ももこさんは、最も小さな社会の単位である“家族”になじめず、会社を転々とするなど大きな社会にもなじめなかった過去を持つ。そんな彼女が見つけた“居場所”が「山奥ニート」だった。

「家族のかたちも、幸せのかたちも多様でいい。今の生き方に行き詰まり、自分の居場所がないと感じたとしても、きっとどこかに“オルタナティブな生き方”があるかもしれないと思ってもらえたら本望です」と話す竹内D。シェアハウスに住み込んでの取材を通じて、自身も人生を見つめ直す機会になったという。

彼女も住民と同世代の32歳。テレビ制作の仕事に体力を削りながら没頭する日々が続いていたが、山奥の豊かで、季節によって様々な表情を見せる自然、シェアハウスや地元住民との緩やかで温かい関係に、取材をしながらもとても癒やされたようで、「ここでの生活が、私の将来において、何らかの影響を及ぼすのは間違いありません。人生のふり幅が大きくなりそうです」と想像した。

そして、ももこさんの赤ちゃんが成長し、今後どうなっていくのか。「とても楽しみであり、可能であれば、映像で記録していきたいと思っています」と、再び山奥に戻って赤ちゃんと再会することを約束した。

  • 竹内みなみディレクター

●竹内みなみ
1989年生まれ、京都府出身。関西大学社会学部卒業後、13年にスパークルの前身となる制作会社に入社。アシスタントとして『情報7daysニュースキャスター』『夢の扉+』(TBS)などを経験し、ディレクターとして『テレビ史を揺るがせた100の重大ニュース』『上田晋也のサタデージャーナル』(同)、取材ディレクターとして『情熱大陸』(MBS)では伊澤直人(プロキャンパー)、朝倉誠二(パン職人)を担当。今回の『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)で、長編ドキュメンタリー初挑戦となる。