「首が回らない」は、日常会話でよく聞く表現ですが、意外にも間違った意味で使ってしまっている人が多い言葉。

本記事では、「首が回らない」の正しい意味や使い方・例文などを紹介します。また、類語や英語表現も解説。間違った意味で使っていないか、この機会に確認してみましょう。

  • 首が回らないの意味

    「首が回らない」の意味や使い方などを紹介していきます

首が回らないの意味

「首が回らない」とは、「支払いなどが多くてお金のやりくりがつかない」という意味の慣用句です。「首が回らないほど仕事が忙しい」といった使い方をされることがありますが、これは間違い。首が回らないという言葉に「忙しい」という意味はなく、誤用になってしまうので注意しましょう。

首が回らないの語源

首が回らないの語源には、下記のような説があります。

・「借金などのストレスで首の筋肉が固くなると、動くはずの首も動かなくなる」という説
・「街中で借金取りに顔を見られると困るので、首を回して周囲を見渡せない」という説

そのほかにもさまざまな説があるようですが、どれが本当の語源かはわかっていません。

  • 首が回らないの意味

    首が回らないは「お金のやりくりがつかない」という意味です。「忙しい」という意味はありません

首が回らないの類語

ここからは、首が回らないの類語を5つ紹介していきます。

火の車

「火の車(ひのくるま)」とは、「経済状態がとても苦しいさま」を表す言葉です。主に借金の返済に困っている状況を指す時に使われ、「首が回らない」の類語にあたります。

火の車の由来は、仏教用語の「火車(かしゃ)」という言葉。仏教では、悪行を積んだ者は火車で地獄に運ばれて苦しめられると考えられていて、この様子を苦しい経済状況に重ね、火の車と言われるようになりました。

自転車操業

「自転車操業(じてんしゃそうぎょう)」とは、「借金と返済を繰り返しながら、辛うじて操業を続けている状況」を指す言葉です。ペダルを漕ぎ続けなければ倒れてしまうことから、「自転車」という言葉が使われています。経済的に厳しい状態を表す時などに使うので、首が回らないの類語と言えるでしょう。

借金地獄

「借金地獄(しゃっきんじごく)」とは、「多額の借金がある地獄のような状態」を指す言葉です。利息が膨れ上がり返済額が大幅に増えているような状態を指す時などによく使われます。首が回らないと同様に、経済的に大変厳しい状況を言い表す言葉です。

金詰まり

「金詰まり(かねづまり)」とは、「資金が不足してお金のやりくりがつかない状態」を指す言葉です。基本的には、「事業などの資金が不足している」という意味で使われます。

金欠

「金欠(きんけつ)」とは、「手元にお金がない」という意味の言葉です。金欠は一時的にお金がないだけの場合にも使える言葉なので、首が回らないとは少しニュアンスが異なりますが、お金がないことを言い表す言葉という点では類語と言えるでしょう。

  • 首が回らないの類語

    首が回らないの類語には「火の車」や「自転車操業」などがあります

首が回らないの英語表現

首が回らないの英語表現は「be deep in debt」です。「be deep in」は「~に浸る」、「debtは「借金」という意味があり、このまま「借金で首が回らない」という意味で使えます。

・He was deep in debt.
(彼は借金で首が回らなくなった)

  • 首が回らないの英語表現

    首が回らないの英語表現もチェックしておきましょう

首が回らないの使い方と例文

首が回らないという言葉は、「お金のやりくりができない状態」を表す時に使います。例文は下記のとおりです。

  • 「借金を重ねてついに首が回らなくなった」
  • 「収入は変わらないのに支払いばかり増えて首が回らないよ」
  • 「昔は羽振りの良かった彼が、今は首が回らなくなるほどの状況とは驚いた」
  • 「首が回らなくなるほど困っていたなら相談してくれれば良かったのに」
  • 首が回らないの使い方と例文

    首が回らないの例文も確認して、正しく使えるようにしましょう

首が回らないの正しい意味を覚えておこう

「首が回らない」とは、「お金のやりくりがつかない」という意味の慣用句です。「忙しい」という意味では使えないので、間違って使わないよう注意しましょう。

また、お金がない状態を表す言葉はほかにも多くあるので、首が回らないという言葉を言い換えたい時は今回紹介した類語を思い出してみてください。

ビジネスなどで英語を使う機会がある人は、あわせて英語表現も覚えてみてはいかがでしょうか。