旧車の祭典「Nostalgic 2days」(ノスタルジックツーデイズ)にて、今でも走行可能な“現役”の初代「クラウン」に遭遇した。神奈川トヨタ自動車がレストアした1台だ。トヨタ博物館にも展示されているほどの歴史的なクルマだが、どんな経緯で今、ここにあるのだろうか。
ひとりのオーナーが60年以上乗り続けたクラウン
今でも続くトヨタ自動車「クラウン」の初代モデル「トヨペット・クラウン」は、1955年に純国産自動車の第1号として誕生した。発売当時の価格は101万4,860円(当時の年間平均所得の約12.5倍)だった。
写真のクラウンは、ひとりのオーナーが60年以上にわたり乗り続けた個体。同オーナーは亡くなる直前、神奈川トヨタにこのクルマを寄贈した。オーナーから寄贈の意思を直接伝えられた神奈川トヨタ 渉外広報部の加藤久雄さんによると、同オーナーから提示された寄贈の条件は2つあった。「転売しない」ことと、「できるだけ多くの人にこのクルマを見せてあげてほしい」ということだ。神奈川トヨタではこれらの約束を守り、このクルマをイベントなどで積極的に展示したり、映像作品に貸し出したりしているという。