HubSpotJapanは、日本の営業組織にまつわる第3回目の意識・実態調査を2021年12月3日~5日に実施し、その結果を2022年2月16日に発表した。調査は全国のビジネスシーンで売り手となる1,545名と、ビジネスシーンで商品やサービスの買い手となる515名を対象に、オンラインにて行われた。

  • 売り手が考える好ましい営業スタイル

はじめに、売り手と買い手それぞれに「訪問営業とリモート営業のどちらが好ましいか(2021年12月時点)」を尋ねたところ、今回の調査では過去調査と比較して売り手、買い手ともに訪問営業を好ましいと考える人が増加。

  • 買い手が考える好ましい営業スタイル

同時に、訪問営業とリモート営業の「どちらでもよい」と答えた買い手は38.4%と全体の約4割にのぼり、前回調査時の26.5%と比較して約1.5倍増加している。

  • コロナ収束後の好ましい営業スタイル

続いて、「将来、世界的に新型コロナウイルスの感染が収束し、治療薬も開発されたら」という「コロナ収束」の状態を仮定した上で好ましい営業スタイルを尋ねたところ、売り手側は6割(58.2%)が「訪問営業の方が好ましい」と回答し、最多となった。

一方、買い手側は「どちらでもよい」の41.4%が最多に。前述の「2021年12月時点での好ましい営業方法」は調査実施時点のコロナウイルス感染者数に影響を受けるものと考えられるが、コロナ要因がなくなったことを仮定したこの質問に対しても「どちらでもよい」との回答が最多。このことから、「買い方」に対する柔軟性は高まっていると推測できるという。

 なお、「リモート営業が好ましい」と答えた人の理由については、売り手・買い手ともに1位は「わざわざ訪問型の商談をする意味がないから・リモート営業で十分だから(売り手35.1%、買い手49.5%)」となった。

  • ビジネスシーンにおいて、あなたはどのような印象を持つ会社のサービスや商品を購入したいと思いますか?

次に、買い手に対して「ビジネスシーンにおいて、あなたはどのような印象を持つ会社のサービスや商品を購入したいと思いますか?」を25の要素の中からランキング付与形式で調査。

1位が「信頼できる(33.6%)」、次いで「製品の品質が高い(30.1%)」、「価格に見合う製品やサービスを提供している(27.6%)」と続いた。

コロナ禍以前と比較した際に、購買意思決定における重要度が増した項目を選択式複数回答で尋ねたところ、買い手の48.2%が「信頼できる」という要素を選択。

また、この重要度が増したと思う項目のうち、最も重要なものを単一回答で聞いたところ、「信頼できる」を選んだ人が最多に。

理由を自由回答で質問すると、「社会が全体的に打撃を受けている中でより信頼度の高さを重視するようになった」「営業マンとの直接のコミュケーションが減っているので信頼感が特に必要になったと感じるから」といった回答が目立った。

さらに「企業に対する信頼に繋がる要素」を複数回答で聞いたところ、「営業担当者が自社の要望を的確に実行してくれる(1位、60.8%)」「営業担当者が自社のことを真剣に考えてくれていると思う(2位、55%)」などが上位を占めた。

一方で「自分が知っているタレントや俳優がCMに起用されている」は4.1%、「その企業の広告をよく目にする」は5.4%に留まり、個別の施策で買い手からの信頼を得られるわけではないことも判明した。