女優の井上真央が、3月26日に開局するBS松竹東急の開局記念特別企画ドラマスペシャル『夜のあぐら ~姉と弟と私~』(2022年4月放送)の主演を務めることが27日、明らかになった。尾野真千子が姉妹役で共演する。

  • 左から井上真央、尾野真千子

    左から井上真央、尾野真千子

同作は長嶋有による小説の実写化作。父親の死に直面した主人公・秋子(井上真央)が、姉・春子(尾野真千子)に呼び出され遺産相続をめぐる騒ぎに巻き込まれる中で、家族という「繋がり」を再発見し、不器用ながらも前を向いて生きていこうとするヒューマンストーリーとなる。

同局が視聴者に伝えていきたいメッセージを込めた記念ドラマとして制作するドラマで、監督・脚本は映画『鈴木家の嘘』(18年)で国内外多数の賞を受賞し、テレビ『きのう何食べた?』(TX)も手がけた近年最も期待される映画監督の一人、野尻克己が務める。

井上と尾野は初の姉妹役での共演となり、本格派キャスト陣を迎え、ほろ苦くも優しい家族の物語をユーモア溢れるタッチで描き出していく。「多くの人が生きることへの不安を抱え人生を模索する現代だからこそ描きたい、普遍、かつ、不変の人と人の『繋がり』」を描いていくという。

井上真央 コメント

原作、脚本、冒頭のシーン、読み進めていく度にこの作品に参加したいという思いが募っていきました。
厄介な姉、面倒な弟、近いような遠いような、知ってるようで知らない家族のコト。
嘘なくまっすぐに秋子を演じていきたいです。
撮影はこれからですが、私にとっていとおしい作品になると予感しています。

尾野真千子 コメント

面白いドラマやります!
撮影はこれからですが、たくさんの人達と台本以上の物語が生まれてくることを今からワクワクしてます!
まだまだ寒いので体調に気をつけて頑張ります。

野尻克己監督 コメント

愛おしい家族を書かせたら天下一品の長嶋有さん。
愛おしい姉妹を演じる井上真央さん、尾野真千子さん。
皆さんの才能を私に託してくださったこと、感謝いたします。
自分の家族のように大切に撮ります。

原作者:長嶋有 コメント

二十年近く前の小説が今、映像になるということ自体に、喜びと、野次馬のような無責任なワクワクがあります。
なにしろ価値観も景色も当時と今とで大きく変わったはず。引きこもりの人の心持ちや、家族制度に思うことも違う。どうするんだろう、監督。人物たちの手に持っているのも「イオカード」やモノクロ液晶の携帯電話から、電子マネーやスマートフォンに置き換わった。それでもなお、普遍的ななにかが残ったらうれしいです。監督にお会いしたらとても熱意ある方だったので、無邪気に期待したいと思います。役者の皆さんにも。

井上衛プロデューサー (BS松竹東急 制作局) コメント

テレビ離れがさかんに叫ばれる現代。そのような中で新たに無料放送のBS局を立ち上げる。かなり挑戦的な試みと思われるかもしれません。でも、だからこそ、世の中のメインストリームでは無い人々の姿に豊かな光を当てられるのではないか、そう考えています。どんなに生きるのが下手な人でも生きていていいんだ。その願いが、この作品を通して一人でも多くの方々に届くよう、祈っています。