オートバックスセブンが新たなカスタマイズブランド「ARTAメカニクス」を立ち上げた。第1弾モデルはホンダ「NSX」ベースの「リガヴェロ」で、車両代を含むカスタム費用5,000万円相当。かなり強気の価格設定だが、新ブランド設立の狙いはどこにあるのだろうか。
スポーツカー市場の活性化を目指して
ブランド名に入っている「ARTA」とは、元F1ドライバーの鈴木亜久里さんとオートバックスが1997年に発足させたモータースポーツプロジェクト「AUTOBACS RACING TEAM AGURI」のこと。ARTAのエッセンスを市販車に注入し、スポーツカー市場を活性化させたいというのが新ブランド立ち上げの狙いだ。
東京オートサロン2022に登場したオートバックスセブンの小林喜夫巳社長は、「とにかく、今のクルマを好きになっていただかないとダメ」とし、「クルマ好きの方が増えれば、その中から次の進化がいろいろとあると思います。そんな思いを込めて作らせていただきました」と新ブランドに対する思いを述べた。
リガヴェロのベースにNSXを選んだ理由については、長年にわたりARTAの活動を支えてきたホンダへの感謝の気持ちがあるという。
リガヴェロの戦闘機を彷彿させるデザインは「TOUGH & HIGH RESPONSE」がコンセンプト。NSXが持つレスポンスの高い走行性能に、タフな鎧をまとわせるイメージを目指したという。
空力と走行性能を徹底的に追及したというエクステリアには装飾的なデザインが一切ない。レーシングカーにも使われるドライカーボンを50%以上の部分に使用し、クルマの軽さを突き詰めた。
リガヴェロはスペシャルフルカスタマイズパッケージとして、現行NSXを所有する国内オーナー向けに5台限定でカスタムを受け付ける。カスタム費用は5,000万円相当とアナウンスされていたが、これは車両代込みの価格であり、今回の販売方式(カスタムのみ)では2,530万円になるとのことだ。
第2弾はトヨタ自動車「GR86」で検討していると小林社長。「これから階段を上がるように、ステージを上げていきたいと思います。第3弾、第4弾と続く中で、『次は私のクルマかな』と楽しみにお待ちいただけるようになればいいですね」とさらなるラインアップ充実を示唆していた。