う。またパシフィコ横浜近くのみなとみらいぷかり桟橋では、帆船一般見学や体験航海も可能。

パシフィコ横浜会場のステージでは、3月31日は杉浦太陽さんによる「マイボートDIYに挑戦」、最終日4月3日は太平洋ヨット単独往復横断を成功した辛坊治郎さんによる「太平洋横断・実録69日公開日誌」といったトークライブも開催される。4月1日は「サステナビリティ&テクノロジー」をテーマに掲げ、ニュージャパンマリン、EV船販売、ヤマハ発動機、スズキの4社による先進の環境技術開発や取り組みの発表も行う。

  • 「ジャパンインターナショナルボートショー2022」パシフィコ横浜会場のメインステージでは、3月31日に日本ボート・オブ・ザ・イヤーの最終選考結果も発表される

横浜ベイサイドマリーナでは、フローティング展示をはじめ、7つの体験プログラムを用意。ピクニッククルーズやキャプテンKIDS体験といった子どもや家族が楽しめるものから、東京湾公開講座、体験セーリングなど経験者が学ぶ実践的な講座まで揃える。

来場者数の想定は、4万名想定。出展者はリアルが230社、オンライン会場が48社で、展示ボート・ヨット・水上オートバイは210隻、展示品最高価格は12億円、展示製品の総額は130億とのこと。

3月31日~4月3日、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)および横浜ベイサイドマリーナ(神奈川県横浜市金沢区白帆1)の両会場に入場できる共通チケットは、一般1,500円(高校生以上)、中学生以下は無料。3月18日~8月31日に開催されるオンラインボートショーは無料で参加できる。なおオンラインボートショーでは、3月31日~4月3日の間はライブ配信も行う。