Vシネクスト『仮面ライダーオーズ/OOO 10th 復活のコアメダル』(3月12日より全国劇場で公開)の完成披露舞台挨拶が2月28日、東京・新宿バルト9にて行われ、渡部秀、三浦涼介をはじめとする主要キャスト5名が登壇し、劇場にかけつけた熱烈な『オーズ』ファンに最高の笑顔を見せた。

  • 左から君嶋麻耶、高田里穂、渡部秀、三浦涼介、岩永洋昭

『仮面ライダーオーズ/OOO 10th 復活のコアメダル』とは、2010年9月から2011年8月まで、テレビ朝日系で放送された「平成仮面ライダー」の第12作。800年前の封印から甦った怪物グリードの猛威に対抗するべく、コアメダルの力を用いて戦士オーズに変身する青年・火野映司の壮絶な戦いの日々が描かれた。アンクは他のグリードと違って右腕だけしか復活することができず、より多くのコアメダルを得るため映司の“人々を守りたい”という思いを利用しようと画策する。こうして手を組んだ映司とアンクだが、共にグリードとの戦いを続けていくうち、互いに奇妙な友情で結ばれていく。

今回のVシネクストは、『仮面ライダーオーズ』放送から10年という節目の時期に企画された「その後の『オーズ』」というべき作品であり、作品世界を締めくくる「完結編」とも銘打たれている。

上映終了後に催された舞台挨拶では「衝撃的な結末」を観た直後のファンの前にキャスト陣が登壇。みなそろって10年という歳月を経たことが信じられないような若々しさを備えつつ、しっかり「大人の魅力」を全身にまとっており、キャスト、スタッフ、ファンがそれぞれ愛した『オーズ』完結編映画の完成を心から祝った。

仮面ライダーオーズ/火野映司を演じる渡部秀は、まだ感動の余韻覚めやらぬ客席に向かってニッコリ笑顔を向け「みなさんが“世界最速”で映画を観られたお客様です。このようなご時世の中、完成の日を迎えられて光栄に思っています。思い返してみると奇跡の連続だった『10周年記念作品』、さまざまなご感想、お気持ちがあるかと思います」と、10年前のテレビシリーズと同じレギュラーキャストが欠けることなく再登場する本作の重要な点を挙げ、完成を喜ぶコメントを残した。

アンク役・三浦涼介は「こうして『オーズ』最新作をみなさんにお届けできたことをうれしく思います。この舞台挨拶では、最高の仲間とともに最高の僕をお届けします」と、『オーズ』愛のこもった挨拶を披露した。

泉比奈役の高田里穂は「今日は、どういう顔をして出たらいいんだろうと、舞台ソデでドキドキしていたんですけど、映画をご覧になったみなさんの表情が晴れやかに見えたので、楽しくお話ができたらいいな」と、映画の“衝撃的な内容”にファンがショックを受けているのではないかと心配だったことを打ち明けた。

仮面ライダーバース、そして本作で初披露される強化型「仮面ライダーバースX」に変身する後藤慎太郎を演じる君嶋麻耶は、劇中での後藤と同じくクールな表情を崩さず「今日は平日にもかかわらず、お越しくださってありがとうございます。ようやくこの作品を披露することができ、ご覧いただいたみなさまに感謝します」と真摯な姿勢で挨拶した。

後藤と共に仮面ライダーバースに変身する伊達明役・岩永洋昭は、女性ファンに向かっていきなり「妻をめとり、子をもうけ、5年の月日が経ちましたが、今宵はあなただけの“永遠の恋人”に戻ろうと思います」と独特な名調子を決めてみせ、しんみりしがちだった客席を明るく盛り上げた。岩永の相変わらずな陽気さを目の当たりにした渡部は「制作発表の場では、岩さん(岩永)とご一緒することが叶わず、今日こうやって岩さんを交えた5人で並ぶことができて、うれしいですね」と、素直な喜びを表した。そして岩永は「10年前の作品が、こうして最新映画としてみなさんに観てもらえるのはうれしい。『オーズ』は僕の宝物であり、この場でみなさんと同じ時間を共有できるとは、もう幸せ以外の何でもありません」と話し、『オーズ』という作品への愛着の強さをうかがわせた。

作品製作の経緯や「衝撃的な結末」についてどう思っているかをMC(寺迫麿)から尋ねられた渡部は「形になるまでには2年くらいかかった作品。衝撃的ではあったけれど、まさにこれがオーズだなという風に僕も受け止めました。10年間待っていてくださったファンのみなさんのため、最後の作品を届けたいと思って走りはじめました」と、さまざまな経緯を経て実現した『オーズ』の続編映画、そして完結編を作ろうという決意がいかに強かったかを明かした。

三浦は「僕は脚本を読んだとき、内容を受け入れるのにだいぶ時間がかかりました。しかし、自分の思いをどのような形で役に乗せて、アンクとして存在できるかを、日々考えていました。現場でキャスト、スタッフの空気づくりと優しさに囲まれることで、徐々に自分なりの“落とし込み”ができたかなと思います」と、映画での重要な要素となった「アンクの復活」を自分なりに最高のものにするべく、気持ちを高めたと説明した。

高田は「取材を受けたとき『高田さんは今回の“いつかの明日”は自身が納得できるものでしたか』と質問されました。納得というよりも、この作品でこのように描かれるのであれば、私自身も比奈として気持ちを乗せて演じるしかない、と思いました。撮影している間もずっと『この作品をファンのみなさんはどんな表情でご覧になるのだろう』ということばかり考えていました。今まさに、その回答がこの場で得られました」と、改めてファンのために作品を良いものにしようと努力していたことを打ち明けた。

君嶋は「『本当に完結したんだ』というにふさわしい内容に驚きました。ファンの方たちが『オーズ』を待っていてくれる、もう一度『オーズ』を観たいと言ってくれているのを知り、みなさんが喜んでくださるのなら……と出演を決めました」と、熱烈な『オーズ』ファンの期待に応えたい、という思いを込めて出演したことを明かした。

岩永は「この映画で『オーズ』が永遠の存在になったな、と思います。ご覧になる方々ひとりひとりの感想は違いますし、何かと不安の多いこんなご時世ですけど、できるだけ前向きに捉えて、この映画がみなさんの生きる力に少しでもなることができたらなって思います」と、今回の映画が人々の心に残り、生きる力になりうる存在であってほしいと願った。

映画の撮影で、印象的な出来事を尋ねられた渡部は「今回の映画と同時に、TTFC配信の『スピンオフ』作品も撮影していたんです。それは映画の前日譚にあたる内容で、明るいムードの作品です。これがあったおかげで、撮影現場では楽しかったり気がひきしまったり、メリハリがついて10年前の『オーズ』の現場と全然変わらない雰囲気でした。とにかく、りょんくん(三浦)が笑ってくれたのが、何より僕のうれしかったことです。久々に『オーズ』の世界を築けたことで、役者としてエンターテイナーとして、貴重な経験をさせていただきました」と、10年前に戻ったかのような撮影現場の、緊張と楽しさが入り混じった空気をふたたび味わったことへの充実度を語った。

三浦は「朝起きて、撮影所へ行くのが楽しみでした。もう朝から元気いっぱいで! 当時はコミュニケーションをなかなかとりづらい時があったけれど、今回はみんなで会話をする時間がいっぱいあって、楽しかったです。岩永さんは10年を経て、階段を上るのが辛そうでした(笑)」と、共演者と再会し、さらなる親交を深められた撮影の日々を振り返って笑顔をのぞかせた。岩永は三浦の発言に対して「心は20代のつもり。がんばります!」と、まだまだ若いぞとアピールすることも忘れなかった。

高田は「『仮面ライダージオウ』(2018年)に出演したときは、比奈らしさを出すため前髪にウイッグをしていましたけれど、今回はそのままの髪型で行こうと決まりました。比奈の10年に私の10年も投影されていますので、そこにもご注目ください。私の感想としては、映司とアンクの存在がすばらしすぎて、そこに泣きました!」と、『ジオウ』出演時の貴重な裏話や、今回の映画の率直な感想を披露した。

君嶋は「後藤の10年後はどうなっているのかと想像しつつ、髪型とかを作っていこうとしましたが、いろいろやっていくうちに、後藤は10年後もあまり変わっていないという印象を持ちました。撮影では、自然な形で10年前の後藤に戻っていきました」と、ふたたび後藤を演じる際の役作りについて語ってくれた。

岩永は「後藤ちゃんと2人で変身ができたのは感慨深かったね」と、2人のバースが同時変身するという、テレビシリーズを思わせる印象的なシーンについて、楽しそうに話した。

最後にマイクを握った渡部は「そろそろ放送開始から12年が経とうとしています。『仮面ライダーオーズ』という素敵な作品にめぐりあえたのは、僕にとって一生の財産ですし、これからもそれは変わりません。今回の映画を撮ったことにより、やっぱりオーズが僕の原点だと、改めて実感しました。この作品が完成したことで、僕もひとりの映司ファンとして胸をなでおろしている次第です。またいつか、どのような形でもいいので、『仮面ライダーオーズ』という作品をファンのみなさんに楽しんでいただけるような未来が来ることを願っています!」と、自身の俳優人生の原点となった作品への尽きぬ愛情の強さと、物語としては「完結」を迎えたものの、これからも永遠にファンに愛されてほしいという強い思いを打ち出しつつ、客席に熱い視線を投げかけた。

『仮面ライダーオーズ/OOO 10th 復活のコアメダル』は2022年3月12日より、全国劇場にて期間限定上映。8月24日からは東映ビデオよりBD&DVDソフトが発売される。

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