「慌てる乞食は貰いが少ない」ということわざを聞いたことがありますか? 日常会話でよく使われるようなことわざではないため、初めて聞く人も多いかもしれません。

本記事では、「慌てる乞食は貰いが少ない」の意味や語源、使い方・例文を紹介します。さらに、類語や英語表現なども紹介していくので、ぜひご一読ください。

  • 慌てる乞食は貰いが少ないの意味

    「慌てる乞食は貰いが少ない」の意味や語源、使い方や類語などを紹介します

慌てる乞食は貰いが少ないの意味

「慌てる乞食は貰いが少ない」とは、「慌てすぎると結果的に失敗したり、かえって損したりする」という意味のことわざです。「目先の利益だけを見て飛びつくと結果的には損をする」という戒めの意味も含まれています。

慌てる乞食は貰いが少ないの語源

慌てる乞食は貰いが少ないの「乞食」は、人から物やお金を恵んでもらって生活している人を指しています。

「たくさん貰おうと慌てて欲張ると、欲深さを見透かされて反感を買い、貰い分が少なくなってしまう」ということからこのことわざが生まれたと言われています。

  • 慌てる乞食は貰いが少ないの意味

    慌てる乞食は貰いが少ないの正しい意味や由来を覚えてみましょう

慌てる乞食は貰いが少ないの類語

ここからは、慌てる乞食は貰いが少ないの類語を紹介していきます。

急いては事を仕損じる

「急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる)」とは、「急ぎ慌てて物事を行うと失敗するので、落ち着いてやるべきだ」という意味のことわざです。

「失敗しないためには、じっくり落ち着いて物事に取り組むべきだ」という戒めの意味合いになるため、慌てる乞食は貰いが少ないの言い換え表現としても使えます。

短気は損気

「短気は損気(たんきはそんき)」とは、「短気を起こして怒ったり急いだりすると、結局は自分の損になる」という意味です。慌てると結果的に損をするという意味を持っている点で、慌てる乞食は貰いが少ないの類語と言えるでしょう。

慌てる蟹は穴へ入れぬ

「慌てる蟹は穴へ入れぬ (あわてるかにはあなへはいれぬ)」は、「どんなことでも慌てると失敗する」という意味で使われることわざです。慌てる乞食は貰いが少ないと同じく、慌てて行動することを戒めるときに使います。

  • 慌てる乞食は貰いが少ないの類語

    慌てる乞食は貰いが少ないの類語には「急いては事を仕損じる」や「短気は損気」などがあります

慌てる乞食は貰いが少ないの対義語

ここからは、慌てる乞食は貰いが少ないの対義語を紹介していきます。

先んずれば人を制す

「先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす)」は、「人より早く行動すれば優位に立てる」という意味のことわざです。「何事も後手に回ると勝ち目がない」という意味でも使われます。「まずは行動せよ」という意味合いがあるため、慌てる乞食は貰いが少ないの対義語となります。

なお、先んずれば人を制すは、中国の歴史書「史記」に登場する「先んずれば人を制す、後るれば則ち人の制する所と為る」という言葉が語源です。

善は急げ

「善は急げ(ぜんはいそげ)」は、「よいと思ったことは、ためらわずに実行せよ」という意味のことわざです。あくまで「よいと思ったこと」に限った話ではありますが、素早い行動を促す意味合いにおいては、乞食は貰いが少ないの対義語と言えるでしょう。

また、この言葉は「善は急げ、悪は延べよ」と続けて使うケースもあります。この場合の意味は、「よいと思ったことは、ためらわずに実行しなさい。悪いことは後回しにしなさい」です。悪いことも後回しにしておけば状況が変わって、しなくても済む可能性があるということを教えています。

  • 慌てる乞食は貰いが少ないの対義語

    慌てる乞食は貰いが少ないの対義語には「先んずれば人を制す」や「善は急げ」などがあります

慌てる乞食は貰いが少ないの英語表現

慌てる乞食は貰いが少ないの英語表現としては、「He goes a-gleaning before the cart has carried.」が考えられるでしょう。直訳すると「馬車が運ばれる前に落ち穂拾いに行く」という意味になります。

その昔、収穫した小麦を馬車で運ぶ際に、馬車が揺れて穂が落ちることがあり、この穂を拾って生活している人たちがいました。このような人たちのなかには、馬車が来ないうちに穂を拾いに行く「慌て者」もいたのです。

しかし、馬車が来なければ穂が落ちるはずもなく、結局は馬車が来た後から行く人たちに取られてしまうことから、「慌てると損をする」という意味合いで使われています。

  • 慌てる乞食は貰いが少ないの英語表現

    慌てる乞食は貰いが少ないの英語表現もチェックしておきましょう

慌てる乞食は貰いが少ないの使い方と例文

慌てる乞食は貰いが少ないは、「慌てると損をする」という戒めで使われる言葉ですが、あまり良い表現ではないため、誰かに対して使う際には注意が必要です。

慌てる乞食は貰いが少ないの例文は下記となります。

  • 「割引セールと聞いて慌てて飛んできたけど、よく確認したら誤情報だった。慌てる乞食は貰いが少ないとはこのことだ」
  • 「慌てる乞食は貰いが少ないというだろう。もう少し考えてから行動した方がいいと思うよ」
  • 慌てる乞食は貰いが少ないの使い方と例文

    慌てる乞食は貰いが少ないを使うときは注意が必要です

慌てる乞食は貰いが少ないの使い方に注意しよう

「慌てる乞食は貰いが少ない」とは、「慌てすぎると結果的に失敗したり、かえって損したりする」という意味のことわざです。使い方によっては失礼になるケースもあるので注意しましょう。慌てないほうがいいということ伝えたい場合は、今回紹介した類語で言い換えるといいかもしれません。また、対義語も知っておくと語彙力アップにつながるので、ぜひあわせて覚えてみてはいかがでしょうか。